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2016年1月18日月曜日

新春! 3Days ツーリング パート1

新春ツーリングだ。

今回は2泊3日の予定でウェストコーストを北上して南島の真ん中を北から南へ縦断し、西へ向かって帰ってくるというルートに設定。走行距離は大方1300kmとなる。

時は1月4日。三が日を終え、ようやく酒が抜けた頃、待ってた快晴の日はやってきた。とはいえ、このツーリングを決めたのはたった2日前のことであるのだが。

今回のお供ももちろんKuzzyさんである。つい2日前に約束をして今日に至る。朝8時半出発のはずがだんだんずれて9時になった。朝は意外にも寒い。寒すぎる。ヘルメットがすぐに曇るほど白い息を吐いている自分に気づいた。

家を出てまずはタイヤの空気圧チェック。そういえばずっとしていない。二人とも空気がヌケヌケになっていて、超びっくり。前36psiで後ろ40psiであるはずが前28、後ろ28しかなかった。パンパンに入ったタイヤで走り始めた二人は元気が注入されたみたいだ。

しかしながら、体調があんまりよくない自分に気づく。そういえば昨日も来客があり、しこたま楽しく飲んでしまってひょっとしたらまだ残っているのかもしれないなんて思ったんだけども、実はそう思わせたのは変な夢を見て早く起きてしまい、それから眠れなくなってしまい、結局寝不足で起きてしまったからに他ならない。冷たい空気にさらされても脳も体も覚醒しない。

Crown Range クラウン・レンジを抜ける。周りのさらに高い山々には昨晩降ったと思われる雪がまっすぐな線で残ってる。迂闊にも革ジャンの下にはTシャツ一枚で来てしまった。冷気が体を抜ける。ここでも最高地点は1000m近い。

朝にしてはそんなに交通量も多くなく快適に抜けられた。いつもよりゆっくりなペースで先導する俺に対してKuzzyさんが「こんなにゆっくり走ったのは初めてだな」なんて言っている。80km/hでのクルージングは悪くない。Kuzzyさんの883にはちょうど良かったみたいだ。

峠を抜けて広くなると歴史的なパブがある。Cardrona Hotelだ。朝から混んでいるのにはびっくりだ。駐車場にはたくさんの車が止まっていた。その先の教会みたいな建物の横にあるトイレに寄る。寒さのせいだ。
遅いながらも抜いてきたもっと遅い車達にここで抜かれてしまい、ウサギとカメの話みたいだ。この先、また彼らに追いついてしまって抜くことがあるのだろうか。でもここからWanakaワナカまではほぼ直線、その機会はないだろうと睨んだ。

氷河が遠くでとっても綺麗に輝いて見えた。
真夏なのに本当に寒いねー、とインターカムでKuzzyさんと話をしつつワナカを抜け、Lake Hawea レイクハウェアへ。ここで私のみ給油とトイレ。ほんとかよと思うくらいトイレが近い。30分も走ってないのに。

まだ11時前である。が、寒さが効いたのか、どうも調子が今ひとつ上がらない。というわけで早めのランチをワナカ湖畔ですることに。風を避けてちょっとした入江で。長袖シャツも着た。遅いな。

ところでKuzzyさんの奥さんは本当によくできた人で、早起きしてKuzzyさんのためにお弁当を作ってくれる。しかも、私の分まで。私の奥さんが作って私に持たせてるわけがない、もしくは私が私自身の為に自分で作って持ってくることなどない、ということが前提になっている。そこまで知り尽くした間柄はとてもいい友好関係だとも言える。

とても美味しく頂いたおにぎりだった。美味しいおかずまでしっかりと作ってあった。ご馳走様です!

さて、そのお弁当を作ってくれた人の伴侶をリードしながら(恩着せがましく言ってみる)Makarora マカロラに着く。なんと赤いインディアンが来た。写真を撮るのを忘れたが、あの特徴のあるひらひらがそこかしこに付いていた。そのHaast ハーストから来たというオーナーおじいさんは他に2台持っていて、それらはさらに古いぞと胸を張って言っていた。いろんな人が世の中にはいるもんだねえと、Kuzzyさんと感心した。

ここでまたトイレに寄る。Kuzzyさんがガソリンを入れようかどうしよか、なんて言ってたけど、入れずにそのまま。給油口の台の上には誰のか知らないが、タンクキャップが置き去り、、、。必要ない車などないはずだが。

