ラベル Cromwell の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Cromwell の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年5月5日火曜日

日向ぼっこの紅葉

2015年5月。

早くももう五月。今月末をもって我がハーレーは冬眠に入るのだ。3ヶ月間はハチャメチャ寒いので全く走らない。中には年中走るツワモノ(好き者)もいるが、私のハーレーは道路使用登録をその期間は外してしまうのだ。そうするといくらか節約にもなる。

というわけで、とにかく残された晴れの日には走らないと、なのである。
早速いつものようにKuzzyさんを誘い出す。相変わらず暇な二人なのだ。

集合してから行き先を決めるのもこの二人のやり方である。今日は近場でCromwell方面と決めた。紅葉を存分に見ようという計画だ。

革ジャンの下に着込める服の数は決まっている。私はいつも以上にプクプクと膨らんだ上着だ。晴れてて気温が高いとはいえ、やはりちょっとスースーするものであった。Kuzzyさんは完全防備の全天候型ジャケットアンドパンツでヌクヌクだと言っていた。私も全く同じものを持っているのだが、やはりここは我慢してみたいのだ。

交通量はぐっと少なくなった。もちろん平日の昼というのもあるのだが、それにしても少なかった。いつものKawarau渓谷を抜けると周りの木々はすっかり真っ黄色。これも美しいものだった。ご苦労な事にパトカーは峠のブラインドに隠れていた。ひょっとしたらお巡りさんも取り締まりと称して花見ならぬ紅葉見物にでも来ている気分なのかもしれない。



ぐるっとそのそれほど大きくもない町を回り、Old Cromwellという町の片隅の川のほとりに密集する観光客向け的な一角にバイクを止めた。ここに来たのも随分と久々だ。ホリデーでもないし、全くと言っていいほど人が見当たらなかった。お店で働いている人たちの方が道を歩く観光客より絶対に多いに違いない。


廃れた町の感じをさらに廃れているように見せるシトロエンのディスプレイ。



お店も何を売っているのか入ってみるまでわからない。古い建物のデザインと看板をそのままに、建物の中の営業は違う商売になっているのだ。例えば看板にHotelとか言ってあっても雑貨屋なのだ。


猫も暇そうである。ずっと湖を見つめている。


我々は長々と猫のいる隣のベンチで話し込んだ。背中に当たるポカポカ陽気がたまらなくいい。猫の気持ちがわからないでもない。

二人の会話に入れない猫はいつのまにかどっかに行ってしまった。それとも我々の会話がつまらなすぎたのかもしれない。


そうしているうちに空腹を憶えた。そんな時、エプロンをかけた綺麗なお姉さんがカフェの中に入っていったのが目に入った。どうやらそこのカフェ店員で隣のお店のおじさんにコーヒーでも届けてきたような感じだった。折角だから、ここにしようとその店に入っていくと渋いおじさんが一人だけいて、気さくに声をかけてきた。あれ、さっきのお姉さん、どこ? 餌か!

とにかく、じっとメニューを眺めるKuzzyさん。私は実はこだわりがそれほどない方で、割とメニューを決めるのが早く、オーダーしようとすると、もう一件のイタリアの方を見てみようという。Kuzzyさんはこだわる人だ。

この一角の入り口にあるのがイタリアカフェだった。そちらに行ってみる。メインのラップみたいなものをオーダーした時に目に入ったレジの横に置いてあったシナモンロール、私はシナモンは好きではないんだけども、なぜか頼んでしまった。食べてくれと言わんばかりの美味しさアピールが凄かったのだ。で、おいしかった。大当たりの店だった。

いつの間にか先ほどの黒猫が私の座るベンチの横に上がってきて私に擦り寄ってミャーミャー(くれくれ)と騒いでる。あげないが。



食後はさらに奥のBannockburnという地域に行ってみる。先ほどの所からたったの5分だ。青い小さな湖(入り江)を黄色になった木々が囲んでいる。道路脇の高台から見下ろした。

この辺りもワイナリーがたくさんあるところだ。この小さな湖の周りにはワイナリーが乱立している。今回は試飲をすることはなかったが、いつの日かじっくりと一件一件巡ってみたい。

そういえば、初めてKuzzyさんとバイクで一緒に走った時に来たところでもある。
当時はKuzzyさんはYamahaのTTRに乗っていたのだ。それを借りて私は免許の試験を受けたのを思い出した。ちなみにその時の話はこちら


