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2016年2月4日木曜日

新春! 3Days ツーリング パート2

先日の続き。

目が覚める。一人で一部屋を使うというちょっと贅沢なツーリング。今までにない良い感じだ。以前Kuzzyさんと一緒の部屋に泊まった時、私が寝る前に眠られて、いびきが耳についたのを憶えている。私が先に寝てしまえば、その逆の立場だったろうに。

そして歳上のKuzzyさんは朝がめっぽう早い。歳を取るごとに早くなると本人は言っていて下手すると4時半には起きてしまうと言う。同じ部屋で寝るのはやはりちょっと辛いと思う。ごそごそ朝から動かれたら寝不足になってしまうではないか。

さて、半年前の冬から朝ごはんを抜いている生活をしている私なのだが、それをKuzzyさんに強要するつもりもないが、食べずに走り出すことにした。もう9時半だ。

ホテルのすぐ前の道に平行に線路が走っている。有名な?トランツアルパイン鉄道につながっている線路だ。いつか乗ってみたいと思っている鉄道で、南島を縦断するルートだ。山岳地帯を抜けていくのがすごく魅力的だと言われている。

今日はその線路にほぼ沿って走る予定だ。

しかしながら、せっかくGreymouth (グレイマウス)まで来ているのだから、ちょっぴり北へ走ってPunakaiki (プナカイキ)を見ていきたいと私が言う。あんまり乗り気じゃなかったKuzzyさんだったが渋々OKを出してくれた。


気持ちのいい朝だ、本当に清々しい。ここがGreymouthだなんて信じられない。

早速止まって写真をパチリ。水平線はやはり平らだ。丸くはない。向こうにはオーストラリアがあるはずだ。


展望台に着いたので、また止まる。この道はNZで一番好きだという人が少なくない。


この海岸沿いに走っていくのだ。
これはめちゃいい。

道中、Kuzzyさんは「いやあ、いいなあ、いいなあ」とずっと言っていた。
来て良かったね。

崖っぷちに張り付くようにおそらく立っているのではないかと推測される家々の入り口を通りすがりに見ると、彼らは一体どんな暮らしをしているのだろうかと思う。

するとKuzzyさんは「住んでもいいなあ」、とまで言う始末。
今日は天気がいいから本当にいいけど、さ、天気悪い日も見た方がいいんじゃない?と補足を入れる。
ウエストコーストの天気は舐めたもんじゃないはずだ。もちろんKuzzyさんもそのことはご存知だ。




プナカイキのパンケーキロックスに着く。
ここはウェストコーストの三大観光ポイント。本当に3つか知らないが。
波が激しく切り立った特徴ある形状の崖にぶち当たり、吹き塩になって見事なまでのパフォーマンスを満喫できる。Blow Hall (ブローホール)と言う。


バイクを止めるともう駐車場は一杯。人の多さがすごいことになっている。
我々はまっすぐにカフェに向かった。やっぱりKuzzyさんには空腹が耐えられなかったのだろう。なんとなく誘ってみると二つ返事だった。

パンケーキロックでパンケーキを食べようなんてオヤジギャグにもならないことを言いながら店に入ると、目に飛び込んで来たのはまさにそのメニューだったので、迷いなくそれをオーダー。
朝とも昼とも言えるブランチを食すことにした。



5分とせずに渡されたブザーが鳴り、カウンターに取りに行く。最近こんな感じの所をそこかしこで体験した。いずれも人が多い、空港とか、そういう所だ。あまり好きではない。客扱いされてない感じがするからだ。カフェは小さいに越したことがない。

さて、Kuzzyさんも同じものをすぐ後ろで頼んでいたのに、そのブザーは待てど暮らせど鳴らない。私はもう食べ終わる直前だ。カウンターに伺いに行くとあと5分だそうだ。なぜだ?
ようやく出てきたものは私のとは見てくれからして大きく違うものだった。第一にすごく焦げてる。だらしない観光地のレストランなんてそういうものなのである。残念でならないが、そういうことが多い。やはり、寄るもんではない。


とりあえず腹を満たした二人は散歩がてら、パンケーキロックを見に行く。
しかしながら、この時は満潮ではなかったらしく、見事な潮吹きなど微塵も見せなかった。まあ、何度も見たことはあるのでいいのだが。


