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2015年3月8日日曜日

雨を避けての5日間ツーリングの最終日。

2015年2月。ツーリング5日目。

今日も天気がいい。素晴らしい。
一晩中開けっ放しにしたドアでも部屋は寒くはなくちょうどよかった。
まだ意外に早い時間に目が覚めてモーターパークの割ときれいなバスルームで顔を洗い周りを散歩した。昨日の夕方と違って誰一人歩いていないGreymouthのビーチだった。

さあ、出発だ。
Hokitika (ホキティカ) まではあっという間、ここで朝食にしよう。以前訪れた時には思いっきりハズレの店に入ってしまって、この町の印象をすっごくがっかりさせてくれたんだけれども、今日はどうだろうか。

ガソリンを入れてからTrip Advisorで見てみる。どこも似たり寄ったりでよく見ないでも一緒だということが分かった。町内を流してみる。そんなに多くない数のストリートなので、あっという間に見て終わる。こないだ車を運転中に見つからなかったCafeが目に飛び込む。ここにしよう。

ここは大当たり。こないだ来れなくて残念でしょうがない。上品にクロワッサンなんかにジャムをつけちゃったりしてお洒落に朝食をとった。

この町の中心にあるアイコンである時計台を360°から見た後、ビーチに行ってみる。この町のもう一つのアイコンである、流木で作った"Hokitika"という大きな文字が砂の上に立っているのだ。

今回行ってみるとちょっと違った。なんでも流木でアートを作るコンペティションがあったらしく、砂浜一面に様々なアートが広がってた。中でもこれが私のお気に入りになった。素晴らしいアイディアだと思う。拍手。
ゆったりとアートを堪能した後、いよいよWestcoast特有の鬱蒼とした森の中を走り始める。車の数は少ないがレンタカーがその5割を占めていると思われるので油断大敵だ。

Ross (ロス)という小さな町がある。金が出て流行ったところらしいが、今はその面影は少ない。現在でもある一家がまだ掘り続けているらしいが。
ここから出発するのか、自転車ツアーがたくさんいた。小さなオレンジの三角の旗を横に車道側に突き出し、走るのだ。バスが行くとこをフォローしているので荷物は水とスナックくらいなのだろうか。たくさんの人たちが点々と自転車をこいで私と同じ方向に向かっている。レンタカーも多いがレンタサイクルも多いということだ。


面白いところがある。一応Cafeなのだが、見てくれはそうではない。外にはでっかいサンドフライが捉えられている。この大行事の詳細は壁に貼ってある。中に入っても異様な雰囲気を醸し出している。冗談が(森の中だけに)盛りだくさんのメニューやらグッズが置いてある。変なもの、くだらないもの見たさにぜひ一度訪れてみたいところだ。
四方八方50kmをを森に囲まれて生活するということはそういうことなのかもしれない。


こういう静かで何の変哲も無い湖が多い。名前も覚えられない。でもそれが特徴と言えるのかもしれない。ちなみにこれはLake Ianthe (レイク・イアンズィ)と呼ぶのだろうか。読み方さえよくわからない。この辺は何度通っても興味がそそられないのは何故なのだろうか。

この後は無心になって走る。森と湖が交互に現れる。Queenstownとかの派手な色の湖と違い森もダークな緑なので目に嬉しいということがない。ただただ緑の芝生と背高ノッポの木々だけが目立つ。自然とはと、意味深いことを考えながら、体で感じながら走るのだ。


あと5分走ればFranz Josef (フランツ・ジョセフ)に着くところだったのに、手前を大きく右に曲がると暗黒の雲が頭上にあり、雨の中に突入した。正確には雲の下に入っていったのだ。結構大粒の雨だ。屋根のあるところまで行くのが先かずぶ濡れになるのが先かだったが屋根の方が近かったようだ。ガソリン入れなかったがここでカッパを着る。
あーあ、とうとう降られてしまった。折角2泊も延長して避けてきたのに。残念でならない。まあ、天気予報を見ればほぼその通りだったのだが。午後も遅くなるほどに雨が上がってくる予定だ。

もうこれからはずっと雨なのだろう、としょぼしょぼと走り始めた。隣のFox Glacier (フォックス・グレーシアー) まではずっと狭いワインディングだ。距離は23kmと短いのにえらく遠く感じる。交通量が多いせいだろう。例の自転車も多かった。

また前方で車が詰まっている。先頭車両がめたくそ遅いのだ。車の運転自体ロクスポできない人がどうしてレンタカーを借りて旅をしようなどと思うのだろうか。その考えがまず理解できない。

その先頭車両は橋の上のそんなにきつくないイエローラインの左カーブで半車分右にはみ出して進んでいる。左側の橋の壁が怖いのだろう。対向車の事はお構い無しに。まったく気が滅入る。

