2016年1月18日月曜日

新春! 3Days ツーリング パート1

新春ツーリングだ。

今回は2泊3日の予定でウェストコーストを北上して南島の真ん中を北から南へ縦断し、西へ向かって帰ってくるというルートに設定。走行距離は大方1300kmとなる。

時は1月4日。三が日を終え、ようやく酒が抜けた頃、待ってた快晴の日はやってきた。とはいえ、このツーリングを決めたのはたった2日前のことであるのだが。

今回のお供ももちろんKuzzyさんである。つい2日前に約束をして今日に至る。朝8時半出発のはずがだんだんずれて9時になった。朝は意外にも寒い。寒すぎる。ヘルメットがすぐに曇るほど白い息を吐いている自分に気づいた。

家を出てまずはタイヤの空気圧チェック。そういえばずっとしていない。二人とも空気がヌケヌケになっていて、超びっくり。前36psiで後ろ40psiであるはずが前28、後ろ28しかなかった。パンパンに入ったタイヤで走り始めた二人は元気が注入されたみたいだ。

しかしながら、体調があんまりよくない自分に気づく。そういえば昨日も来客があり、しこたま楽しく飲んでしまってひょっとしたらまだ残っているのかもしれないなんて思ったんだけども、実はそう思わせたのは変な夢を見て早く起きてしまい、それから眠れなくなってしまい、結局寝不足で起きてしまったからに他ならない。冷たい空気にさらされても脳も体も覚醒しない。

Crown Range クラウン・レンジを抜ける。周りのさらに高い山々には昨晩降ったと思われる雪がまっすぐな線で残ってる。迂闊にも革ジャンの下にはTシャツ一枚で来てしまった。冷気が体を抜ける。ここでも最高地点は1000m近い。

朝にしてはそんなに交通量も多くなく快適に抜けられた。いつもよりゆっくりなペースで先導する俺に対してKuzzyさんが「こんなにゆっくり走ったのは初めてだな」なんて言っている。80km/hでのクルージングは悪くない。Kuzzyさんの883にはちょうど良かったみたいだ。

峠を抜けて広くなると歴史的なパブがある。Cardrona Hotelだ。朝から混んでいるのにはびっくりだ。駐車場にはたくさんの車が止まっていた。その先の教会みたいな建物の横にあるトイレに寄る。寒さのせいだ。
遅いながらも抜いてきたもっと遅い車達にここで抜かれてしまい、ウサギとカメの話みたいだ。この先、また彼らに追いついてしまって抜くことがあるのだろうか。でもここからWanakaワナカまではほぼ直線、その機会はないだろうと睨んだ。

氷河が遠くでとっても綺麗に輝いて見えた。
真夏なのに本当に寒いねー、とインターカムでKuzzyさんと話をしつつワナカを抜け、Lake Hawea レイクハウェアへ。ここで私のみ給油とトイレ。ほんとかよと思うくらいトイレが近い。30分も走ってないのに。

まだ11時前である。が、寒さが効いたのか、どうも調子が今ひとつ上がらない。というわけで早めのランチをワナカ湖畔ですることに。風を避けてちょっとした入江で。長袖シャツも着た。遅いな。

ところでKuzzyさんの奥さんは本当によくできた人で、早起きしてKuzzyさんのためにお弁当を作ってくれる。しかも、私の分まで。私の奥さんが作って私に持たせてるわけがない、もしくは私が私自身の為に自分で作って持ってくることなどない、ということが前提になっている。そこまで知り尽くした間柄はとてもいい友好関係だとも言える。

とても美味しく頂いたおにぎりだった。美味しいおかずまでしっかりと作ってあった。ご馳走様です!

