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2017年2月14日火曜日

どうやら世界一のロードらしい。2

前回の続き。

2017年2月。

Milford Road (ミルフォード・ロード)は特別な敬意を持って走りたいところだ。なんてったってこの道は世界遺産の中を突っ切っているのだ。

なんでも最近CNNが選んだ世界のトップ10ロードトリップでなんでも栄光の1位に輝いたという。まあ、車で、っていうことなんでしょうけど、車で走って気持ちいいところをバイクで走って気持ち悪いわけがない。

万年雪を頭に乗っけた標高2000mを超える岩でできた山々に囲まれ、どこまでも深い森はコケ・シダ類とブナの浅い緑と深い緑が一面に広がり、時に激しく、時に優しく流れる滝や川の水はきっと天使の心のように清らかだ。

こんなところをハーレーで走る楽しさは体験したことのない人にはなかなか伝わらないのかもしれない。

何はともあれ、GoPro映像を撮ってみたのでご覧いただきたい。





 Eglington Valley (エグリントン・バレー)  山間に突然広がる広大な平原。観光客はそれぞれ散らばって写真を撮りまくっている。春先は全て緑の草原になる。





Monkey Creek (モンキー・クリーク) と言っても猿はいない。岩から流れて来る川から汲む水が美味しい。買って来たボトルの中の水を捨てて詰め替えるほど。




このすぐ先はHomer Tunnel (ホーマー・トンネル) と言ってもシンプソンもいない。
トンネルがない頃は奥に見えている雪渓の上からのアクセスだったという。今でも山が大好きなトランパーは命をかけて行くという。



トンネルを抜けてすぐのところ。視界が変わる。



めまぐるしく雲が流れ、岩肌が現れては消えていく。



 名もないだろう即席の滝があちこちの山から滴り落ちて来る。雪解けの季節と雨の日の後の楽しみだ。





大風景を前にこんなちっぽけな存在になる。



番人ならぬ番長じゃなかった、番鳥。
観光客がチップスなど不健康な食べ物をあげてしまうことで、どんどん寿命を減らしていると思われる。もちろん数もどんどん減っている。もっとも、なんでも好んで食べてしまう彼らにもその責任があるのかもしれないが。


なんせ、こうして車も食べてしまうのだ。この後、このアンテナはもぎ取られてしまったという。レンタカー借主のインディアンは慌てふためていたらしい。

写真を撮っている間、彼らにハーレーのシートに穴を開けられはしないかと私もハラハラしていた。車のパーツをほじくるのが大好きなのだ。もちろん食べているわけではないだろうが。

さてさて、トンネルを越えたらいわゆるミルフォードサウンドという海が見えるところまであと30分なのだが、行ってしまったら往復1時間というわけにはいかないだろう。なぜなら休憩をすぐ入れてしまいたがる私のことだ、下のカフェで根が生えてしまったら最後、今日は帰れなくなってしまう時間になってしまうことは確実。

ということで、Uターン。写真もたくさん撮れたし、目的は達成だ。あとは気をつけて帰るのみ。

帰りにTe Anauに着いた時にはさすがに疲れた。それでもってコーヒーが飲みたい。またあのイタリアン、っていう手もあったのかもしれないが、流石に続けてというのも、、、素敵な彼女はもちろん気にはなったのだが、でも一応と店の前を通過してみると、まだ5時過ぎにもかかわらず、店は中国人で道路まで溢れていた。しょうがなく新天地を求めて違うカフェに入った。

行った先のカフェも中国人5人女性がカウンターを占拠していて、なかなか注文にたどり着けなかった。この街も中国人のおかげでも確かに潤っている。日本人の私もそれに少なからず加担しているのだが。
テイクアウェイをすると50c高いのでテーブルにつくことにしてゆっくり休んだ。最近こんな店が結構多い。人が店にいることで「ここは流行ってます空気」を伝えることに協力するために安いのか、それとも純粋に紙コップ代をチャージしたいのか。

20分ほど休んだあと、最後の給油でハイオクガソリンをTe Anauでハーレーに入れると一緒に私はV DrinkというNZ 名産のエナジードリンクをぐい呑した。2本買うとお得になってたのでもう一本は予備ということでバッグに入れた。これで家までのエナジーが保つはず。

夕日と追い風を背中に浴びながらFive Riversまで向かい、国道を左に曲がりQueenstownに向かえば夕日は左側。太陽が時折キラキラと湖に反射して眩しい。右側にはハーレーに乗る自分の長い影が見え、エンジン音が心地よく体を取り巻く。これがまた嬉しいではないか。