あんなのがブラインドコーナーで目の前から出てきたらお陀仏だろうな。そんな事故が起こったときには一体、誰のせいなのだろうか。

ぶつかる方が悪いのか、ぶつかられた方が悪いのか、海外から来た人も運転できる国の法律が悪いのか。誰が悪くてもただ単に運が悪かったのだけのことなのだろうか。でもこれは果たして、先進国に当てはめていい事柄なのだろうか。考えることは多い。


Foxに着いてガソリンを入れる。今見た車のことをスタンドのおばちゃんと話すと、ウンウンと大きく頷いた。例の車を通報したいので警察署はないかとの私の問いに、たまに来る程度だと言う。この町に警察は必要だと実感した。




ランチを済ますと天気は回復していた。幸い、雲は山にくっついているようだ。ここからはカッパもいらない。やっぱりカッパ着て走るのは好きではない。

ここでもいいカフェに巡り会えた。これは嬉しい。


嬉しい時は結構止まってカメラを取り出すのだ。


まっすぐなところも多い。
森を切り開いて道を作っただろうから、両脇ともものすごい高い木が並んでいる。言ってみればジャングルの中を突き進むのだ。これがWestcoastの醍醐味だ。
実は天気が悪いほうが雰囲気があるのだが、青空だってもちろん悪くない。


海だって見える場所がある。唯一だが。Bruce Bay (ブルース・ベイ) だ。
ここにもHokitikaに負けないくらいの個人アートがあるが、それはとてもつまらなく石をまっすぐに積んだだけの見た目も良くないものたちだ。

昔、車で来た時には大荒れの天気でバシャバシャと波が道に掛ってて度肝を抜かれたけども。



しばらく行くと通行止になった。 橋の工事だと。10分も止まらされた。雨が降ってなくてよかったなあと思った。何もすることがなく、交通係のおじさんが目の前で遅めのランチのサンドイッチを飲み込むように食べていたのを見ていた。


いよいよHaast (ハースト)に着く。
携帯は未だに圏外の村だ。未だにこの町はそういう町なのだ。身隠れしたくなったら来ればいいところだ。

昔の首相は休みの日に趣味のクロスカントリースキーをするのが良いと言っていたらしい。健康的だし、第一、電波が届かないので誰からも捕まらないからと。この国の首相の言葉らしい。

2台のバイクとトイレで会って、情報交換。
私の行く方向から来たらしく、天気は大丈夫だったと言っていた。目の前が結構グレーで暗かったので心配していたのだ。
彼らは先ほどのBruce Bayまで行くと言っていた。宿なんかあったかな。

そういえば、蜂除けにバンダナを腕に巻くことにした。これなら入ってこれまい。
というか、ここHaastにはいないが峠を越えてから通るWanakaの辺りの対策だ。あの辺はブンブンしているはず。バッチリ準備して、また走り出す。

久々のHaastの峠はほとんど交通量がなく、すっと通り過ぎられた。
見所のある要所の滝も今回はパス。グレーの空では絵にならない。おかげで早く帰れるな、なんて思った。

Wanaka を通り過ぎてすぐにポツポツとやってきた。良いことといえば蜂の心配はなさそうだ。雨の中には飛び回らないのだろう。Crown Range (クラウン・レンジ)峠の上はすっごいグレー空だ。

そのまま行けるかなと思った途端、大粒になり諦めて、大木の下でカッパをまた取り出した。あとちょっとで家だけにとっても悔しい。カッパを着ている間に、確か、Greymouthで宿泊していたと思われる2台のバイクが目の前を過ぎ去っていった。彼らも時間的にきっと今日はQueenstownが宿泊先なのだろう。一日に500km越えの道程はなかなかだ。

峠の山頂に着くまでには雨も上がり、下りは晴天の下を楽しく走れた。もうすぐ家だ。


家に着くといつも遊びに来ている地元の友人達がいつものように食事をたくさん準備して待っていてくれていた。

こうして、3日間で帰るはずのツーリングが5日間になってしまい、無事に帰還した。振り返るととても長く感じた5日間で、とってもいい夏休みになった。

この旅でお世話になった友人たちには全く頭が上がらない。素晴らしい友人たちに私は支えられて、わがまましたい放題に生きているのである。妻にも感謝だ。

またやろうっと思った。



2015年3月2日月曜日

今日の寝床はどこだ。三者択一。

2015年2月。昨日の続き。

実は天気予報がずれたようだ。半日早く雨が来る。このまま西側へ出て南に下ると今日はきっと大丈夫だが、次の日は丸一日、思いっきりヘビーなレインにやられてしまいそうで、走れそうにない。というか土砂降りの中を走りたくはない。