さらにもうちょっと奥の展望台まで行ってみようとさらに誘う。パンケーキの一件で更に機嫌を損ねたKuzzyさんを説得。
そうしてここに着いた。





どのくらいここにいたのだろうか、これからもうちょっとだけ先に行くのだが、その道を眺めるだけでウキウキする。
ちょうど一台のバイクが走り抜けて行った。次は我々の番に違いない。


やはりこの景色、数軒、豪華な家が建っているのが見えたし、最近、土地開発しているのだろう、この近くに大きなエリアが宅地場になっていた。きっとこれから豪華な家々が建つのだろう。景観が乱れなければいいが。

ちょっと行った先にある部落でUターン。同じ道を帰ってくる。これもまた悪くない。
でも心持ち向かい風になっているのに気づいた。

帰りも家を見るたびに、Kuzzyさんはいいなあ、住みたいなあ、と何度も呟いていた。

Gleymouth に戻り、ガソリンを入れていよいよArthur's Pass(アーサーズパス)に向かう。実はこの道の一部はまだこのハーレーで通っていないところだということに気づく。道はいい。73号線だ。

ほとんどが程良いRで、高速のまま駆け抜けられるコーナーであり、起伏もあり、渓谷が見え山が見え、目も楽しませてくれる。交通量が高いのが難だが。つい先日もその坂道でバスがバンに当たってひっくり返り何人かが亡くなったとか。傷跡がガードレールにしっかりと残っていた。


前に通った時にちょっと気になったパブがなんとこの山奥にある。Arther's Passの一歩手前、Otira (オティラ)というところだ。入ってみようよと言う私をKuzzyさんが咎める。でも止まる。

建物の横にあるキャンプテーブルでカップルがバーガーを食べていた。お味は?と聞くと、時間はかかったけど、美味しいよ、と。中も面白いから入ったらいいよと勧められる。

一体どこが玄関なのかよくわからないというか、はっきりしない造りのドアを開けて入る。中ではもっと若い、イギリス人?らしく見えるカップルがフィッシュ&チップスを食べていたが他には誰もいない。

周りを見るとなんだか今まで見たこともないものがたくさんある。どちらかと言うと、まともな趣味ではないというのがよくわかる。しかし実に興味深いものであった。

ウロウロしていると、店員らしき人に声を掛けられる。何か用かと。とっさに何か食べたいかななんて言いながら、カウンターに近づきメニューを見ようとして目に入ってきた看板の文字があった。Whitebait(しらす)のサンドイッチだ。うちのは新鮮でうまいよというからそれにした。今シェフが休憩なので、できるまで15分待ってくれと言われる。

我らがバイカーだと気付くと、その店員は「俺は昔、ヤマハのワークスのシェフをやってて、世界中を駆け巡っていたんだ」という。今はこの村を買い占めて俺の夢の国を作るんだなんていう感じで話し始めた。確かにそこに見えるもの片っ端から彼が買ったものらしい。

建物の上を指差して、後で上の部屋を紹介させてくれと、言いながら持ってきたサンドイッチと代わりに奥に引っ込んでいった。ふと気づくと先ほどまでいた若いカップルはいなくなっていて、ほとんど食べていないフィッシュ&チップスがテーブルに残されていた。
目の前のサンドイッチは大丈夫なのだろうか。

恐る恐る口に運ぶと、意外や意外、めちゃくちゃうまい!これはびっくり。見てくれと味は一致しないのだ。本当に今までで一番うまいWhitebaitだった。


食べ終わると、そのサンドイッチを作ってたシェフのおじいさんが館内ツアーをしてくれることになった。いろんなアンティークを一つ一つ手にとって紹介してくれる。驚いたのはEdgsonと書いてあるむかーしむかーしのレコードプレーヤーだ。手で回すのだ。しかもまだ音もちゃんと出る。

上の部屋には先ほどのヤマハのおじさんが見せてくれた。ここのオーナーだという。2億もかけてここを直したそうだ。150年前の形を純粋に復元したそうだ。家具もここまで気合が入っているのは初めて見た。

残念なのはトイレとバスルームが各部屋にないことなのだが、役所からの命令で、こと建物は昔のままの形を保持しなくてはならないらしい。割り切って昔の造りを味わっていただくためにそれもその味だということで妥協したらしい。商売繁盛して欲しいところである。そういえば我々がそんな話をしている最中にオーストラリアから来たという3人組のおじさんライダーがチェックインに来ていた。大きなおじさん3人が小さな部屋で一緒に寝るらしい。健闘を祈る。