さて、そのお弁当を作ってくれた人の伴侶をリードしながら(恩着せがましく言ってみる)Makarora マカロラに着く。なんと赤いインディアンが来た。写真を撮るのを忘れたが、あの特徴のあるひらひらがそこかしこに付いていた。そのHaast ハーストから来たというオーナーおじいさんは他に2台持っていて、それらはさらに古いぞと胸を張って言っていた。いろんな人が世の中にはいるもんだねえと、Kuzzyさんと感心した。

ここでまたトイレに寄る。Kuzzyさんがガソリンを入れようかどうしよか、なんて言ってたけど、入れずにそのまま。給油口の台の上には誰のか知らないが、タンクキャップが置き去り、、、。必要ない車などないはずだが。

途中、川沿いに走る道は眩しい光の反射と緑とが綺麗だった。そうだ、この景色が見たかったんだと感動しながら走り抜けたため、写真はない。

Haastといういつまでも携帯の圏外であり続ける村に向かう。この峠の途中、地図上の境界はウエストコーストになる。いつまでも続いていた滝が道路を壊してしまっていた為の道路補習工事もようやく終わったようだ。名物の滝のところにはたくさんのハイカーが止まっていた。峠を下りると空気がぐっと重くなりあったかくなり、向かい風になった。海からの風だ。体が重く感じたのでカフェに入る。2度目の休憩。

ひだまりの下の外の席、コーヒーをすすっていると2台のバイクがやって来た。どちらもカップルで揃ってツーリングらしい。聞くとSydneyシドニーからのお客様。なんと11日間のツーリングの2日目だという。奥様方はとても表情明るく先日のずっと雨の中の1日を語ってくれた。旦那に献身的なのか、アドベンチャーが本当に好きなのか、11日のツアーというのがそれを証明してくれることだろう。

彼らの乗るのはYamahaとDocutiのオフロードツアラーでとても私の短い足では全然届きそうになかったが、彼女たちの旦那たちは悠々と膝を曲げ、乗っているんだろうなあ。あと10cm足が長かったら私の人生は変わっていたろうと常々思う所以である。

さて、出発だ。もう1時半。9時にクイーンズタウンを出たにもかかわらずである。

海だ。

Bruce Bay ブルースベイに着く。海岸線の間近を行く。雲ひとつない青空の下、とても気持ちがいいのでちょっとだけ停車。以前どこかの誰かがこぞって積み上げていた、気味の悪いたくさんの石’アート’は跡形もなくどこにもなかった。

初めてここを通った時は車でだったが、まるで台風みたいに荒れていた日で、波が道路上まで押し寄せてきていて、それこそ波間を縫って渡った記憶がある。NZの自然はとてもワイルド。きっとそういう悪天候がその’アート’を流してくれたのだろう。

そういえば、余談だが最近FBとかでシェアされているNZ観光局のポストでNZでの運転の注意があって読んだのだが、あんな甘っちょろい情報はうわべだけのもので、本当の危険は何一つ書いていない。旅行者にはすごい悪いところを見せたくないのが本音なのだろう。

やっとこさFox Glacierフォックス・グレーシアーに着いた。3時を回っている。このまま目的地のGreymouthグレイマウスまで真っ直ぐ走れば3時間だ。ディナーにはちょうど良い頃だ。ということで、小腹が減っているので、何かを入れることに。
以前入ったことのあるカフェに入る。その時に食べたトマトスープが美味しかったのを憶えていたのだ。今日のスープはタイ風のかぼちゃスープだという。とりあえず頼む。
出てきたものはとても美味しそうには見えなかったのだが、見かけによらず意外なお味でまあまあだった。Kuzzyさんはどこへ行っても好きなクマラチップスをつまんでいた。
食べ終わるともう4時前だ。
カフェの眼の前に止めた我らのバイクがカッコよく停まっている前に来てイグニッションをひねるとイモビライザーが鳴いた。やべえ、キーの電池を替えていないことを思い出す。そういえば、以前もFranz Josefフランツ・ジョセフのガソリンスタンドで給油をした直後に鳴り止まず、電池を買いにコンビニへ走ったことを思い出して周りを見た。

するとなんと隣のKuzzyさんのも鳴っているではないか!なんという奇遇。
そこへ一人の女性が我々に近づいてきて話しかけてきた。彼女の言うことにゃ、ちょっと坂の下まで動かせや、ということで、なんでもこの場所に止めた多くのバイクには’この問題’が起きると言っていた。我々のハーレーが鳴いているのがうるさくて文句を言いに来たのかと思った。

???のことやらとバイクにまたがりエンジンをかけられずにそのまま坂を下り始めた。停めたところがちょうど坂の真ん中あたりだったのが好都合だった。坂が終わるワンブロック先に行ってイグニッションを回してみるとなんでもなかったように普通にエンジンがかかった。