となると、部屋から出ないで閉じこもり、ウエストコーストの超つまらない村で2泊もしなくてはなりそうな気配。うーん。

Arthur's Passで天気をチェックしてから走りながらそう考えた。なんとあんな所で3G電波が来ていることに驚いたが。すごいのね、最近は。まあ、あれだけ交通量があるのならば当然と言えば当然だが。

ところで、今日泊まるところだ。うーん。

Greymouth (グレイマウス)とかHokitika (ホキティカ) とかいうのは町は町だが過去にいい思い出がない。両方とも泊まったことがあるのだが、飯が外れっぱなしだし。やっぱり旅の間はまずいものを食いたくはない。その印象がそのままその場所の印象と刷り込まれてしまう気がするからだ。

Franz Josef (フランツ・ジョセフ)には大きなスパがあっていいけど、とかFox Glacier (フォックス・グレーシアー)までは今からだとすると、ちょっと距離がありすぎる。

そしてその間には何も町がない。どこか小さなパブがキャンプ場からなにから兼ねてるところがあるかもしれないが、Webで探して果たして出てくるような所なのだろうか。いやあ、数はないけど、きっと時間の無駄になる。というか、そこで更に丸一日過ごすのは無理だ。

であれば、
1.来た道を戻る。
2.違うところに抜ける。
3.棒に振る。

3はとりあえず諦めの奥の手として、
1の来た道を戻ると天気的に問題はなさそうだ。東側はずっと晴れているみたいだ。でも、来た道を戻るのは旅っぽくないし、どうしてもこの峠を縦断したい。

2の違うところと言えば南じゃなければ北にしか道はない。分岐点のGreymouthあたりに止まってしまっては明日は雨だ。雨が来ないくらい北上しなくてはならない。


ふと気がつくと道の右側に線路がある。有名な?Tranz Alpine (トランツ・アルパイン)という列車だ。Christchurch とGreymouthを一日一回往復している観光列車だ。峠の頂上に駅があったが、ずっと道路と並行しているわけではなく、一番美味しい景色の峠の辺りはトンネルなのだろう、ずっと姿を見ることなかった線路が丸見えになる。

それに今度は沿っていくように走っていくと行ったことがなかったが、たまに聞いたことのある湖の名で楽しみにしていたLake Brunner (レイク・ブラナー)がある。

ちょうどそこに向かっている途中の牧草の向こう側からそんなに長くない客車を引く列車がごとごとと走ってきた。走っていたのでカメラを出すヒマがなかった。てっちゃんて言うわけでもないけども、動く物体を撮影するのは嫌いな方ではないので、残念。



さて、北上するならどこに行くのか。と、またここで頭の中で思いを巡らす。周りが平らになって考える余裕が出てきたのだろう。

そうだ、とバイクを何もない平らな道路の脇に止め、ふとしばらく会っていないNelson (ネルソン)の近くのMotueka (モトゥエカ)の友人に「泊めて」と携帯からメッセージを送ってみた。

ちょっとしてから、急なお願いに快諾してくれたかわからないけども、OKをありがたくいただき、目指す方向が決まった!
アクセルを握る右手に力が入った。

レイク・ブラナーに着いてみると、ここは木々が水面からたくさん生えていて異様な風景だった。写真をしっかり撮る事もなく通り過ぎてしまったのは、泊まるところがようやく決められて、あんまり集中していなかったからだろう。


ようやく下界へ降りてきた感じでSH7に当たる。峠の縦断の目的は達成された。
鉄道は左へ折れてGreymouthへと向かうが、私は反対の右に行く。
考えてみれば、友人宅まではまだ300km弱ある。南島の下のほうに住んでいると真ん中より上の方はみんなほとんど同じような距離の感覚にある自分が情けない。



世の中にはいろんなコレクターがいるが、特にこのあたりの人たちはそれを「これでもか」と門の前に飾るのが好きなようである。



でも、徹底的に綺麗にやるわけじゃないところがまた、その土地の気候の雰囲気を出している。

写真はないが、他にも古〜いサビサビの同じようなトラックが数台並んでたり、やっぱり錆びた自転車がずらっと並んでたり、靴が何百足も塀に絡まってたり、挙げ句の果ては便器がズラーッと並んでたりする。
別に便器屋さんじゃないと思うのだが。ひょっとしたらペンキ屋さん? まさか、日本のダジャレはわからないだろうし。

ちなみにうちの近くの塀にはブラジャーがズラーッと並んでいるところもある。これは人が勝手に置いていくのであって、地主のコレクションじゃないのだが。

こういうディスプレイはKiwiの魂なのだろうか??
そのうち写真図鑑でも出してみようだろうか。


その後、無心に走り続けてMurchison (マーチソン)という村に違いない名前の土地に着く。
その前に給油してからまだ120kmくらいしか走ってないので、入れなくてもよかったかもしれないのだが、入れておく。