途中、川沿いに走る道は眩しい光の反射と緑とが綺麗だった。そうだ、この景色が見たかったんだと感動しながら走り抜けたため、写真はない。

Haastといういつまでも携帯の圏外であり続ける村に向かう。この峠の途中、地図上の境界はウエストコーストになる。いつまでも続いていた滝が道路を壊してしまっていた為の道路補習工事もようやく終わったようだ。名物の滝のところにはたくさんのハイカーが止まっていた。峠を下りると空気がぐっと重くなりあったかくなり、向かい風になった。海からの風だ。体が重く感じたのでカフェに入る。2度目の休憩。

ひだまりの下の外の席、コーヒーをすすっていると2台のバイクがやって来た。どちらもカップルで揃ってツーリングらしい。聞くとSydneyシドニーからのお客様。なんと11日間のツーリングの2日目だという。奥様方はとても表情明るく先日のずっと雨の中の1日を語ってくれた。旦那に献身的なのか、アドベンチャーが本当に好きなのか、11日のツアーというのがそれを証明してくれることだろう。

彼らの乗るのはYamahaとDocutiのオフロードツアラーでとても私の短い足では全然届きそうになかったが、彼女たちの旦那たちは悠々と膝を曲げ、乗っているんだろうなあ。あと10cm足が長かったら私の人生は変わっていたろうと常々思う所以である。

さて、出発だ。もう1時半。9時にクイーンズタウンを出たにもかかわらずである。

海だ。

Bruce Bay ブルースベイに着く。海岸線の間近を行く。雲ひとつない青空の下、とても気持ちがいいのでちょっとだけ停車。以前どこかの誰かがこぞって積み上げていた、気味の悪いたくさんの石’アート’は跡形もなくどこにもなかった。

初めてここを通った時は車でだったが、まるで台風みたいに荒れていた日で、波が道路上まで押し寄せてきていて、それこそ波間を縫って渡った記憶がある。NZの自然はとてもワイルド。きっとそういう悪天候がその’アート’を流してくれたのだろう。

そういえば、余談だが最近FBとかでシェアされているNZ観光局のポストでNZでの運転の注意があって読んだのだが、あんな甘っちょろい情報はうわべだけのもので、本当の危険は何一つ書いていない。旅行者にはすごい悪いところを見せたくないのが本音なのだろう。

やっとこさFox Glacierフォックス・グレーシアーに着いた。3時を回っている。このまま目的地のGreymouthグレイマウスまで真っ直ぐ走れば3時間だ。ディナーにはちょうど良い頃だ。ということで、小腹が減っているので、何かを入れることに。
以前入ったことのあるカフェに入る。その時に食べたトマトスープが美味しかったのを憶えていたのだ。今日のスープはタイ風のかぼちゃスープだという。とりあえず頼む。
出てきたものはとても美味しそうには見えなかったのだが、見かけによらず意外なお味でまあまあだった。Kuzzyさんはどこへ行っても好きなクマラチップスをつまんでいた。
食べ終わるともう4時前だ。
カフェの眼の前に止めた我らのバイクがカッコよく停まっている前に来てイグニッションをひねるとイモビライザーが鳴いた。やべえ、キーの電池を替えていないことを思い出す。そういえば、以前もFranz Josefフランツ・ジョセフのガソリンスタンドで給油をした直後に鳴り止まず、電池を買いにコンビニへ走ったことを思い出して周りを見た。

するとなんと隣のKuzzyさんのも鳴っているではないか!なんという奇遇。
そこへ一人の女性が我々に近づいてきて話しかけてきた。彼女の言うことにゃ、ちょっと坂の下まで動かせや、ということで、なんでもこの場所に止めた多くのバイクには’この問題’が起きると言っていた。我々のハーレーが鳴いているのがうるさくて文句を言いに来たのかと思った。

???のことやらとバイクにまたがりエンジンをかけられずにそのまま坂を下り始めた。停めたところがちょうど坂の真ん中あたりだったのが好都合だった。坂が終わるワンブロック先に行ってイグニッションを回してみるとなんでもなかったように普通にエンジンがかかった。

