2014年6月27日金曜日

祝!ハーレー仲間ができた日。

写真はWilson Bayにて ご近所さんと言っても過言のない、昔からいろいろ付き合いがあるKuzzyさんだ。今では還暦を超えて私よりずっと目上の方であり、二人で旅に出て初めて出会う人々の中には私たちは親子であるのかと聞かれた事は数度ある。

ちょうど昨日に46歳の誕生日を迎えた私がもちろん息子に見られていると思うのだが。ニッポンジンが二人して異国をハーレーで旅をしているとガイコクジンにはそう見られてもごく自然な事なのかもしれない。まあ、悪い気はしていない。Kuzzyさんの16歳ぐらいの時の子だと言う事にすれば話が合う。 

Kuzzyさんは世に言う車好きだ。自宅のガレージには数台のバイクと数台の車と数台の自転車が「飾って」あった。どれも動いているのを見た事が殆どなかったので、そう言わせていただく。ハーレーもいずれは乗ってみたい一台だが、でもガレージに入りきらないからなあと、唸っていた。 

私がハーレーに乗ってから約1年半もの間、一緒に走る仲間がいなく寂しかったので、それならとKuzzyさんを洗脳し続け、ついに、その数台の車を泣く泣く始末するのと引き換えにSportster XL883Lを手に入れさせる事に成功した。パールホワイトのボディに一目惚れしたとか。新品の愛車と嬉しい笑顔を撮って差し上げた。今でもこの一枚はフレームに入れて彼のリビングに飾ってもらってある。
こうして始まった二人のバイクライフは楽しいもんである。一緒にちょい乗りする人が増えたのだ。仕事の合間のほんのちょっとあいた昼下がりや、日の長い夏の夕食後の流しなど、ご近所さんならではの気軽さだ。お互いの家の距離は本当にバイクで1分であるので待ち合わせ場所の設定なんてしなくていい。 

一緒に走って楽しい事はやっぱり「共感」であるのだが、それをするにはやっぱり会話は欠かせないということで、Senaインターコムを共同で買うことにして、乗る時は常に会話している。景色の美しさにリアルタイムで反応できるのはバイク乗りにとって、これはものすごい革命である。非常に良い買い物をしたと思う。 

私より長い人生経験を静かに語ってくれる事もあれば、夢も希望もこれからの人生など未来の可能性も熱く話してくれる大先輩である。生命に必要な価値観や生きて行く為の知恵など学ぶ事は果てしなく多い。
しかし、実は会話もくだらない事がメインで、軽い「親父ギャグ」を飛ばしながら行くのだが、たまにガチ受けで息も止まる程の爆笑でコーナーでのタイミングとか間違えて危ないことがあるので、安全面に支障をもたらせているとも言えなくもない。前出のKuzzyさんの写真がすぐに役立たないようにしなくてはならない。コーナー前のギャグは禁物だ。折角できた、掛け替えのない人生の先輩ハーレー仲間である。いつまでも一緒に楽しく乗って行きたい。
写真はBennets Bluffにて 早く夏が来ないだろうか。

2014年6月23日月曜日

静かな湖畔

2013年12月のこと。
さて、良い天気の日は大切に使いたいものだと常々思っている。太陽の力は偉大だ。人々を幸せな顔にしてくれる。うちの奥さんがやる気を出して嬉しそうに洗濯物を物干にたくさん下げているのを見ると、私も「出かけなくては!」とついついやる気を出すのかもしれない。

と言う訳で、この日はMakarora(マカロラ)というなんにもない、通年を通して住んでいる人は50人くらいしかいないビレッジを引き返し地点とした。まあ、カフェとガソリンスタンドが一緒になった所が2軒ほどあるくらいだが、(でもほんとはヘリコプターに乗れたり、ジェットボートにも乗れたりする)そこまではWanaka(ワナカ)という隣町をかすめて120キロそこそこだ。
道中、うちを出てから15分後にCrown Range(クラウンレンジ)という峠を通る。確か十数年程前までは峠の頂上付近からWanaka方面に掛けて殆どの道程は砂利道でレンタカーの乗り入れを禁止していたのであった。今ではあまりのワインディングの美しさにここでも車の撮影が盛んである。

ちょっと前にはこのRed Bullの映像も撮られたところだ。そういえば、この日ではなかったが、後日訪れた時にこのタイヤの跡を見たときには一体何が、誰がこんな走りをしたのだろうかとたまげた。 こんな所なのでSportster Classicではそんなにサマにならない道だなと思いつつ、いつも恥ずかしげに走ることにしている。