 どうやら、ちょうどバッチリ紅葉の見頃に来たようだ。


帰ってワインを飲もうと思った。



2014年8月25日月曜日

ひとり、水力と風力と

2010年11月の事。


見事な晴れのちょっと風の強かった日だ。
東に行きたいって思った。西からの追い風に乗る魂胆だ。ヨットみたいに風の力を借りるのだ。

すいすいと快適に走れるように風は背中を押してれた。100km/h巡航だがほとんど無風状態に感じる。ちょっとスピードを緩めると更に風は感じなくなった。これぐらいがちょうどいい。

エンジンもパタパタと聞こえるくらいの速度で走るとまるでブランコで小さく揺れている時に感じる感覚と似ていて、きっと脳にはα波が出まくってるのではないかと思う。癒しの走りだ。

そうして渓谷に沿って走りCromwell (クロムウェル)に着くと橋を渡りT字路にぶつかると真っ青なLake Dunstan (レイク・ダンスタン) を左手に見てTarras (タラス)という村を通る。何にもない所なのに、最近なぜだか急におしゃれになって来ている所だ。

その後は有名なLindis Pass (リンディス・パス)という峠を抜けた後、まっすぐな道を何キロか走るとOmarama (オマラマ)に着く。ここまで大体2時間だ。お気に入りのカフェで一息ランチとする。週末はハイカーが多い。殆んどが家族連れだ。

私は妻子を家に置いて一人で抜け駆けして出てくるのはやっぱり何となく気が引けているのだが、でも出て来ちゃったら自分の為に楽しまないと後悔は大きくなるばかりである。そんな事を考えながらコーヒーをすする。


簡単にランチを済ますとコースを考えた。このまま来た道をまっすぐ帰らないで、ちょっと奥まで行ってみたい。Lake Aveimore (レイク・アヴェイモア)という人工湖があるのだがそこに行ってみたくなった。この辺りもやはり水力発電の為に、たくさんそういう湖があるのだ。

そう、ここは水力発電が主体の国。だんだん地熱や風力が力をつけて来ていて割合が変わっているが未だに全国の電力の75%を天然資源で賄っている。ここ、南島に限っていえば9割以上が水力発電である。風力もあるがまだまだ少ない。

オマラマから出る83号線を南東に走る。すぐに一つ目の湖、Lake Benmore (レイク・ベンモア)がある。もちろんここも人工湖。青い水とファームの緑が眩しい。丘の上は農地も無いので手付かずの茶色い山々が続く。

レイク・アヴェイモアに着いた。

水面が近い。ものすごい強烈な眩しさを感じた。そのエメラルドのブルーなのかグリーンなのか光の方向で色が違って見える。

置いてきた家族に自慢しようと珍しく自分で記念写真を撮ろうとカメラを塀に置く。セルフで撮るのだが10秒のタイミングがなかなか合わない。何度かやっていると遠くから歩いてきたカップルがその一部始終を見ていたらしく、「撮りましょうか」と言ってくれたのだけど、コッパズカシクて遠慮した。

普通誰かにそういう場所で撮ってもらう時は顔をカメラに向けて撮ってもらうのだろうけど、「後ろ向きでかっこ良く撮ってください」って、言えない。そのカップルが遠ざかって見えなくなるのを確認してから、一人上手に徹する事にした。
で、結果がこれ。足があと10cmいや、5cmでも長ければ人生いろいろと明るかっただろうになあと過去を振り返る。

この湖を左回りにぐるりと回る事にした。ダムを渡ってからは道がぐっと狭くなる。例によってパタパタとした音でα波を出しながらゆっくりと走る。所々にキャンプ場があってとてもいいなあと思わせる環境になっている。緑の芝が広がる所に程よい高さの木々がたくさんある。

ファミリーがモーターボートでドーナツ(バナナボートみたいなやつ)を引っ張って遊んでいる。子供達のはしゃぎ声が止まらない。きっと彼はすごくいいお父さんなんだな、金持ちだし。と、更に自己嫌悪に陥ってしまう。



アヴェイモアとベンモアの湖同士の仕切りになるダムへ着くとその大きさにびっくりした。うちが毎月払っている電力会社の持ち物であるらしい。年に何度か掛かってくる電話や軒先訪問で違う電力会社の人が「絶対うちの方が安いから、うちに変えてくれ」と意気込んで来るがうちは相当にいいレートをもらっているせいか、新参者が歯が立たないでいるようだ。しかしながら、電話会社もそうだが、この競争の少ない国でこういう競争があるのは健全な事でいいと思う。

さて、帰り道。同じ道を帰る。これはしょうがない。ずっと向かい風だ。体が重い。風の力も偉大である。こんな風もあるのだから風力発電だってもっともっと行けるはず。考えさせられる旅となった。