馬車がめちゃくちゃたくさんあって、将来ここは博物館になるらしい。こんな自転車もあったので、Kuzzyさんが挑戦。おじいさんシェフが見本を見せてくれた後、Kuzzyさんに突き出し煽ったのだった。

そういえば、と、ヤマハのおじさんオーナーは帰りがけに、サンドイッチどうだったかと我々に聞いた。うまかったよ、と答えると、それなら良かったと言った。
あのおじいさんのシェフはまだ見習い中なのだとポツリと言った。ほう。


さて、思いがけずにいい時間をまったりと過ごしてしまった我らは東に向かう。これからまだ上り、峠を越えるのだ。
道は前回通った時は工事中で、長い砂利道だったのだが、その工事が終わったせいで、素晴らしく綺麗な道になっていた。

下りに入ると、こちらも工事していて、もっと広い真っ直ぐ目な道になるようだ。すぐ脇にはその私が乗りたい列車のトランツアルパインの線路が走っている。



いよいよ峠も終わりな感じなると奇岩群がある。右に左に、ちょっと遠めなのだが、確かに見える。すぐ下まで歩いて行くことができるのだが今日はもう時間切れだ。


今夜の晩はMethven(メスベン)だからほんのもう一息である。
ところが峠の端あたりまで降りてきて東側を見るとなんと雨雲が待っているではないか。びっしりと高層のグレーの雲が覆っている。気温も全く違う、確実に寒い感じだ。

そういえば、昨日からずっとなんか体調が悪い。鼻は止まらないし、確かに頭も微妙に痛いし、熱もある気がする。風邪なのか?

降らないでくれ、とお願いしながらひたすらまっすぐな道をメスベンに向かって走る。本当にまっすぐな道だらけで、しかも平らなので、どっちに向かっているのかよくわからない。まっすぐなだけに間違えたら大変なロスになる。慎重にGoogle Mapsで見て確かめる。

この辺の道路標識の表示方は住んでいる人にしかわからない。と思う。
とても意地悪なのだ。
あと何キロと時々見える看板なのだが、まっすぐ走っているにも拘らず、距離が増えていったりする。方向は合っているのかなあと、自信をなくしてしまう。

なんとか降られずに着いたMethven、友達のうちに泊めてもらう。でもその友達は不在でおくさんにお世話になる。非常に料理が得意で、それもそのはず、シェフなのだ。

お美味しい食事をたんまりとご馳走になり、ご満悦の二人だった。最後にはKuzzyさんもいいことがあったと1日の幕がめでたく下りたのだった。




2015年3月7日土曜日

暑い夜。

2015年2月。ツーリング4日目。

昨日と同じようにいつも通りの生活の友人のうちに別れと別れを告げて、子供達が学校に行く時間に私も一緒に出る。

天気はいい。超快晴。気分も最高だ。雨を避けてここに来た甲斐が非常にあったし、懐かしい顔と会えたし、充実した時間を過ごさせてもらった。よくよく考えると彼らとは年末に会ったのだったが、その時は一瞬だったので、今回は色々と良かった。勝手に訪れておいて、全くいい言い草である、と自分でも思う。

先日に通って来た道をそのまま戻るのは実はそんなに好きではないのだが、この快晴なので、そんなに気にならなかったし、ゆっくりと走れたし、度々止まってはカメラを取り出した。

バッテリーを上げてしまったMurchison (マーチソン)で今夜の宿をどこかに取ろうとあちこちチャレンジするが、Franz Josef (フランツ・ジョセフ)や Fox Glacier (フォックス・グレーシャー)の両方ともめちゃ混みで全くベッドがないらしい。慌てた。

こっから丸一日かけて帰ることもできなくもないが、900kmはちと辛い。それにこの快晴、写真を撮りたい放題でそれを棒に降らなくてはならないのはあまりにもつまらない。
しょうがなく、距離を縮めてGreymouth (グレイマウス)に的を定めた。モーターパークはがらすか空いている感じらしい。

移動距離がぐっと縮まり、時間に余裕ができたのでじっと地図を見る。
今回Arthurs Passを通ったので、このハーレーでほぼ、南島の端から端と、真ん中を通り抜けたことになるが、まだ一箇所、行ったことがないのがKaramea (カラメア)だ。Westport (ウエスト・ポート)から95km北上する道で行き止まりである。いつか行ってみたいと思っている場所であるのだが、どうやら今日がそのチャンスかもしれない。