バミューダ・トライアングルならぬ、変な地域がウェストコーストにはあるもんである。Kuzzyさんのも同様にかかった。

ふとそこで思い当たることが。以前Franz Josefで起きたのもひょっとしたらこれと同じ何かだったのじゃないだろうか。

さて、出発。

相変わらず、なんとなくフラフラしている脳ミソでFranz Josefまでのワインディングを行く。車が思ったより少ないのが良かった。我らの方向も対向車も少ない。この時期にしては非常に走り良い環境だった。
5時前。Franz Josefに着いて二人とも給油。恐る恐るキーを入れてひねると今回は大丈夫だった。どうやらここは妨害電波が解除されているのかもしれない。

どうやらゆっくり来すぎたせいで二人とも疲れている。WhataroaワタロアとかHari HariハリハリとかRossロスとかドウデモイイ村はトイレだけ借りて通過する。二人とも疲労のせいで、インターコムでの会話もだんだん少なくなる。
そんなこんなで予定通りに?ちょうど7時にGreymouthグレイマウスに着いた。ホテルの名を持つレセプションだけ豪華なモーテルみたいなところにチェックイン。隣の部屋は中国人の野郎どもがたまってて、外で大きな声で会話してうるさい。ああ。

食事に出かけた。町までちょっとあるのでバイクで行く。2台出すのもなんなので、後ろにKuzzyさんを乗っけていくことに。楽しみにしていた地元ビールのMonteithのバーでは料理を出さなくなってしまったようで、しょうがなく圏外からのビール、Speightsのバーで。もっとも私はこっちのビールのほうが好きなのだが。

夕暮れの空を見ながら二人で乾杯し、旅の500kmの疲れを癒した。







2016年1月8日金曜日

快走映像あります。

2015年11月。

先日に続いて、ちょっとだけ遠乗り。
またもやビデオ撮ってみた。


クイーンズタウンQueenstownからクラウンレンジCrown Rangeを抜けてワナカWanakaの街をかすめ、レイクハウェアLake Hawea沿いに走り抜け、レイクワナカLake Wanakaの北端に出て、マカロラMakaroraという村に出るルート。
片道約2時間の距離。向こう側の冴えないバーレストランで一服して帰ってくる。

何度も来たことがあるところでもあるのだが、ここも何度も来てもいい道だ。ここはウェストコーストへの入り口。この道路の向こう側には手の入れられていないジャングルがたくさんある。とことん透明の川やそれに流れ落ちる大きな滝や、横に広がる見事な滝など見所も少なくない。その各名所も駐車場があって、2分から30分くらい歩くとそれらを見ることができる。我らは何度も訪れているのでやはりスキップすることが多いが。

この辺は大した村もないので人の数がめちゃ少ない。携帯だって圏外な地域がほとんどである。でも道路は綺麗に整備されている。ライダーにとって、素晴らしい道だ。ドライブ好きもたまらないはずだ。

交通量のおそらく80−90%近くをツーリストが占める道だと思う。それだけに危険が多いことなんのって。

他の地域と比べて、あまりにも少ない交通量なので、油断するのか、道のど真ん中で停車してゆっくりと窓からカメラを構えているでっかいキャンパーバンに乗っているようなツーリストを昔はよく見かけたが、最近は車の運転がおぼつかない人々が多い。おもいきり毎回コーナー手前でブレーキを踏んで極端にスピードがダウンしたり、センターラインをオーバーしたり、追い抜きも追い越されもできなかったり。アジア系ドライバーが多い。。。

交通量が少ないことに安心して、見通しのないとんでもないところでUターンしてたりもする。きっとある程度のいつも流れている交通量があれば、そんなツーリストたちでも変なところで止まろうとか思わなかったりするし、技量のせいで止まれないのだろうけども。でもそれはそれで皮肉なものである。

ルックアウト(見晴らし台)のある出入り口は特に危険。100km/hの道に合流するのにノロノロと出てくる。ブラインドコーナーの先にはそんな人たちがいつもいるんじゃないかと疑うばかりだ。

もっとも、こういう道の状態でありながら100km/hの制限時速を設けているのが、この国の面白いところだが。





2014年9月19日金曜日

初夏の隣町では

2012年11月の事。
すばらしい暑い夏の日だった。
この暑い夏の日というのがどんどん少なくなってきている気がする。実質的なデータを見てないけども、移住したばかりの18年前の気候は体感的に語るとずっと暑かった。Tシャツ短パン、ビーチサンダルで過ごした日々が明らかに長かったし、熱風を感じて過ごした日中も多かった。