Lake Hawea(レイク・ハウェア)はすぐそばを走る道に沿って右側に20キロ程続き、湖の端まで来ると今度はLake Wanakaに当たり、今度は左手にそれを見ながら10キロ程続いている。前半は長いアップダウンを繰り返し、ゆったりとしたコーナリングが続き緑の牧場と青い湖の間を行く気持ちの良い道だ。ここではアメリカンバイクは我の道、うっしっしーと、走るのである。ちょっと広い道路脇でしばし景色を楽しむ事にした。
今となってはニュージーランドもLord of The Ringsで大当たりを飛ばし、映画産業もすごく大きくなったが、もちろん昔から映画は撮っていたのだ。1978年のGoodbye Pork PieというMiniがNZを文字通り縦断するどたばた劇だ。 この映画の代表的な追っかけシーンに人気があり、それはここLake Haweaの道で撮影されている。
ちなみに新しいminiのプロモーションもついこの間ここで撮影されたみたいです。MINI - Goodbye Pork Pie Scene Remake


後半のLake Wanaka沿いを走る道は狭く小さなコーナーがずっと続く。豪雨などの影響で崖崩れなど頻繁に起こっているようだ。現にずっと前に起きた大きな崖崩れのせいで道路がほんのり迂回させられている所もあった。このサイズになると、どけるのもめんどくさいのだろう。この辺りから始まる雨林地帯はウェストコーストと呼ばれている地域で年間300日雨が降ると言われている。そう、今日は晴れである!
ランチはありきたりな、つまらないホットチーズサンドとお世辞にもおいしいと言えないコーヒーをバーレストランでとった。きっとこの店で一番おいしいのはボトル入りのジュースか樽から出て来るビールだろう。携帯も圏外だし話し相手もどこにも見当たらないので短い滞在となる。道は一本なので来た道を戻る事になるのだが、反対側から見るので、それほど退屈というわけでもない。 なんせ、またあのワインディングを帰るのだから。

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2014年6月22日日曜日

夏盛り Dunedin 編

2012年2月。先日からの続きである。 オーストラリア産のShirazを傾けながら思い出す夏の思い出。

Oamaruから南下してくる。ビーチを左手に見ながらすぐ横を走る続ける道だ。なぜかこの国の海沿いは潮の香がしない。海水はもちろんしょっぱいのだが、なぜなのだろう。南島では夏でも乾燥しているので、じとっとした暑さは感じないし、実は気温は高くても30度を超える事はあんまりない。 

これは先日での道のりでの事なのだが、天気も良い日はたいてい黒い革ジャンの下はTシャツ一枚だ。この革ジャンは日本で仕入れたものである。私の体のサイズは165cmで中年太り体型なので、この国のショップではちょうどのサイズが見つからない。肩幅に合わせて着てみると腕の長さはまあまあ合うのだが、丈が長過ぎてまるでロングコートのようになってしまう。 

その体にしっくりくる革ジャンは袖口には絞りが無いので手首との隙間ができる。反対側の手の指が4本入るくらいの隙間なのだが袖口から入り込む風が体を通り抜けとても心地よい。短い夏にだけ感じられる特別な感覚だ。でも、実はそこに落とし穴があったのだ。

夏はこうして私がウキウキして外に出て行くように、虫達の行動も盛んであるようで、ぶんぶん飛び回っている。(そういえばバイク野郎もブンブン族と過去に言われていたと思う) きれいに拭いたバイザーはすぐにバコバコと次から次へと虫が当たることがある。しかもちょうど視覚のど真ん中で。それはハエだったり訳のわからない羽虫だったり蝶だったりトンボだったり黄金虫だったり。もちろんバイザーだけでなく、バイクもメットも革ジャンも虫だらけだ。

果てしなく続くようなストレートがあるOmarama(オマラマ)と言うグライダーで有名な町がある。ちょっとアメリカの荒野を思わせる場所である。(行った事はありませんが、想像上そんな感じ) そこでもちろん時速100キロで走行中、事もあろうに、そんな小さな隙間なのにも拘らず、何かが左手の袖口に入って行った感覚があった。思いっきりホールインワン感覚! 