Buller River (ブラー・リバー)沿いをずっと東から西に走る。今日は非常に美しい。何度も今まで通ったことがある場所だが、いつも曇りか雨であった気がするので、よく景色も見られなかったのだ。



 すんごい大きいヘアピンが川に沿っている。写真はパノラマで撮っているので変な風に見えるかもしれないけども、本当にこんな感じなのだ。しかも崖をえぐって道が作ってあり、くぐり抜けていくのだ。その部分はおそらく数百メートルあるのだが、ここは一車線なので、向こう側から車が来ないかどうかよーく見てから侵入しなくてはならない。途中ではち会うと、行き違うスペースがないので、どっちかがずっとバックしなくてはならないので大変だ。

その入り口で写真を撮ってると反対側からHondaがやってきて私の隣に停めた。「今日はあっついな!」とヘルメットを脱ぐと気さくに声をかけてきた。私とは反対回りをしているらしい。Queenstownから2時間離れているOmaramaに住んでいるらしいが、その距離にもかかわらず、私を「隣人」と呼んだのはおじさんのテリトリーの広さがわかる。

今までどこをどうやってきて、これからどうするのかとお互いの情報交換をする。Karameaに昨日泊まっていたとおじさんが言うと、ちょっと運命を感じた。やっぱり行くべきなのだ。おじさんも道があんまり良くないけど、行ったことないならば、行ってみたらいいよ、と勧めた。

我らがそうして話している間にさっき私とすれ違ったメチャッパヤのYamahaのレーサーが戻ってきた。彼は手を上げて挨拶する暇もなさそうだ。ものすごい甲高いエギゾーストと共に一瞬でそのカーブを抜けていった。きっといつもここを走っている人なのだろう。おじさんもここまで来るときに後ろからロケットが来たと言ってたので、ずっと行ったり来たりしている人なんだろう。

その様相を見たおじさんと私はお互い気をつけようねと行って別れた。

ずっとこの川沿いを走るが、ずっと似た景色なので意外にちょっと飽きた。


Westport (ウエスト・ポート)に着いた。何度か来ている町だったが、なぜか違う印象を受けた。確かにあんまり散策していなかったのかもしれないが、まるで始めて来たように感じるほど何も覚えていなかった。田舎っぽい時間ハズレのカフェでランチをする。レッドタイカレーとミルクシェークなどを頼んでしまう。冴えないカフェのおじさんは結構する値段のランチのレジを打ってキッチンに消えた。全くハズレだなあ、なんて思っていると、ミルクシェークを持ってきてくれたのは可愛い女子だった。娘さんなのかな。カフェのおじさん、うまい商売の方法を知らなさそうだ。


町を一通り歩いて見てからバイクにガソリンを入れた。いよいよKarameaに向かって行ってみるのである。

町を出るとしばらくずっとストレートだ。長い長い。向こう側にカゲロウが出ている感じだ。しかし気になるのは上空の雲だ。いつの間にか、グレーの雲が行き先を覆っている。うーむ。軟弱なライダーとしては避けなければならない。急に速度を落とし、行くか行くまいか頭の中で戦うが、軟弱が大勝したので、直ちに引き返した。

諦めと頭の切り替えは早い方である。
また人生を感じた時に行けばいいやと自分を納得させる。今日はその日じゃないと。

昨日世話になった友人が以前Westportの海岸線を走ったらよかったと言っていたのを思い出して、そっち方面に舵を切った。海岸線は綺麗だった。どうやらそれなりに見所があるらしく灯台の看板が出ていたので行ってみた。


遊歩道があり、大したことのない灯台の立っている丘を汗だくになりながら登った。もちろん今日も革ジャン革パンツ。例によって革ジャンは脱いでそのままバイクに置いて歩いたが、あっつい!

がけは見所があったと、割と満足して後にした。
なんせ時間がありありなのだ、今日は早く宿に入ってスパとかに浸かっちゃおうかな、なんて考えながら国道に戻る道を行くと、目の前に迫る暗黒の空。嫌な予感だ。

さすがWestcoastだ。これが実力。
どんどん私の影は薄くなっていった。
ところが、その心配は必要なかったようである。雲に近づくにつれだんだん暗くなっていくのだが、道は右に急角度で曲がり、そのままうす曇りの沿岸線へと続いた。

しばらく行くと、目の前のビーチにある大きな岩のど真ん中が割れていて、その向こう側が見えるのだ。この道は何度も通っていて、ついこの年末、家族を連れて車を運転していたときにも見落としていたものだった。満潮だったのだろうか。これは行くしかない!