ところが、近年はそういう夏を感じる日が少ない。地球は温暖化しているというのは聞くが本当だろうか。ただ、面白い事に、冬は以前よりも寒さが厳しくなくなり、山々の雪も減り、陽気な日中が続く事が多くなった。このまま行くと、年間を通してほぼ変化が無い気候になって行くのだろうかなんて思ってしまう。たった20年足らずでの話ではあるが、こうも変わるのは、ただ単に自分と自分の回りの人間が歳をとって感覚がずれてきたという事だけなのかもしれないが。

元に戻るが、しかしながら、この日は暑く、夏っぽい日だったのだ。
Kuzzyさんと隣町のWanaka (ワナカ)までちょい乗りだ。片道約1時間の距離だ。いつものCrown Range (クラウン・レンジ)を通って、するすると走って行く。町が一望できる頂上から春の風景をパチリ。


周りの牧場は新緑が眩しい。羊達が食んでいる草は私からみてもおいしそうに食べている様に見える。一心不乱だ。それにしても、彼らにしてみれば食べ物の上を歩きながら移動しているのである。凄い事ではないだろうか。それを人間に当てはめて想像してみてみるが、自分の好きな物がそこかしこに置いてあり、それは遥かずっと向こうの方まで続いているのだ。きっとその光景は食いしん坊の目には天国に映る事だろう。


そんな馬鹿な事を考えていると着くところがワナカである。カフェに入る。暑い。革ジャンを脱ぐ。こんな暑い夏にでもこれを着るのはやっぱり一応の安全性を考えての事である。この季節は虫が多い。ハエやら蜂やら黄金虫みたいなものやら、いろいろだ。100キロで走って彼らがぶつかって来ると、革ジャンを着ててもすんごい痛いのである。


ましてや道路に落ちている石を対向車が跳ねてこっちに向かってくる事だってあるだろう。現に私の車のフロントガラスには傷がいくつかあり、平均して2,3年に一度はガラス屋にお世話になる。国全体での認識がそういう状態である為、保険屋も1年に2度まではガラス交換・修理を無償で行うという契約が多い。私のは今年早々に一度修理しているので、今現在直した方がいいと思っているちょっと深い傷もまだ直さないでいる。更新するまで、まだまだ数ヶ月あるのだ。致命傷になるほどの事が無い限り、ぎりぎりまで保たないと。


あまりの暑さに、普段はロングブラックのコーヒーだが、この日は気分を変えてアイスコーヒーにした。これもまたこの国ではなじみの無いメニューであったとしても大概こういうものとして出て来る。即席で冷ました熱いコーヒーに甘ーいクリームが乗っかっている。まあこれはこれでちゃんと冷えてくればおいしいのだが。そうしておじさん二人は仲良く小さなテーブルで膝を突き合わせストローでコーヒーを吸った。


それにしても気持ちのいい眺めと天気である。ここがワナカのレイクフロントである。道路を隔てて向こう側には青い大きな湖が広がる。ヨットがずっと向こうでたくさん浮いている。この町にはボート、ヨットを持っている人がどうやら本当にたくさんいる。家族のレジャーという感じなのだろうか。アウトドア好きな結構なお金持ちが多い気がする。小さいものからちょっとしたサイズのものまで。湖なので、海に出ているような大きめの船は無いのがいい。


町のサイズとしては大きくなく、小さすぎず、と言うところか。ただ町の中の活気という点では人口のせいか、観光客の全体数のせいか、混んでいると言うイメージは全くない。この角にある人気のカフェだけは別として。




帰り道に峠を通ると逆光がすばらしくきれいだ。夕日近い風景に溶け込んで行くKuzzyさんを撮影する。バイク乗りにはこの時間がとても似合うと思う。





2014年8月3日日曜日

驚きのFranz Josef − 気ままにぐるりと2000km Part 1

2012年2月。
サドルバッグは両サイドともパンパン、一応防水バッグに包んだ数日分の衣類とスニーカーともろもろ、カッパはすぐに取り出せるようにと一番上に。バックレストに縛り付けた、さほど大きくもないカメラバックがどうも座り心地が悪いのだが、それは仕方ないこととした。

予定はQueenstownからPunakaiki (プナカイキ)へ。と言っても実はここまでは結構な距離だ。ざっと550kmはある。家を出る前に今日の宿を予約した。この村にいつか泊まってみたいと思っていたのだ。ずっと前に車でここを通ったときの夕日がすばらしくて、時間があったら是非泊まってみたいと思ったのがきっかけだ。