バミューダ・トライアングルならぬ、変な地域がウェストコーストにはあるもんである。Kuzzyさんのも同様にかかった。

ふとそこで思い当たることが。以前Franz Josefで起きたのもひょっとしたらこれと同じ何かだったのじゃないだろうか。

さて、出発。

相変わらず、なんとなくフラフラしている脳ミソでFranz Josefまでのワインディングを行く。車が思ったより少ないのが良かった。我らの方向も対向車も少ない。この時期にしては非常に走り良い環境だった。
5時前。Franz Josefに着いて二人とも給油。恐る恐るキーを入れてひねると今回は大丈夫だった。どうやらここは妨害電波が解除されているのかもしれない。

どうやらゆっくり来すぎたせいで二人とも疲れている。WhataroaワタロアとかHari HariハリハリとかRossロスとかドウデモイイ村はトイレだけ借りて通過する。二人とも疲労のせいで、インターコムでの会話もだんだん少なくなる。
そんなこんなで予定通りに?ちょうど7時にGreymouthグレイマウスに着いた。ホテルの名を持つレセプションだけ豪華なモーテルみたいなところにチェックイン。隣の部屋は中国人の野郎どもがたまってて、外で大きな声で会話してうるさい。ああ。

食事に出かけた。町までちょっとあるのでバイクで行く。2台出すのもなんなので、後ろにKuzzyさんを乗っけていくことに。楽しみにしていた地元ビールのMonteithのバーでは料理を出さなくなってしまったようで、しょうがなく圏外からのビール、Speightsのバーで。もっとも私はこっちのビールのほうが好きなのだが。

夕暮れの空を見ながら二人で乾杯し、旅の500kmの疲れを癒した。







2016年1月8日金曜日

快走映像あります。

2015年11月。

先日に続いて、ちょっとだけ遠乗り。
またもやビデオ撮ってみた。


クイーンズタウンQueenstownからクラウンレンジCrown Rangeを抜けてワナカWanakaの街をかすめ、レイクハウェアLake Hawea沿いに走り抜け、レイクワナカLake Wanakaの北端に出て、マカロラMakaroraという村に出るルート。
片道約2時間の距離。向こう側の冴えないバーレストランで一服して帰ってくる。

何度も来たことがあるところでもあるのだが、ここも何度も来てもいい道だ。ここはウェストコーストへの入り口。この道路の向こう側には手の入れられていないジャングルがたくさんある。とことん透明の川やそれに流れ落ちる大きな滝や、横に広がる見事な滝など見所も少なくない。その各名所も駐車場があって、2分から30分くらい歩くとそれらを見ることができる。我らは何度も訪れているのでやはりスキップすることが多いが。

この辺は大した村もないので人の数がめちゃ少ない。携帯だって圏外な地域がほとんどである。でも道路は綺麗に整備されている。ライダーにとって、素晴らしい道だ。ドライブ好きもたまらないはずだ。

交通量のおそらく80−90%近くをツーリストが占める道だと思う。それだけに危険が多いことなんのって。

他の地域と比べて、あまりにも少ない交通量なので、油断するのか、道のど真ん中で停車してゆっくりと窓からカメラを構えているでっかいキャンパーバンに乗っているようなツーリストを昔はよく見かけたが、最近は車の運転がおぼつかない人々が多い。おもいきり毎回コーナー手前でブレーキを踏んで極端にスピードがダウンしたり、センターラインをオーバーしたり、追い抜きも追い越されもできなかったり。アジア系ドライバーが多い。。。

交通量が少ないことに安心して、見通しのないとんでもないところでUターンしてたりもする。きっとある程度のいつも流れている交通量があれば、そんなツーリストたちでも変なところで止まろうとか思わなかったりするし、技量のせいで止まれないのだろうけども。でもそれはそれで皮肉なものである。

ルックアウト(見晴らし台)のある出入り口は特に危険。100km/hの道に合流するのにノロノロと出てくる。ブラインドコーナーの先にはそんな人たちがいつもいるんじゃないかと疑うばかりだ。

もっとも、こういう道の状態でありながら100km/hの制限時速を設けているのが、この国の面白いところだが。