2016年6月27日月曜日

Rと東海岸二日間

20162月。

Rとは仕事で知り合った。何度も何度も現場で一緒になることにより、私の影響を与えやすくなり、めでたくハーレーオーナーとなった男だ。今までに一度だけ一緒にテカポから走ったことがある。

今回は彼と過ごした2日間のこと。

前回Kuzzyさんとの旅でも彼の留守中に奥さんに泊めてもらったわけだが、今回はここMethvenからスタート。

一仕事を終えた私は帰路の途中でまたしてもRに世話になった。ついでにこのままツーリングに行こうということになっていたのだ。Rの奥さんに懇願してRを連れ出した。

実は天気予報が芳しくなかった。出発時、青空が北の方を占領しているが、我々の進行方向はグレーの低い雲行が待ち構えている。横風もどんどん出てきた。今にも降り出しそうな感じである。

設置したばかりのRのインターコムSHM5を駆使しながら相談する。軟弱で予定に融通の効くな我々はいつでも引き返すことができたが、せっかくのチャンス、その難業苦行に今回は立ち向かうことにした。

いきなりRのハーレーの調子が良くないらしい。キャブのセッティングが合っていないのではないかと推測。途中止まる。




迂闊にしていると1mくらいすっ飛ばされる横風にぎゃーきゃー言いながら耐えながら我々は南下した。数滴の雨がシールドを濡らしたが、幸い本降りになることはなく、難関はうまくすり抜けられたようだ。

しかし夏の格好のまま走っていて持っている服を全部来ても結構寒い。こうなると体力消費は激しい。早速隣町Geraldine (ジェラルディン)で見つけたカフェに入る。ここが出来て以来、ずっと気になっていた町外れの大型のカフェ。いつも地元の車がたくさん停まっていて、でっかい滑り台などありファミリー向けな感じがあるので、要チェックだった。とりあえずいつものブラックコーヒーを頼んだ。
もう特別に行くことはないと思う。きっと地元の人には好まれているのだろう。

Timaru (ティマル)に着いた。この街をハーレーで通るのは2回目くらいか。あまり馴染みがない。
メインの街道は両脇ともかっこいい大型の農業用マシーンがずっと並んで売っている。この土地の主要産業であることが明らかだ。海が見えるバー&カフェなどはパームツリーのある通りにあったりと、とても開けていて活気もそれなりにあるように見える。

きっとこのくらいの街の大きさだと他へ出ないでも用が足りてしまうので、住民は割と満足して生活しているのではないだろうかと推測する。

Rは常連らしく、ずっと先導してくれた。彼のいるMethvenから何度も足を運んだことがあるらしい。
付いて行くとこの国には珍しいループ道があった。景色が回りながら走るのは面白いと思った。せっかくだからもう一度くらい通ればよかった。Timaruにはそれくらいしか目立つものがない。

すぐ近くのビーチを見ようと、バイクを止めた。
Rの家族は夏はここでパチャパチャとするらしい。今も夏だが今日みたいなこんな天気では誰もいない。


今日の目的はOamaru (オアマル)だ。ここから言えば隣町である。名前まで似てる。
ふと、行ったことのない町が間にあるのを思い出した。Waimate (ワイマテ)だ。

なんと、ニュージーランドにカンガルーならぬワラビーがいるのだ。しかもここがメッカである。町の公園にいると聞いていたので、是非行ってみたかったのだが、なんせ、こんな所くんだりまではなかなか行かないところなので、これはいい機会と、行くのを嫌がるRを説得。見ると雨雲がWaimate上空を立ち込めているのだ。右前方10キロといったところか。雨が降っているのが見える。

町に着くと、確かにポツリポツリと時たま体に雨が当たる感じはする。でもなんとか保ちそうだ。Rは前にこのとても小さな町でロケをしたことがあると言っていた。さすが、Rは詳しかった。トータル1週間もいたらしい。こんなところで、、、。あんまり楽しそうな町ではないのは確かだ。この町出身の仲良し友達がいるが良い点を探すのはそれほど簡単でもなさそうだ。



バイクを停め、半信半疑のまま、公園に入って行くと、檻の中にそれはいた。残飯をぶちまけられた大き目の檻の中で2、3匹束になって、そこ、こに。前にオーストラリアに旅行に行った時、動物園で肩に腕を回して写真を撮ったものだったが、こうしてよく見るとただの大きなネズミみたいに思えた。そう考えるとおぞましいものだ。最近はやりの同じワラビーでもクオッカワラビーとはだいぶ違うなあ。

最近は野生化したワラビーがあちこちで繁殖し、道路に飛び出し跳ねられているのもいる。これではカンガルーバーを装着する車も増えるかもしれない。もちろんハーレーでも跳ねたくはない。

彼らはここでは害獣扱いの為、ハンティングも盛んだとか。前にこの近くの山奥で群れを見たことがある。木々の下にたくさんが潜り込んでいた。私の乗ったヘッドライトを点けた車がカーブで近づくと、全体がわさわさっと暗闇の中で動いたのを憶えている。





今すぐにでにも降ってきそうだったので、逃げるようにWaimateを去った。


Oamaruに着くと馴染みのある街並みだ。ここは何度も訪れている。ここにある屋敷を持つ共通の友人にまたお世話になる。いつもお世話になりっぱなしな旅である。

男だらけでワインとビールと中華のテイクアウェイで遅くまで話が弾んだ夜になった。




二日目につづく。