はい、ナルシストです。



2016年2月9日火曜日

新春! 3Days ツーリング パート3

帰る日。

ここはMethven (メスベン)カタカナで書くとなんか変な町の名前だ。とてもちっちゃいしすごい田舎。畑ばかりが永遠と四方八方に広がっている。麦やコーンやアブラナや色々だ。

家の窓の向こうに見えるのはこの町の唯一のゼニバコMt Hutt (マウントハット) スキー場があるが、もちろん冬の間しか、人はいない。ここの家主が家を建てたばかりの頃、もっとよく見えていた山だったが、隣人の防風林が大きく育ってきて、その山を半分隠してしまい景色を変えてしまったと嘆いていた。山が見えるからここに住むと決めたのにと。

あの木がもっと高くなって安全といえなくなる時が来たら切られるよと彼女を慰めた。風が超強い所でもあるので、その前に自然に倒れるかもしれない。
その時が来た時の彼女の嬉しそうな笑顔を想像した。

目覚めはスッキリだ。しかし実はまだ鼻が詰まっててなんとなく頭は重い。軽い風邪の症状だ。

私はここ半年以上、朝ごはんは取らないようにしていると伝えていたにもかかわらず、それを無視して作ってくれる。Kuzzyさんは喜んで貪ってた。コーヒーマシーンで入れてくれたロングブラックが体に滲みる。

いざ出発。
奥さんに別れを告げると3人の子供達も出てきて手を振ってくれる。一番下の女の子はまだ小さいが一番の目立ちたがり屋。誰に似たのだろうか。旦那は仕事で留守中でも、奥さんがちゃんとおもてなししてくれるということに感謝した。

さて、早速道に迷う。朝だけに、太陽がまだ低いところにあるのであちらが東だとはわかるのだが。まっすぐな道をとりあえず東に向かう。ずっとずっと不安になるくらい真っ直ぐだ。するといきなり、鳥がどこからともなく飛んできて、私のブーツを履いた右足のくるぶしくらいに当たり、エンジンとの隙間を抜けていった。インターコムで話し中だった我々だったが、私の悲鳴に驚いたようだった。
だいぶ後ろを離れて付いてくるKuzzyさんが見た時にはその鳥が道路でくたばっていたらしい。まあ、しょうがない。

何度も来ているので、かすかに憶えていた交差点を右に曲がる。おー、ここだ、ここだと。直角に近いコーナーを右に曲がると全開に近いくらいの加速でペースに乗る。と、とたん、また、鳥の大群が目の前を急によぎり、それを避けようと両足をグッと上げたら右足の靴底に、ゴンッと当たった。なんという確率だろうか。いわゆるライダーキックをしてしまい、鳥をまたもや倒してしまった様子だ。

先ほどの事故現場から今の事故現場まで2分と離れていないのにだ。びっくりである。それにしても鳥たちはどうして100キロで走る物体の直前をあえて横切ったりするのだろうか。
もし私が鳥ならそんなことはしないと思うが。


無我夢中でひた走る。天気は良い。結局、昨日の峠を越えてからMethvenに着くまでが悪かっただけで、あとはずっと天気が良い。素晴らしいツーリング日和である。

Tekapo(テカポ)までは2時間くらいあったのだが、あっという間に着いた気がした。人気の日本食のレストラン、ランチの予約をしていてよかった。たった二人だけども、最近は入れないときもある。以前は一人でも入れなかったほどだ。テカポには店が足りない。

いつもの納豆サーモン丼を食べた後、お勧め上手のお姉さん店員から聞いた驚きのたった$3の手作りクッキー付き抹茶アイスクリームを別腹に入れ超満足した我々はまた走り出す。

最高峰のMtCook (マウントクック) が目の前に見えるプカキ湖に着くとぼんやりと晴れていた。


レンタルカーが非常に多い。みんな景色のいいそこかしこで急ブレーキを踏む。風物詩みたいなものだ。でもそれが数ヶ月続くのだが。

Omarama(オマラマ)ではいつものカフェによりまたコーヒーブレイク。なんか好きなのだ、ここは。店員にも名前まで憶えられている。以前仕事でこのちっぽけな村に滞在が長かったことがあるからだのだが、でも実は、彼らのビジネスは最近日本の観光ツアー会社と密接になっているということも関係しているのだろう。カフェにくっついた服屋では数人の日本人が雇われている。カフェで働くここのオーナーの娘も日本に留学生で行ったことがあるらしく、とても好感を持っているそうだ。

