昨日の続き。
そして一行は今度は南下する。正確には南西だ。Jackson Bay(ジャクソン・ベイ)という行き止まりまで。来た道S.H.6を戻り、Haast 唯一のガソリンスタンドの前を通り過ぎる。
日本では近年セルフが増えたらしいが、基本こちらのガソリンスタンドは今でも殆んどがセルフである。最近になってようやく店員が入れてくれるところがちらほら出てきたが、それも毎回どこにでもいるというものでもない。車の給油では声をかけられて、何度か頼んだ事があるけども、ノズルを外すときにダラーッとガソリンをボディに垂らされたりする事がしょっちゅうなので、もし居てももう頼もうとは思わない。
バイクのときは声をかけられた事は無いが、もちろんHaastのそれはセルフであるのでその点は安心。でも、注意して入れないと。自分でやらかすと、アチャーッとなる。古くてノズルの締めが甘いのが多いのだ。
この国のガソリンのオクタン価はレギュラーで91、ハイオクと書いてあるものは95か96が殆んどで最近になって会社によっては98がようやく出てきた。それにしても田舎に行くと91しか無い事が殆んどである。しょうがなく入れるけども、走っている状況が違うし、パワーの違いとか燃費の違いがわかるのかと言われるとわからない程、鈍感なので、あまり気にする事も無いと言えば無いのかもしれないが。とは言えハーレーはハイオク指定ですね。
さて、Jackson Bay(ジャクソン・ベイ)への道である。ここは海やら川やら森やらと、実に変化に富んだ道なのだが、更にそれを面白くするのは道自体である。それほど交通量がある道でもないにも拘らず、ちゃんと舗装されているのだが、整備が行き届いてないのか、ゆるやかに凸凹なのだ。
それがなんか気持ち悪いジェットコースターに乗っているみたいな感覚で、ゆうらり、ゆらり、と上下にずっとずっと自分が動くのだ。
制限速度までスピードを乗っけていくとその凹凸がハードにばんばん当たるようになり、ハードテイルみたいな乗り心地の私のXL1200Cだと痛い。なのでスピードを緩めると、ゆらりゆらり、なのだ。これが結構長く続くので、何とも言い様が無いくらい気持ち悪い。きっと世界一気持ち悪い舗装路だと思う。
そんなこんなで着いたなれの果てはほんとに成れの果て。でも5人くらいは住んでいそうだ。いや、もうちょっといるかもしれない。誰もいない桟橋があるので行ってみる。しばらく海をみんなで見ていると船が帰ってきた。漁から帰ってきたのだな。
プーさんみたいなS氏とK女、お似合いだね。
家族がお迎えかな。
次々と運ばれるプラスチックのコンテナはなんだか重そうだ。誰にでも人懐っこいKuzzyさんはおじさんに話しかけている。付いてって見に行くと、おお、Crayfish(クレイフィッシュ)伊勢エビちゃんではないですか! しかも大漁!
そう、ここは言ってみればエビ基地なのだ。図々しく倉庫を見せてもらうと何百と言うコンテナにエビがごっそり、ガキガキという音を立てながら所狭しと重なり合ってるではありませんか。
これ、コンテナ一つ分っていくらなんでしょうね、なんて下世話な話をすぐ始めてしまう我ら。
ここで捕れるものは全部日本やら中国やら韓国に売られるためのものだそうな。国内には殆ど出回らないとおじさんは説明してくれた。この国の政策は何か間違ってると思うと強く思う。外国に売った方が国が儲かるという事で売ってしまうのだ。そのため国内ではえらく高い。ひょっとしたら前の記事で書いたホワイトベイトも外国に出荷さているのかと、ふと思うが、あれに関しては聞いた事が無い。外国には受けが悪いのだろうか。
話は飛ぶがこの国民はあんまりシーフードを食べないので、興味が無く、高く売れるものだから売ってしまえという感じで構えていたのかもしれないと想像する。しかし近年になって、牛乳が倍以上の値段になるなど、牛乳まで輸出価格で国内で流通するようになるとようやく怒りだした。国で統制をした方がいいと思う件はたくさんある。
そんな事を考えながら帰路につく。またぐわんぐわんとアスファルトの上を走る。これに慣れる事はなさそうだ。途中、橋の下を眺めると透き通る青い水の川が海に向かって流れていた。
せっかくなので、みんなで記念写真なども撮ってみた。
さて、Haastからは来た道を一気に戻るが、途中、最後を走っていたS氏がバックミラーから消えたのに気がついた。結構離れて走っているけども、見晴らしの遠くまで見えるいい道なら見えてもいいはずなのだが。車寄せを見つけそこでみんなで止まってS氏を待つこと2-3分程だっただろうか、やってきた。
彼がCBRの後ろに積んであるバッグから取り出して我々に見せたものはK女のViragoに付いていたはずのナンバープレートだった! S氏はそれを拾ってきた訳だ。
あのゆれゆれリアホイールからの横振動と道路からのぐわんぐわんの立振動とミセスKのアクセルの開けっぷりがわかるあの爆音の仕業であろう。ボルトはしっかり車体に残っているので、ちぎれ落ちたのだ。何ともK女っぷりが出ていて思いっきり笑った。
ちなみにこれから3年経った現在はS氏は地元のツーリングクラブの代表として忙しく連絡係をしていて、K女はShadow750に乗り換え、更にパワーアップしている。
太陽の傾きがすごくなってきた。というか、もう日没。やっとこさ標高1000mのCrown Rangeまで戻って来ると、もう真っ暗闇。私の頼りないヘッドライトでは照らしてる先が見えないので、前を走っている車を見つけ、ずっとテールに張り付いて帰った。もちろん気温はガクッと下がった。ブーツの中で2枚重ねたソックスを履いている足が冷えて、これから下り坂なのでブレーキが心配になったりする。体も凍り付く程寒い。冬に入る前の最後のツーリングになるだろうと実感した。
さっき見た、でっかい伊勢エビの入った鍋があつい湯気をモウモウと上げているのを妄想しながら残りの家までの30分を突っ走った。
*今回のルートマップを作りました。お好きな方はこちらからどうぞ。
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