駐車スペースには数台のキャンパーバンを含む車が止まっていて、様々に人々はビーチを楽しんでいた。
目の前に流れている川はFox Riverというらしい。別に目立つものでもないのでいつもすっと通り過ぎていたのだろう。

私は革の上下を脱ぎ、持っていた短パンに着替え、ビーチサンダルを引っ掛け、膝くらいまでの浅い川を渡って行った。

その大きな岩は見事に不思議に通り抜けられた。洞窟の向こう側には芝生が引いてあり、誰かの家が3件ほど建っている。「えー‼︎」という感じだ。行ってみればこの岩はその人の家のすぐ反対側にあるのだ。洞窟の岩が。

しかもこの洞窟は中でT字になっており、海に向かってぽかっと開いている。天気が良かったらすっごくすっごくすごかったろうと、想像した。


そんなことに感心しながらビーチを歩いていると二人の男がゴルフクラブを持って歩いていている。砂浜でゴルフをしているのだ。ちなみにホールは先ほどのあのでかい洞窟の穴であると言っている。それならとっても入りやすいだろう。
聞くと、すぐそこの緑の家に住んでいるんだよと。なるほど。


足を乾かして砂を払ってから着替えて、出発した。

その後、NZで1,2の座を争うのではないかと言われている美しいコーストラインを走る。ほとんどがタイトなコーナーで決して走りやすくはないのだが、ため息が出るほど景観がものすごい。私もめちゃくちゃファンである。天気が悪くてもそれなりにいいのがNZのいいところ。


浜辺でサーフィンの体験だろうか、初心者っぽい人が講習を受けているのが見えた。Punakaiki (プナカイキ) に着いたのだ。

いつでもここでは有名なブローホールを見に行くのだが、今日はその手前に看板が立っているのに気がついた。今日はよく気がつく。やはり時間の余裕があると行動が違う。

洞窟探検ができるところがあるのだ。バイクを止めて歩いていく。真っ暗で何も見えないと若い女の子二人が出てきた。私はiPhoneのライトとツルツル滑る石の上を歩くためようにできていないブーツで奥まで入っていった。それでも何にも見えなかったが。でも割と大きな洞窟にびっくり。ここも何度も知らずに通り過ぎていたのだ。


Greymouthだ。宿は海沿いのモーターパーク。町まで遠く不便ではあるが、しょうがない。一人部屋を頼んでおいたのだが、渡された鍵の部屋に行くとベッドがトータル7人分ある。ダブルが一つ、シングルが一つ、そして2段ベッドが二つある。果たしてどのベッドで寝たらいいのだろうか。

それ以外にはテーブルと椅子が4脚。壁は両側ともブロックで奥の壁は石膏ボード。入り口は全面ガラスだが、開くのは入り口のスライドドアだけ。まるで倉庫みたいな作りだ。安いのはいいのだが。それにしても、、、である。

そのガラスの部分が西に面しているため、部屋の中が暑い。窓をというか、ドアをずっと開けっ放しにしておいていくらか冷やそうとしなくてはならないが、出かけるのにこれじゃセキュリティも何もない。しょうがない。


ご飯の時間だ。町まで走って5分くらい。あちこち回ってみてみるが、どこも開いているのか閉まっているのかよくわからない店ばかり。この町の規模の金曜の夜にしては人通りも車通りも少ない。

Westcoastで有名なエールハウスには行かないで遠く離れたOtagoの老舗のエールハウスに入ったのはここは以前に来たことがあって美味しいと思ったからだった。今日も美味しかった。地味な町の割にいいシェフがいるに違いない。


もうじきサンセットの時間だと、宿の隣のビーチに直行すると夕焼けがすごいことになっていて、浜辺にはおそらく50人近くの人がいたと思う。明らかにバーより多い人数だ。

みんなそれぞれに考え事をしながら夕日を眺めているようだった。ただそれだけで、十分なシーンだったのだ。

私もそれに参加したが、やはりその場には私一人だけ黒革ジャンに黒パンツにブーツで浮いていた。

今日はよく眠れそうだ、と思ったのだが、帰るとやはり部屋の中が暑い。
ドアは開けっぱなしで寝ることにした。やはり部屋には窓がある方がいい。



まだつづく。



2014年8月5日火曜日

パンケーキとHarleyのメッカ? − 気ままにぐるりと2000km Part 2

2012年2月。
目覚めると青空だった。気持ちもよい。

バックパッカーの2階の窓から海を見ると眼下にテントを見つけた。ちょっとうらやましい感じがした。芝生がとても心地良さそうだが、割と激しい波音がすぐそこで聞こえる。ここの主は良く眠れたのだろうか。