日本を嫌われないようにしないと、と私もわずかながら彼らの前では背筋を伸ばしてしまったりする。

もう、ここまで来るとなんとなく庭を走っている感覚になる。確かに2時間はあるのだが、コーナーのの一つ一つを覚えているとまでは言わないが、見慣れている風景だ。きっともっともっと時間をかけて走っていけば、新発見もあるのかもしれないが。脇道もそれてしまえば、まだ未知の世界だが、ほとんどは砂利道なのでハーレーで入ることはない。

この2時間の道のりは過去二日間の感想と反省と思い出と、ずっとずっと走りながら家路に着いた。天気に恵まれ、カフェではいろんな目にあい、人と出会い、美味しい食事にありつき、何しろ無事に帰ってきた。それぞれの家族が待つ家に。

実際のところ、彼らは別に待ってた訳ではいなかったようだが。
また行こう、と思った。




2014年8月9日土曜日

ライブと海洋動物天国 − 気ままにぐるりと2000km Part 4

2012年2月。
友人宅で3泊もお世話になり、しかも最後の晩にはその町在住のお友達も集まってもらって、それはもう大変な事になりました。しかし、それだけでは終わらない。なんと10分離れたバーで、日本のアーチストがバーでライブをするというので、そのまま、みんなでのこのこ出て行った。バーが主催なので、もちろんタダのライブである。

彼女の事は全然知らなかったのだが、Kat McDowellってKiwiと日本のハーフのシンガーソングライターで、「なごり雪」がヒットしたとか。爽やかな歌声で、みんなを魅了してました。

ざっと集まった人は100人くらいだったかも。半分はどこにこんなにいたのかというくらいの日本人。残りの半分はバーのお客。さすがに日本語の歌には反響が少なかったみたいです。来ていた日本人もみんな静かだし。彼女の歌う姿を見てすぐにファンになった。


さて翌朝、友人に別れを告げるとやっと帰るのか、という感じでほっとしただろう。
今日の目的地はKaikoura (カイコウラ)、ホエールウォッチングが有名だ。隣のオーストラリア同様、今は捕鯨反対の立場である。昔は捕鯨の基地がここにもあそこにも、あちこちにあったらしいが。公園にはクジラの大きなあばら骨で組んだアーチのオブジェがある。

まずNelson (ネルソン)を目指し、それからSH6を走り続けるのだが、結構なワインディングがすぐにある。そこを抜けると左側全てはQueen Charlotte (クイーン・シャーロット)という地域で、海と無数の突き出る丘が織りなす光景が見られるのだが、そこへ行くには小道をどんどこ行かねばならない。ついた先は絶景かな、である。

でも今回もパス。ほんとに何にもないところなので、全てを持っていかなくてはいけないのだ。ファミリーキャンプにはもってこいの場所だ。鳥のキウィではないがタカへという鳥がテントの周りをばたばた走り回ってたのを思い出す。

Blenheim (ブレナム)まで走ると、それからSH1に乗り南下し始める。天気がよければPicton (ピクトン)を回っていこうと思っていたのだが、あいにくの天気だ。まあ、前回通っているので良しとした。

天気がかんばしくないとやっぱり旅は楽しくない。あっという間に目的地だ。ブレナムは割と大きい町でワインが有名。周りはぶどう畑だらけである。ところが今回も別に飲むでもなく通過するのみだった。バイクにはガソリンをたっぷり飲ませたが。そのうちこの町で飲食とかするのだろうか、なぜか縁がない町だ。

しばらくSH1を南下すると塩を作っている場所がある。ちょろっと社会科見学とする。そう、ここは塩も捕れるのだ。海水を蒸発させていく方法を使っているらしい。

この真っ白い場所、とても魅力がある。過去にスタジオで砂浜を模したセットを作るのに塩を何十袋と運んだ覚えがある。

カイコウラ手前になると晴れて来た。青い海と青い空はグッドコンビネーションだ。
キャンパー達の車が多い。あれで何週間も過ごしちゃったりするのだろうか。


ちなみにこの当たりはポリスが多い。いつもいつも絶対いる。ついつい無意識のうちにスピードが出てしまう所なので、ちゃんと監視しているのだろう。



面白い滝がある。滝自体は別にそれほど面白くないのだが、ある時期に限り、アザラシがやってくるのだ。海側から歩いて10分くらいにある滝なのだが、その細い川を上ってくるのだ、アザラシが。次回訪れた時はわんさかいて、なんとも異様な景観だった。誰もがびっくりな世界だ。