今日一日、家族は何をしていたのだろうか。帰ったら聞いてみよう。
きっと私の土産話より面白いだろう。




2014年7月11日金曜日

紅葉狩り。Cromwell 編

2011年4月のこと。
南島のこの辺りは四季がしっかりある。乾燥しているせいなのか、一日の中での気温差も激しく、一日の中に四季があるとも言われているが、ここで言うのは一年の中での通常の四季だ。

紅葉が有名である。 Cromwell(クロムウェル)という町はフルーツの町と呼ばれるほどいろんな果物が採れるので有名だが、紅葉の時期は真っ黄色だ。フルーツの木とポプラが多いのとブドウが多い為だ。従ってワインの名産地でもある。 ワインに関しては、ここほんの十数年でうなぎ上りに有名になり、国際的にも高く評価されているブランドも少なくないらしい。確かにここで採れるPino Noirは国内でも平均してかなりの高値が付いている。そしてもちろん味も良く、私も大ファンである。

時々スーパーのお酒コーナーの棚の上の方に並んでいるボトルに手を伸ばしてしまう事があるが、値段を見て怯んでしまい、1/3ほどの安くてうまいオーストラリア産のShirazで落ち着く。それくらい稀にしか飲まない代物である。

さて、4月ともなれば、バイクのシーズンは終わりに近い。寒さが厳しくなる前の、まさにちょい乗りの距離しか移動しない。ここまでは片道50キロ。一時間もかからない距離なのだ。 影の多くなるこの季節、美しい渓谷沿いの道は気持ちの良いワインディングだが、寒さがしみる。こんなときにグリップヒーターは必需品。Kuzzyさんもこれを装着後、この時初めてのツーリングとなった。それまでは寒い寒いと停車する度に私のグリップを握っては「これ欲しいなあ」とつぶやいていた。という訳で、今回はKuzzyさんはとても嬉しそうだった。

道にはポプラがずらっと並んでいる。秋には気が狂うほど黄色い道だ。ザ・紅葉狩りだ。 我らはサクランボが大好きなので、毎夏にもここにやってくる。採った分だけ量り売りしてくれる園があるのだ。おいしい実を実らす木々を探したりするのが非常に楽しい。 十時に走る道があり、ここもまたポプラ通りとなっている。畑の区画が大きい為、その長さはざっと1キロ近くあるのではなかろうか。

その昔、金鉱で栄えた地域が近くにある。今はワイナリーが立て続けに並ぶところで、先ほどの場所からは数キロ行ったところだ。ちいさめな湖があり、ここも紅葉が真っ盛りだった。夏はモーターボートが走りまくり、水上スキーやら釣りやらを楽しむホリデーメーカーがたくさんいるが、秋にファンは少ないようで、我ら以外、殆ど人がいなかった。

片っ端からあちこちのワイナリーの辺りの紅葉通りを走った。立ち止まって写真など撮ってたりすると、珍しく車が来たと思ったら7人乗りバンのトヨタが止まった。中から黄色い声がたくさん聞こえた。女子ばかり乗っている車で、何かそれぞれに我々に大声で問いかけている。よくよく聞いてみると、これから花嫁になる友達と一緒に女通し水入らずでオーストラリアから来たという。いわゆるHen Partyだ。その花嫁の友達達が、「この花嫁を後ろに乗せてあげて!」と。

断る理由もそんなにないのでKuzzyさんは快諾した。予備のヘルメットもないので、公道を走る訳もいかなくて、彼女達が向かっているというワイナリーまで畑の脇の道でも何でもないところを土煙を上げて走るKuzzyの後姿を見送った。バンはそれを煽るように道路上で並走し、騒ぎながら手を振ったりビデオを撮ったりしていた。ちょっとした旅のスパイスになった事を願う。 

無事に花嫁となる人をワイナリーに届けたKuzzyさんと更に30分ほど湖脇を走った先にあるClyde(クライド)という村へ行く。ここには今さっき横を走ってきた湖を作ったダムがある。結構古い時から水力発電だったのだ。湖の下には沈んだ村があるという。 

その昔にそれなりに栄えたところらしいのであるが、今はそうでもない。ダムにの下流側にある現在の村には古い建物がいくつか残っているが、その古い建物と一緒に育った様な老人がたくさんいると思われる感じの村だ。

古めかしい自転車に乗って坂道を上って来る元気なおじいさんに笑顔で手を振られたりすると鉄の馬に乗ってる我々はちと恥ずかしい。

その昔に郵便局だった建物は今はレストランになっている。さあ、一休みとしよう。

*今回のルートはこちら