私も日本にいた時にテントを持ってバイクで旅をしたが、Harleyに乗ってからはない。歳を取って横着になってきているのだろう。趣向が変わってきていると言ってもいい。
ひょっとしたら、またやったりすることがあるのだろうか。


朝の散歩を楽しんだ。昨晩回ったコースと同じだ。他に行く道もないし。でも見え方が違うので、それなりに楽しんだ。宿を出て、今日の行き先と反対方向に戻る。と言っても1分だ。そこにあるのがPancake Rocks (パンケーキ・ロックス)というところで、波で浸食された岩に波が当たると、しぶきが激しく岩から吹き上げるというので有名だ。

園内は近年整えられた見事な歩道ができているのでとても歩きやすい。しかもニュージーランド独特のヤシの木がこの辺ではよく見られる。パームツリーを見るとなぜか血湧き肉踊るような太鼓の音がどこからか聞こえてきそうな気がする。

満潮時の方が激しく上がって見応えが良いらしく、そういえば、昨晩のバーに潮のタイムスケジュールが張ってあったのを思い出した。今朝は割と静かな日に当たったらしい。そんなに高く上がる事もないが、まだ太陽が低い時間だったのもあり、しぶきが逆行でよく見えた。

前に家族で訪れた時は全く平らな海で、波がぶつかる音でさえとても静かにしんみりしていた事を思い出す。友人が来た時の話では、激しい雨と波が大荒れで上からも下からも横からも水攻撃で、彼らの普段から泣き虫の子供は終始悲鳴を上げて泣いていたという悲しい話も聞いた。そういうことで全く両極端な日もある。

さらりと一通り歩くと30−40分くらいだろうか。崖に立って西を見ると海のずっと向こうにはオーストラリアがあるのだが、なぜかウェストコーストの波は日本海の荒波のようにすごい。

さあ、出発だ。SH6を上がっていくのだ。
ニュージーランドには実にたくさんのすばらしい道があるのだが、ここのセクションは非常に美しい。道路マップを作る会社の編集長も「個人的なおすすめの道、第一位!」と言っていた程だ。

小さめのクネクネで高低差もあり、海を眺めつつ、森の中を抜けていくという感じだ。所々見せる海沿いの黒い岩もゲージュツ的な形をしているものも多く、小さな湾が連続している。

見晴し台にバイクを停めようと近づくと先に一台いるのに気がついた。BMWだ。アルゼンチンからのカップルでレンタルバイクで回っていると言う。仲睦まじく手を振って去っていった。同じ方向なので、またどこかで合うのかもしれない。

沿岸を走り続けて、ふと気づくとその自然に溶け込むように建てられた派手なポップカラーの家がぽつぽつとあったりする。住む人もゲージュツ屋さんが多いのだろう。確かにこの辺の絵柄の画があちこちのギャラリーに多いと思う。

人里離れたこんなすごい自然と毎日対峙していればすごいゲージュツが生まれてきても不思議ではないかもしれない。

Westport (ウエストポート)という町に着く。人生で2回目だが、非常に非常に非常なところと感じる。確かに町の中心はここなのだが、どこへ行こうか迷う感じだ。ランチをしようとどこかのカフェに腰を下ろしたいのだが、ウーム、どこがカフェのあるところなのだろうか。目抜き通りを2往復ぐらいしてしまう。どうも今2な所しか目に入らない。しょうがなく、カフェだかパン屋だかわからない所の用意する外のテーブルに腰を下ろした。

町の一番大きい交差点の角っこ、一等地に違いないのだろうが、この程度、なのかと。
何も求めない、発展しないというのは実はいい事なのかもしれない、とか思ったりする。

目の前にピンクのバスを改造したキャンピングカーの助手席のおばあちゃん。

そして先ほど会ったBMWのカップルが目の前を通過していった。


ここからはMotueka (モトゥエカ)に住んでいる友人宅まで一気に走る。
いつの日にか行ってみたいと思っているKaramea (カラメア)という村はこの先なのだが、行き止まりになっているので、戻ってこなくてはならない。そう、ここも成れの果てなのだ。全土全ての成れの果てにはいつか行ってみたいという目標を掲げながら、今回は時間が無さそうなのでまたの機会とする。