ここで話しをした彼女は鳥を描くアーチストだという。素材探しの旅をしていると言っていた。

カイコウラはアザラシの宝庫。クジラだけではないのだ。イルカもいる。「アザラシ・イルカと泳ごうツアー」は超人気。サメもいるらしいが。

ここに移り住んだばかりの友人が地元の釣りクラブに入って、浜辺から投げ釣りをしたという。このエサを使って釣るんだよと渡されたのは伊勢エビ(Crayfish) だったとか。それで釣れるのはサメばっかりだったと言う。エビでタイを釣るならぬ、高級エビでサメを釣る、なのだ。それを聞いた時、なんという贅沢な趣味なのだろうと感心したのを憶えている。

ここで捕れるサメはフィシュアンドチップスというイギリスの伝統的な料理として出される。ビネガーではなくてトマトソース(ケチャップ)をつけるのがKiwi流。

店でフィッシュと呼ばれるデフォルトはサメらしいのだ。もっと値の高い魚はちゃんと魚の名前で売られている。コッドとかホキとかがそれらだ。


さて、長くなったが、その釣りのエサになってしまう程の伊勢エビを食べにいく。町外れの沿岸部に屋台が並んでいる一角があるのだ。町のレストランで食べるよりは安く手に入るらしいが、やっぱり高級食材であるには違いない。

冷蔵庫の中に冷たくなっているエビがマジックで値付けされている。一番小さい方から数えた方が近い方のエビを注文した。丸一匹食べるのは贅沢だが、一人だから仕方がない。喜んでいただくこととした。

満腹後、適当な宿を探してバイクを停めた。このバックパッカーに見えない個室に決めた。ガレージ付きでバイクを中に入れてくれると言う。偶然にもそこでレセプションをしている女性が日本人だったのが運のツキ。

夕方、ぷらっと町へ出てバーに入って夕食。ここでもビールはスペイツだ。
開けっぱなしの窓からカモメが自由に出入り、誰かの残した皿のフィッシュアンドチップスをついばんでた。


どうやらフィッシュでカモメも釣れそうだ。



2014年7月5日土曜日

真夏の2日間 - Milford Soundへ その4


Lake Gunn(レイク・ガン)を過ぎてすぐにこれまた三大遊歩道のうちの一つ、Routeburn Walking Track(ルートバーン・ウォーキング・トラック)の入り口であるThe Divide(ザ・デヴァイド)というバス停がある。人々はここから2泊3日でQueenstown側に向けて歩くのだ。

日本からも毎年、たくさんの人が訪れている。そんな人達を歩きながらガイドするのがKuzzyさんだ。そんな人と森の中をバイクで走り抜ける訳だから、質問するとそれなりに早口で色々説明してくれる。 

The Divideを過ぎると道が途端に狭くなり急勾配を下って行く。こんなところでバスとすれ違うのは嫌だなあと思うが、一日十数台以上は走っているバス達もこの時間になってしまっては全く走ってない。遅めに出て来たので、もう6時前。しかし夏至の2週間程前のこの日の日の入りは9時半頃だ。他のホリデーの車も殆どいない。道はほぼ我らだけの為に用意された様なものだ。

そのちょっとした森を抜けると急に周りの山々が接近する。間近にそびえ立つ岩山の迫力が凄い。一応、路側帯の一番広いかと思われるところにバイクを止めてしばし見上げ感動に浸る。

このKuzzyさんの嬉しそうな顔。

すぐこの先にあるのがMonkey Creek(モンキー・クリーク)。大きめの駐車場がある。なぜモンキーなのか知らないが、そんな名前がついている小川だ。とにかくこの山から流れて来る水は凄くおいしいので有名。サドルバッグに入れていた買ったボトルの水を捨ててここで入れ替える。間違いなくこちらの水の方がうまい。しかもめちゃくちゃ冷たいのは言うまでもない。大自然を肌で感じるところだ。


Kea(ケア)という国鳥がいる。高所に住んでいるオウムの仲間だ。かなり賢い鳥らしく人間の2歳児くらいの思考能力があるというが、その分、いたずらも盛んである。とにかくその鋭いくちばしで突っつけるところは突っつきまくる。車のワイパーや窓ガラスのシーリング、バイクならば間違いなくシートやグリップ、サドルバッグ類などは食いちぎられて、ずたずたにされてしまうことだろう。人間の間近までくるが危害は加えられたと言う話は聞いた事がないので日本のカラスよりはましかもしれないが。もちろん害鳥ではなくて保護指定されている。その為、エサアゲは禁止なのだが車のオーナーも自分の車を食べられたらたまらない。 我ら、我が道を行く。


長い長いとても暗いHomer Tunnel(ホーマー・トンネル)を抜けると、そこには美しいワインディングが私たちを待ち構えていた。


夜は村で一件だけあるバーレストランでワインで祝杯を上げた。 満月に近い月が眩しい夜だった。


*本日のルートはこちら