実際のところ天気予報が芳しくない。晴天下ライダーとしてはとても不本意なのだが、こればかりは防ぎ様が無い。なんせウェストコーストを通るってことはすなわちそういう事が大前提となる。さすがに連泊ツーリングとなると、そうそう晴天日だけの移動を選ぶ事も難しい。

Crown Rangeを登り始める。以外に空気が冷えている。嫌な前兆だ。グリップヒーターを途中から点けていたのだがいっこうにあったかくならない。どうやら断線しているようだ。つい先日にフルサービスをガレージで受けたばかりなのに、おそらくそのメンテのせいで断線させてしまったのだろう。

今日のこの天気と、これからの旅の長さを考えると絶対に必要だと思い、文句も申すという意味で急遽引き返し、バイク屋に直行した。当のガレージの兄ちゃんは「そんなところ触ってない」の一点張りで通した。まあ、証拠も確かにないんだけども、ガレージ出てきてから乗ってないんだけどなあ。

ぶつぶつ言いながらもどうしようもない事で時間をつぶす事はできない。そそくさ自分のうちに戻り、カチャカチャと配線修理を始めた。見事に引きちぎられていた。やっぱりあいつだ、と思う。ま、直ったので、気を取り直し、再出発とする。おかげで遅くなった。1時間以上のロスだ。

やっとCrown Rangeに戻り、直ったグリップヒーターのありがたさを感じながら、Wanakaに着いて中途半端にタンクに入っているガソリンを満タンにする。このSportsterのタンクは17リットルで大体200kmを超えたくらいで入れるようにしているのだが、燃費は平均20km/lなので、航続距離は大体300kmという事になる。そうするとFranz Josef (フランツ・ジョセフ)までは行けそうな計算だ。


前出のストーリーでおなじみのHaastを超え、海に当たると北へ海岸沿いに進む。原生林が激しい風で曲がりくねっているが、道はまっすぐだ。

一部、すぐ海沿いを走る場所がある。波が荒い時は道路上に容赦なく降り注ぐが、今回は大丈夫そうだ。しかし、しぶきなのか小雨なのか、シールドが濡れる。そこを過ぎてからもまだ濡れ続けるので、それが雨だと分かった。

元々無口だし、しゃべる相手もいないので、黙々と走り続ける。
過去にロケをした森の横を通り過ぎた時、あの日、結構降る雨の中、木々の大きな葉っぱを打つ雨音の下、みんなで黙って撮影してたことを思い出した。


今日のほぼ2/3地点の Franz Josef で給油した後、腹も満たそうと考える。手っ取り早くガソリンスタンドのお姉ちゃんから情報を得ると道路の反対側に最近出店しているタイ風料理のテイクアウェイがお気に入りと言う。よし、行ってみよう。

しかし、ここで、なんと、また一つ問題が発生した。ガソリン代金を払い終わり、イグニッションをまわすとイモビライザーがけたたましく鳴った。あわててキーを抜いてやり直すがまた一緒。周りの目をガンガン感じながら数度目に何とかエンジンがかかり、逃げるように4 Square スーパーマーケットに直行した。超コッパズカシイものである。
キーの電池を購入し交換すると、イモビライザーは鳴らなくなった。良くこんな田舎でボタン電池があったものだと感心した。あー、良かった。これからはちゃんと定期に電池交換をしようと思った。

気を取り直し、タイ屋台に行ってみる。キャンピングカーを改造したお店だ。
異常に値段が高い気く量が少ない気がしたが、空腹には変えられない。オーナーはアジアのお姉さんと現地のおじさんのカップルらしい。

私のどこから見てもバイク乗りのかっこに気づいたおじさんが話しかけてきた。おじさんもハーレー乗りになるらしく、友達と一緒に今度の夏にはアメリカに行ってハーレー買って、さんざん周遊した後にそれを持って帰って来るという計画があるんだと教えてくれた。それは楽しそうである。ドルも当時はすごくいいレートだった。

しかし、そのタイ風のチャーハンらしき食べ物はアジア人のお姉さんが作っていたにもかかわらず、お世辞にもおいしいとは言えなくて、腹もふくれず、ぼられた感満載だった。おじさんのハーレーの旅の夢を叶える為に寄付したとしよう。なんでだ!?