肘の辺りがこそばゆい感じがあったので、右手でグッと揉んでみると収まった。きっと中でつぶしてしまったのだろうと思って安心して走り続けた。 ちょうど家から200キロ走った所にあるOmaramaでガソリンスタンドにより、給油する。

そういえばと袖の事を思い出し、革ジャンを脱ごうと左腕を袖から抜こうとした瞬間に激痛が走った。 ジャンパーを脱いだ直後にポトッと地面に落ちたのはハチだった。 ミツバチはその命と引き換えに私の左腕に針を残した。直ちに針を抜いたがすぐさま腫れてきた。

こんな小さい町には薬局がある訳も無く、唯一あるNZの国民の友”FOUR SQUARE”というデイリーストアに入って店員に聞いてみると、付ける薬は無いという。しょうがないので冷たいドリンクでひたすら冷やす。結構痛いのだ。それにしても蜂アレルギーが無くてよかった。 

痛さに時折もだえながらのツーリングというものは決して楽しいものではないと実感する。痛さに堪え兼ねて数度となく道路脇に停めてじっとしていた事を思い出す。今考えればアンモニアを掛けるという処置があるのを忘れていた。 翌日はその痛さが痛痒さに変わりつつ海を眺めながら南に向かっていった。

着いた先はDunedin(ダニーデン)大学生の街だ。

国内では5つしか無い国際空港がある。敬虔なクリスチャンが多いのだろうか、立派な協会が多く感じるのはサイズにしてはそんなに大きくない町なのだからだろうか。


世界一急勾配な舗装道がある。Boldwin Stという。もちろん1速で登ってみた。まわりの人それぞれがいろんな挑戦をここでしているのに気づく。黒煙を吐きながら人員満載の自国の旗を立てたバックパッカーのバンとか、ゼエゼエいいながら荷物満載の自転車で上がるオリンピック選手のような2人組とか、若い母親と全力で走り上がる推定4歳男児とか。

この道沿いに住んでいたら駐車場から出てすぐに立ちゴケとか日常なんだろうなとか想像してしまう。ハンドルが下側になってしまってこけてたらきっとレスキュー隊が必要だろう。ニュースにも載ってしまって、一生恥ずかしいバイク乗りのレッテルを貼られてしまうだろうな。なんて考えたりして、急に注意深くなったりする。

 さて、帰路につく。ちょっと遠回りなのだが、畑の中を結構な起伏を繰り返しながらグネグネと走る道を通った。春から夏に掛けては新緑が眩しくとても美しい道だ。日産グロリアの撮影をした時に使ったので思い出深い。
帰りにバイザーが虫だらけになったのは説明するまでもないだろう。


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2014年6月21日土曜日

夏盛り Oamaru 編

2012年2月のこと。
ちょっと遠いちょい乗りになる。(無理矢理かな。) 一泊でお出かけで。午後の太陽がやや傾き始めてから出発だ。 しばらくして湖面の青さに眩しく浮き出る花を見つけた。

私が住むQueenstown(クイーンズタウン)から東に2時間、そしてOmarama(オマラマ)でT字路でぶつかってくる道を右に曲がって南に1時間、全部で約3時間。こういう単純な道だと、時速100キロで計算できるので予定を作るのはとても楽だ。道も1本しかないので、まず迷う事は無い。

 目的地はOamaru(オアマル)と言う古い歴史のある町で、NZの白人の入植時代にいち早く流行り始めた港町だ。と言ってもたかだか200年くらいの歴史であるが。この国はとにかく若い。

Oamaruは大理石みたいな奇麗な白い石が採れる所で有名だ。国内各地から取り寄せられているらしく、確かにうちの大富豪的なご近所さん宅もそのオアマルストーンで建てられている。


この町に住む友人宅にお邪魔した。こちらの宅もその石で建てられたやっぱり150年くらい歴史のある古い建物である。年に1度会うか会わないかなので、話は尽きることがなく、夜も楽しく過ごさせていただく。実はこうして、国内のあちこちの友人宅を訪れては迷惑をかけているのだが、どこでも暖かく迎えてくれるのはとても嬉しいかぎりだ。


翌朝、まず町の高台に行ってみる。湾を一望できるお気に入りの場所があるのだ。とても気持ちのよい朝だった。とか言いつつ、もう昼近かったはず。朝もやっぱり話し込んでしまったりしてしまうので、ついつい出発は遅くなる。


