2016年10月中旬。
春が来た後に冬が1日だけやってきて、また春に戻った。
ついこの間、天気予報の予言もなく、大雪が降った。近くの住民は朝起きてびっくりだ。ニュージーランドの南島、クイーンズタウンとはそういうところだ。
実は季節外れの雪は珍しくなく、毎年あることなのだが、今回の降雪はちょっと酷いものだった。ものすごく重い雪で最近の陽気に葉っぱを広げ始めていた木々にはたわわに雪を乗っけてしまい、その重さに耐えきれなく、バキバキと根元から折れた。被害は残念ながらすごい。この写真のヘイズ湖のほとりにある最大の木も根元から二つに割れていた。
知り合いの庭に40年以上の愛を注いできたというおば様がいるのだが、がっくりと肩を落としていたが、無理もない。それくらい、珍しい現象だったようだ。
きっと誰かは動かないリフトを横目にスキーを担いで登りながら誰も踏んでいない雪面を滑り降りる様子を想像していることであろう。もっとも、すっごく重い雪だが。
今日、その冬が去り、午後からまた春が戻ってきたので、早速チョイ乗りだ。セルがバッテリー容量ギリギリを思わせるうような感じでスタートした。大丈夫かな。考えてみると数週間ぶりの始動だ。
革ジャンに袖を通し、来ていたジーンズそのままで出かけてみたが、それほど寒く感じない。
5分ほど走るとここに着く。本当にちょっぴりの走行だが。
午後の太陽が朝まで冷たかった空気を温め始めて、人ものこのこ出てきたのかな。きっとそれは私だけではないと思う。
どこかのアジア人が懸命に記念写真を撮っていた。自撮り棒時代は終わったのか、一眼レフに三脚を付けているカップルがあちこち目立った。しばし見物。
セルフタイマーをセットし、彼女はレリーズを切るとささっと彼の元に走り行きがっちりとポーズを取る。これを何度となく繰り返していた。もちろん、ポーズはその都度ちゃんと変えていた。
これもアクティビティのうちの一つなんだろうな。これでは私のようなカメラマンが失業してしまうわけである。
ちなみに私のハーレーのすぐ隣には中国人のウェディング写真を撮る会社のバンが停まっていたが、彼らはどこにいるのか姿を見なかった。まさか、まさか、このカップルではあるまいが⁈
ふと気づくと6万キロを超えている私の愛車。買ってから45000キロほど走ったということだ。6年終わったところで、この距離か。このシーズンでどこまで走れるのかな。
そろそろ地図とにらめっこする日々が多くなりそうだ。
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