ざっと200km超えを走って友人宅すぐ手前、思い出した所があったので行ってみた。
Harley Rdとある。なんて事のない普通の道路なのだが取りあえずパチリ。

たったの今の今まで知らなかったのだが、Harely Streetというのもこの町にあったのだなんて。
是非次会行った時に撮ってこよう。

友人宅に3日間お世話になった。久々の再会。これまた嬉し、である。







2014年8月3日日曜日

驚きのFranz Josef − 気ままにぐるりと2000km Part 1

2012年2月。
サドルバッグは両サイドともパンパン、一応防水バッグに包んだ数日分の衣類とスニーカーともろもろ、カッパはすぐに取り出せるようにと一番上に。バックレストに縛り付けた、さほど大きくもないカメラバックがどうも座り心地が悪いのだが、それは仕方ないこととした。

予定はQueenstownからPunakaiki (プナカイキ)へ。と言っても実はここまでは結構な距離だ。ざっと550kmはある。家を出る前に今日の宿を予約した。この村にいつか泊まってみたいと思っていたのだ。ずっと前に車でここを通ったときの夕日がすばらしくて、時間があったら是非泊まってみたいと思ったのがきっかけだ。


実際のところ天気予報が芳しくない。晴天下ライダーとしてはとても不本意なのだが、こればかりは防ぎ様が無い。なんせウェストコーストを通るってことはすなわちそういう事が大前提となる。さすがに連泊ツーリングとなると、そうそう晴天日だけの移動を選ぶ事も難しい。

Crown Rangeを登り始める。以外に空気が冷えている。嫌な前兆だ。グリップヒーターを途中から点けていたのだがいっこうにあったかくならない。どうやら断線しているようだ。つい先日にフルサービスをガレージで受けたばかりなのに、おそらくそのメンテのせいで断線させてしまったのだろう。

今日のこの天気と、これからの旅の長さを考えると絶対に必要だと思い、文句も申すという意味で急遽引き返し、バイク屋に直行した。当のガレージの兄ちゃんは「そんなところ触ってない」の一点張りで通した。まあ、証拠も確かにないんだけども、ガレージ出てきてから乗ってないんだけどなあ。

ぶつぶつ言いながらもどうしようもない事で時間をつぶす事はできない。そそくさ自分のうちに戻り、カチャカチャと配線修理を始めた。見事に引きちぎられていた。やっぱりあいつだ、と思う。ま、直ったので、気を取り直し、再出発とする。おかげで遅くなった。1時間以上のロスだ。

やっとCrown Rangeに戻り、直ったグリップヒーターのありがたさを感じながら、Wanakaに着いて中途半端にタンクに入っているガソリンを満タンにする。このSportsterのタンクは17リットルで大体200kmを超えたくらいで入れるようにしているのだが、燃費は平均20km/lなので、航続距離は大体300kmという事になる。そうするとFranz Josef (フランツ・ジョセフ)までは行けそうな計算だ。


前出のストーリーでおなじみのHaastを超え、海に当たると北へ海岸沿いに進む。原生林が激しい風で曲がりくねっているが、道はまっすぐだ。

一部、すぐ海沿いを走る場所がある。波が荒い時は道路上に容赦なく降り注ぐが、今回は大丈夫そうだ。しかし、しぶきなのか小雨なのか、シールドが濡れる。そこを過ぎてからもまだ濡れ続けるので、それが雨だと分かった。

元々無口だし、しゃべる相手もいないので、黙々と走り続ける。
過去にロケをした森の横を通り過ぎた時、あの日、結構降る雨の中、木々の大きな葉っぱを打つ雨音の下、みんなで黙って撮影してたことを思い出した。


今日のほぼ2/3地点の Franz Josef で給油した後、腹も満たそうと考える。手っ取り早くガソリンスタンドのお姉ちゃんから情報を得ると道路の反対側に最近出店しているタイ風料理のテイクアウェイがお気に入りと言う。よし、行ってみよう。

