2014年7月11日金曜日

紅葉狩り。Cromwell 編

2011年4月のこと。
南島のこの辺りは四季がしっかりある。乾燥しているせいなのか、一日の中での気温差も激しく、一日の中に四季があるとも言われているが、ここで言うのは一年の中での通常の四季だ。

紅葉が有名である。 Cromwell(クロムウェル)という町はフルーツの町と呼ばれるほどいろんな果物が採れるので有名だが、紅葉の時期は真っ黄色だ。フルーツの木とポプラが多いのとブドウが多い為だ。従ってワインの名産地でもある。 ワインに関しては、ここほんの十数年でうなぎ上りに有名になり、国際的にも高く評価されているブランドも少なくないらしい。確かにここで採れるPino Noirは国内でも平均してかなりの高値が付いている。そしてもちろん味も良く、私も大ファンである。

時々スーパーのお酒コーナーの棚の上の方に並んでいるボトルに手を伸ばしてしまう事があるが、値段を見て怯んでしまい、1/3ほどの安くてうまいオーストラリア産のShirazで落ち着く。それくらい稀にしか飲まない代物である。

さて、4月ともなれば、バイクのシーズンは終わりに近い。寒さが厳しくなる前の、まさにちょい乗りの距離しか移動しない。ここまでは片道50キロ。一時間もかからない距離なのだ。 影の多くなるこの季節、美しい渓谷沿いの道は気持ちの良いワインディングだが、寒さがしみる。こんなときにグリップヒーターは必需品。Kuzzyさんもこれを装着後、この時初めてのツーリングとなった。それまでは寒い寒いと停車する度に私のグリップを握っては「これ欲しいなあ」とつぶやいていた。という訳で、今回はKuzzyさんはとても嬉しそうだった。

道にはポプラがずらっと並んでいる。秋には気が狂うほど黄色い道だ。ザ・紅葉狩りだ。 我らはサクランボが大好きなので、毎夏にもここにやってくる。採った分だけ量り売りしてくれる園があるのだ。おいしい実を実らす木々を探したりするのが非常に楽しい。 十時に走る道があり、ここもまたポプラ通りとなっている。畑の区画が大きい為、その長さはざっと1キロ近くあるのではなかろうか。

その昔、金鉱で栄えた地域が近くにある。今はワイナリーが立て続けに並ぶところで、先ほどの場所からは数キロ行ったところだ。ちいさめな湖があり、ここも紅葉が真っ盛りだった。夏はモーターボートが走りまくり、水上スキーやら釣りやらを楽しむホリデーメーカーがたくさんいるが、秋にファンは少ないようで、我ら以外、殆ど人がいなかった。

片っ端からあちこちのワイナリーの辺りの紅葉通りを走った。立ち止まって写真など撮ってたりすると、珍しく車が来たと思ったら7人乗りバンのトヨタが止まった。中から黄色い声がたくさん聞こえた。女子ばかり乗っている車で、何かそれぞれに我々に大声で問いかけている。よくよく聞いてみると、これから花嫁になる友達と一緒に女通し水入らずでオーストラリアから来たという。いわゆるHen Partyだ。その花嫁の友達達が、「この花嫁を後ろに乗せてあげて!」と。

断る理由もそんなにないのでKuzzyさんは快諾した。予備のヘルメットもないので、公道を走る訳もいかなくて、彼女達が向かっているというワイナリーまで畑の脇の道でも何でもないところを土煙を上げて走るKuzzyの後姿を見送った。バンはそれを煽るように道路上で並走し、騒ぎながら手を振ったりビデオを撮ったりしていた。ちょっとした旅のスパイスになった事を願う。 

無事に花嫁となる人をワイナリーに届けたKuzzyさんと更に30分ほど湖脇を走った先にあるClyde(クライド)という村へ行く。ここには今さっき横を走ってきた湖を作ったダムがある。結構古い時から水力発電だったのだ。湖の下には沈んだ村があるという。 

その昔にそれなりに栄えたところらしいのであるが、今はそうでもない。ダムにの下流側にある現在の村には古い建物がいくつか残っているが、その古い建物と一緒に育った様な老人がたくさんいると思われる感じの村だ。

古めかしい自転車に乗って坂道を上って来る元気なおじいさんに笑顔で手を振られたりすると鉄の馬に乗ってる我々はちと恥ずかしい。

その昔に郵便局だった建物は今はレストランになっている。さあ、一休みとしよう。

*今回のルートはこちら


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