町の目抜き通りではこんなものを見つけた。誰ならこれを乗りこなす事ができるのだろうか。私のハーレーとのサイズの差が凄い! なぜかSteampunkのアートが町中あちこちあるのだ。最近できた町おこし的な存在になっているらしい。 ちなみに後ろの建物がオアマルストーンで建てられているもの。いくつもこのような白い建物がある。 それからDunedin(ダニーデン)と言う町へ更に南下した。道はビーチの真横を沿って行く道を選んだ。大きな黄色い花が一面に咲いていた。 まぎれもなく夏だ。


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2014年6月20日金曜日

初走り。

2014年1月の事。初走り。

正月らしい正月もやっぱりこの国では味わえないのはあたりまえである。 真夏にはBBQの日々が続く。昨今、Kiwi男(NZ人の事をKiwiと言う)の憧れアイテムはでっかいステンレスボディのガステーブルで、今にでも露店が出せるよってくらいのごっついもので、とても高価なものだが、うちにあるのはチープな丸い黒い古びた炭火用の代物である。

なぜかBBQをするときは旦那の仕事と勝手にうちの奥さんは決めているので、私はあたふたする。まあ、いいが。 夕飯時になると、友人がわらわらと各々の料理や食材を持ちより、わいわいがやがやと楽しむのである。大人達はお酒の席で会話を楽しみ、子供達はこぞって何やら楽しそうだ。天気が良い日であれば、9時を過ぎても沈まない太陽の黄色い光を浴びながらみんなの笑い声が庭中に響く。これが結構頻繁に起きているのが我が家の夏の生活である。

天気がいいと、やっぱり出かけてしまうのだ。 写真はGlenorchy(グレノーキー)へと続く道。60キロ程続くワインディングだ。ストレートも所々ある。世界に誇れると言っても過言ではない道である。そのほとんどの道程では湖を左手に見る事ができ、一瞬だけ「しっとり、冷やっ」と体感できる森の中も抜けて行く。時折アップダウンでカーブが青い空と湖に入って行くように見える瞬間はたまらない。

そこを抜けるとスコーンと、気持ちのよいストレートが空に向かって繋がっている。追い風だとそれが最高な気持ちになる。きっとマッサージチェアーに座っている時よりもいい感じ。まるで脳が洗われるようだ。こんな瞬間が自分を駆り立てるのだろうな。

しかし、注意する事は結構ある。 NZの国道の殆どは制限速度が100km/hである。殆ど周りに何も無いのだから支障もないし、交通量もとりわけ多い訳でもない。気をつけるものと言えば、時たまある道路の大きめの穴と、敷かれた動物のウサギ、ポッサム等とかの死骸とか牛、羊の道路移動の後に残っている大量の糞、それに飛び出てくるシカ類の動物と、交通ルールを理解していない運転する車である。特にキャンピングカーはでかいので危険。 

もし、何かがあれば、100km/hで走っていたら致命傷となりうることであるので、絶対に注意は欠かせない。正しく安全に快感を味わおう。 楽しかったライディングから帰ったから自分が高揚しているのがわかる。

果たして、この晩も楽しいBBQになったのだろうな。

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2014年6月19日木曜日

Short Ride − ちょい乗り

short-ride.jpg
2013年の12月のこと。
ちょっとだけ走る。ちょい乗り。 

これで鼓動を肌で感じているだけで、幸せ気分になってしまう。
太陽が覗けばどこかに出かけたくなり、どこに行くのかは股がってから決める事が多い。 

ここは家からたった6キロの地点。Queenstown(クイーンズタウン)は小さい町なので、ど真ん中を抜けてきているのに10分とかからない。町外れのいつも混んでる無料駐車場に停めて撮った一枚。

対岸にそびえている山がRemarkables (リマーカブルズ)。 写真はご覧の通り、夏が真っ盛りな嬉しいとき。これからどんどん旅行者がやってきて、町中がにぎわって、どこもかしこも忙しくなる。

町に活気があるのを見ると嬉しくなる。でも、信号が無く、Roundabout (ランダバウト)交差点では交通量が増えると麻痺してしまうのには閉口してしまうけれども。 

さて、そして、この先はに続く道はお気に入りの道。Glenorchy (グレノーキー)まで60キロ、約1時間弱の道程だ。美しい湖沿いをずっとずっと走る、最高の道が続く。車のCMなんて、一体、今まで何本撮影されただろうか。 でも、この日は走らなかったなあ。

冬の3ヶ月間は走らないので、とことん思い出に浸る。

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