しかし、ここで、なんと、また一つ問題が発生した。ガソリン代金を払い終わり、イグニッションをまわすとイモビライザーがけたたましく鳴った。あわててキーを抜いてやり直すがまた一緒。周りの目をガンガン感じながら数度目に何とかエンジンがかかり、逃げるように4 Square スーパーマーケットに直行した。超コッパズカシイものである。
キーの電池を購入し交換すると、イモビライザーは鳴らなくなった。良くこんな田舎でボタン電池があったものだと感心した。あー、良かった。これからはちゃんと定期に電池交換をしようと思った。

気を取り直し、タイ屋台に行ってみる。キャンピングカーを改造したお店だ。
異常に値段が高い気く量が少ない気がしたが、空腹には変えられない。オーナーはアジアのお姉さんと現地のおじさんのカップルらしい。

私のどこから見てもバイク乗りのかっこに気づいたおじさんが話しかけてきた。おじさんもハーレー乗りになるらしく、友達と一緒に今度の夏にはアメリカに行ってハーレー買って、さんざん周遊した後にそれを持って帰って来るという計画があるんだと教えてくれた。それは楽しそうである。ドルも当時はすごくいいレートだった。

しかし、そのタイ風のチャーハンらしき食べ物はアジア人のお姉さんが作っていたにもかかわらず、お世辞にもおいしいとは言えなくて、腹もふくれず、ぼられた感満載だった。おじさんのハーレーの旅の夢を叶える為に寄付したとしよう。なんでだ!?

すぐ横にあるシルバーのステンレスむき出しみたいな壁の公衆トイレに入ってみると、自動ドアで迎えられ、すると音声でも説明が。「これから5分間、自由にお使い頂けます。」的なことを言ったかと思うと、銀行で流れているような爽やか系の音楽が流れる。

とてもハイテクだが、5分経ったら何をしている状況でも勝手にドアが開いてしまうのだろうかと、心配した。果たして、そうだろうか。残念だがそれを試すほど私には時間がかからなかった。

ずっと大粒の激しい雨という事でもなく、革の上下を着ているがカッパを着るまでもない。雨は時折強弱をつけながらいろんなバリエーションで楽しましてくれるなどの気の効かせ様。しかも、すっかり止んで体が乾きそうになると、また雨雲が手招きして待ってくれていたり、完璧なおもてなしを受けた。しかし雨は森を過ぎると上がって、残りの3時間はドライの状態で走れた。


Franz Josefより約3時間の道程で本日目的地の、Punakaikiに到着。
太古からある森が海に接している隙間にある村で、観光地であるPancake Rocks (パンケーキ・ロックス)という潮吹き穴がある所からごくすぐ近所だ。ゆったりと流れる川が海に繋がっているところでカヤックを楽しんだりする人もいる。


久々にバックパッカー宿である。ワーキングホリデーにバックパック一つで旅をしていた時代を思い出すと、わくわくする。しかし、いい歳のおじさんになったので、いくらか出世して個室をリザーブ。というか、2段ベッドが1つあった部屋なのだが、その晩は他に客がいなく、結果的に個室になった。少ない金額で個室をゲット。
今日初めての「当たり!」気分を味わう。

散歩に出た。村の大きさはほんとに小さく、5分も歩けば一周してしまうだろう。

村の入り口の看板のように突き出た岩が面白い。
アガパンサスという花、なぜかとっても心が引かれる。うちの庭にもこれのミニ版が夏に咲く。紫と白と、手のひらサイズの花だ。でもこの大きいのがやっぱり見栄えがいい。


キャンプ場はにぎわっていた。今度は家族でここでもいいだろう。時期により人が多くなりそうだが、心地が良さそうなところだ。


ビーチはなんにも言わずに歩いた。尤も一人だが。
残念ながら望んでいたような夕日にはならなかったが、これはこれでいいものが見れたと思った。








ぐるりとした後、どうやら村に一件しかないとわかると、このバーレストランに入る。
一件しかないだけあって、非常に混んでいて活気がある。しかし一人なので席も困らない。


カウンターに座るとでSpeights (スペイツ)のジャグと無難なハンバーガーをオーダー。このスペイツというビールは「南の誇り」という相性で慕われていて、私のかつて愛飲したビールで、最盛期は水の変わりに飲んでいたようなものだ。南島のこの気候にとにかく合う。現在も冬の間はこれにしている。それ以外の気温の高い時期にはSteinlager PURE (ステインラガー・ピュア)になった。好みも変わるという事か。
ということで、今夜は一人で祝杯をあげる。