すぐ横にあるシルバーのステンレスむき出しみたいな壁の公衆トイレに入ってみると、自動ドアで迎えられ、すると音声でも説明が。「これから5分間、自由にお使い頂けます。」的なことを言ったかと思うと、銀行で流れているような爽やか系の音楽が流れる。

とてもハイテクだが、5分経ったら何をしている状況でも勝手にドアが開いてしまうのだろうかと、心配した。果たして、そうだろうか。残念だがそれを試すほど私には時間がかからなかった。

ずっと大粒の激しい雨という事でもなく、革の上下を着ているがカッパを着るまでもない。雨は時折強弱をつけながらいろんなバリエーションで楽しましてくれるなどの気の効かせ様。しかも、すっかり止んで体が乾きそうになると、また雨雲が手招きして待ってくれていたり、完璧なおもてなしを受けた。しかし雨は森を過ぎると上がって、残りの3時間はドライの状態で走れた。


Franz Josefより約3時間の道程で本日目的地の、Punakaikiに到着。
太古からある森が海に接している隙間にある村で、観光地であるPancake Rocks (パンケーキ・ロックス)という潮吹き穴がある所からごくすぐ近所だ。ゆったりと流れる川が海に繋がっているところでカヤックを楽しんだりする人もいる。


久々にバックパッカー宿である。ワーキングホリデーにバックパック一つで旅をしていた時代を思い出すと、わくわくする。しかし、いい歳のおじさんになったので、いくらか出世して個室をリザーブ。というか、2段ベッドが1つあった部屋なのだが、その晩は他に客がいなく、結果的に個室になった。少ない金額で個室をゲット。
今日初めての「当たり!」気分を味わう。

散歩に出た。村の大きさはほんとに小さく、5分も歩けば一周してしまうだろう。

村の入り口の看板のように突き出た岩が面白い。
アガパンサスという花、なぜかとっても心が引かれる。うちの庭にもこれのミニ版が夏に咲く。紫と白と、手のひらサイズの花だ。でもこの大きいのがやっぱり見栄えがいい。


キャンプ場はにぎわっていた。今度は家族でここでもいいだろう。時期により人が多くなりそうだが、心地が良さそうなところだ。


ビーチはなんにも言わずに歩いた。尤も一人だが。
残念ながら望んでいたような夕日にはならなかったが、これはこれでいいものが見れたと思った。








ぐるりとした後、どうやら村に一件しかないとわかると、このバーレストランに入る。
一件しかないだけあって、非常に混んでいて活気がある。しかし一人なので席も困らない。


カウンターに座るとでSpeights (スペイツ)のジャグと無難なハンバーガーをオーダー。このスペイツというビールは「南の誇り」という相性で慕われていて、私のかつて愛飲したビールで、最盛期は水の変わりに飲んでいたようなものだ。南島のこの気候にとにかく合う。現在も冬の間はこれにしている。それ以外の気温の高い時期にはSteinlager PURE (ステインラガー・ピュア)になった。好みも変わるという事か。
ということで、今夜は一人で祝杯をあげる。





2014年7月15日火曜日

なれの果てには高級食材。

2011年5月のこと。
5月ともなれば走り締めの月。6月から8月一杯までは公道を走らない様にしている。この辺では走っても凍ってしまうくらいに寒いだけだし、第一に道路が凍ってる所が多いので命がけになってしまう。ブラックアイスと言って、ほんとに凍ってるのが見えないところが多いこと。もお、いい歳のおじさんなので、そんなに辛いことはしないようにしている。 

その間、走らない事でガソリン代も節約になるし、いわゆる自動車税もその走らない月の分は払わないでいいのだ。盗難とかあるので保険は払い続けるけども。北島のオークランドなど、あったかいところにいれば年間を通して乗るのだろうけど、このクイーンズタウンではそうする人は少ないだろう。


さて、今日はカップルライダーからのお誘いでウェストコーストの海まで行かないかということで。あっちはカップルなので、私はKuzzyさんを同行で。なにか? でっかいくまのプーさんみたいな容姿のミスターS氏はHonda CBR1000で、いつも元気に満ちたミセスK日本女子はYamaha Virago400だ。この二人は夏はオンロードを主に、そして冬はオフロードやら海外ツーリングに出かけるやら、忙しく年中バイクに仲良く乗っているうらやましいお二人である。

まずはいつもの峠、Crown Rangeをゆらゆらと30分程で登り、頂上のパーキングでみんなの調子を確かめる。この4人で走るのはこれが初めてだった。さすがに5月の気温であり、1000m程の標高である国内国道最高地点は太陽が当たっていても走れば寒い。持っているもの全部着てきた感じだ。もちろんグリップヒーターはオンだが、分厚い冬用グローブもしているので効き目が半減。 

Lake Hawea(レイク・ハウェア)の横をすり抜け、Lake Wanakaの最北端を過ぎるとMakaroraという町だ。ここからしばらくは清流を右手に見ながら上流へ向かって走っていく。Fantail Waterfallとか、Thunder Creek Fallsとか見応えのある滝があるが、今回はパス。それを過ぎると本格的な森に入る。

いくつかある一車線分しかない橋には気をつけないといけないところだ。対向車優先看板を見過ごしたハイカーやキャンピングカーがそんなところで目の前に迫ってきたりしたら最悪である。 まあ、そのように注意しながらいく訳だが、このK女は走りっぷりがすごいのだ。

私が先頭、Kuzzyさんが2番目、K女が3番目で、みんなを見守るようにプーさんが最後の順でしばらく走ってたのだが、気持ちのいいワインディングを走ってエキサイトしてきたのか、K女はコーナーをアウトからかぶせてKuzzyさんをガガッと抜いたかと思うとすぐ私の後ろに迫ってきた。バックミラーに映った気迫のある彼女を見て私も手の合図で先をゆずるとドパーって全開で走り抜けた。 

Viragoの後ろをくっついていくと後輪はぐらぐらと左右に大きくぶれていた。中古で買ったらしいがすごい年季が入ってるもので、マフラーなんて直管みたいな音がしてて私のよりうるさい。元気に音を出してブオーッと去っていくそれはとても彼女らしさが出ているバイクだなあと思った。はい、K女はとても魅力的な女性ですが、決して静かな女性ではありません。

さて、一行はHaast(ハースト)という、なれの果てに着いてしまった。ここで道は海に当たるのだ。一応、飲食店は2軒程あって泊まるところもいくつかある町だが、手付かずの海や川や森に用事がある人以外にとってはただただ過酷なほど退屈な条件の村だろう。携帯も使えないし。尤も携帯はここに来る随分前から使えないが。ガソリンスタンドはあるので、この町から出る事はできる。 

ところでHaastに着く直前に進行方向である海の方から吹いてくる風が妙に暖かいと感じた。決して前を走っているK女の吐いている排気ではない事は確かだった。町に着くと温度計が20度を指していたのは信じられなかったが、ほんとにあったかかったのは気持ち悪いほどだった。なんせ、持ってるもん全部着ている訳ですから。 中に着ていたシャツを一枚脱いで、給油をしてからちょっと北上する。


いいものがあるとプーさんが言うのだ。蜂蜜だろうか。ちなみにNZは蜂蜜がおみやげとしてとても有名である。蜂関係健康商品はきっとご存知な方々も多いであろう。川を渡る橋の近く、海側に入っていく砂利道をちょっと行くと、そこにはwhitebait(ホワイトベイト)と言う、シラスみたいなちっちゃな高級魚を料理して売っているのだ。

この国の人々は基本、魚をあまり食べないのだが、なぜかこれだけは全国的に人気みたいで、めちゃくちゃ高い。しかも、なぜかこの種だけ特別なルールにより、漁業権が無い人でも獲って売って儲けてもいい、らしい。だから、季節になると一攫千金を目指して週末ごとにやって来るお父さんとかがたくさんいるらしい。

そしてこれがそれ。代表的な料理方法としてはパンケーキ?みたいに卵とじ。 正直、私はそれほどでもないと思うが、Kuzzyさんは絶賛して2つ目をオーダーしていた。もちろんここへ導いたプーさんももう一つ。そういえばK女も。私は結構ケチである。でも実はおいしいものを落ち着いて食べられないせいもあって2つ目をオーダーしなかったのもある。

このパンケーキのお店にどうやら住んでいそうなおじさんの息子(推定10歳)は珍しい客に目線を注ぎ込んでいたようだが、それは私とて同然、彼を不思議に見るしか無かった。だって、このサンドフライを除けようと苦労しながら食べている私たちにも拘らず、半袖短パンでいるなんて。きっと刺される事など、それこそ屁でもないのだろう。 生まれ育った環境で人は違うという事を思い知らされた。

南下編につづく

*今回のルートマップを作りました。お好きな方はこちらからどうぞ。