ついでに、隣のカフェでコーヒーを。
で、ゆったり休んでから乗り込もうとハーレーに近寄ると、テールライトが点いているのに気づいた。

え? 鍵は右のポケットに入っている。
ヤバ、と鍵を突っ込んでセルスイッチを押すが何も言わない。
ゲ、ライトがオンのまま、鍵を抜いてしまったのだ。そんなことできるのか?やったことがなかっただけなのか。

まあ、いい、隣がガソリンスタンドだ。なんとかなるが、問題はバイクの停めた位置だ。
出やすいようにといつものようにバックして入れたのはいいが、そこはちょっときつめの勾配が着いている。まちがいなく一人じゃ押せない。

運良く、コーヒーを待っているBMWのバイクのおじさんがいたので声をかけて助けてもらった。ガソリンスタンドでバッテリーを借りて一発! あーよかった。

バッテリーをバイクまで持って行けばよかったのだが、どうしても貸してくれなかったのだ。道路向かいに停まっていたのに持ってこいと言われた。まあ、見ず知らずの人に、ってことなのだろうな。助けてもらってあれこれ言うのもなんだが。私は悪いやつなのだ。


もう一つの長い森も抜け、Motuekaまでもう一息。
これはビールのホップの畑。あまり見るものでもないのだ。 地ビールはあちこちたくさんあるのに。



川沿いを気持ちよく走る。
その時だった!

なんと、また!
右手に激痛が!

そっとジャケットを脱ぐとポトっと蜂が落ちた。しかもWASP!
しかも昨日刺されたところと3cmしか離れていないようなところ。

フガーッと一人でやった後、昨日買ったプロポリスが革ジャンのポケットに入れておいたことを思い出し、すかさずピトッと垂らした。

実は昨日プロポリスを買うときにお店にあったサンプルを一滴つければいいかななんて一瞬思ったんだけども。買っておいて良かったとこれほど思ったことはない。これからは必需品。




痛みはあったのだが、すぐに走り出した。夕焼けになってき始めている。
でも、この橋の美しさを見つけた時に撮らずにはいられなかった。


きっと私は人に迷惑かけるたび、蜂に刺される運命なのだろう。


ツーリング3日目につづく。



2014年8月21日木曜日

もうすぐ走り出す準備

今回の写真は全て2012年の5月。
冬に突入する直前のちょい乗りだ。ほぼ走り納めの時の事だ。

Kuzzyさんを誘って走った。いつものGlenorchy (グレノーキー)だ。
もちろん天気がよくなければ外に出る訳が無いこの二人なのでこの日は晴れ。空気はパキンとしている。太陽が当たっていて動かなければ寒くはなかったが、バイクともなるとそうはいかない。二人とも革ジャンを捨て、完全防備のナイロン製のジャケットに身を包んで出かけた。

このジャケットとパンツ、NZでは出回る商品が少ないので選べる程ブランドも無い。従ってルートは違ったが入手したものが同じ商品である事が発覚した。
全く二人して兄弟みたいである。良く言えば?ペアルック、もしくはユニフォームなのだ。バイク乗りが何人も集まれば、きっともっと多くなるだろう。

REV'IT!というメーカーで確かに作りは良くってインナーが付けられる様になっていて、付けるとぽかぽかとあったかい。パッドも肩、肘、膝と着いているので普段来ている何も付いていない革よりも安全性は高い気がする。しかし、ハーレーとは見た目が釣り合わないのがしょうがない。


このジェケットパンツを買ったのはハーレーを買った日だった。安いナイロンのブーツも一緒に買った。うちから300km 離れたDunedin (ダニーデン)にある店で買ったのだからしょうがない。雨が降っていたのだ。

初日に雨とは、とほほな気分だが、買った嬉しさは隠せなかった。ここからOamaru (オアマル)の友人宅まで走るのが初めての日の走行になった。

雨の中、初めて乗るHarleyは不安だったが、新品の全天候型ジャケットは見事に体の熱を逃さずドライ状態を守ってくれた。早速テストができたと思えば悪いもんでもないとポジティブに考えることにした。


翌日は更に北上し、Christchurch (クライストチャーチ) まで行くのだが、また雨だった。今日も雨テストができる!! 昼にはミーティングがあるのでしょうがない、行かねばならない。

しばらく走って隣町が近くなると、いつの間にかバックミラーに写るもう一台のハーレーがいた。カバンをたすきがけにした大学生みたいな雰囲気で、カッパどころか、普通の薄っちいジャケットにジーンズしか着ていなくてずぶぬれになっていた。本物のハーレー乗りはこういうものなのか、すごいなあ、と感動した。彼はあっという間に私を抜き去り、近くの家に曲がって入って行った。ちょい乗りに出かけていたのだろうか?


途中、初めての給油をした。Timaru (ティマル)に着いた時のことだ。進行方向に対してバイクをパンプの右側に止めてしまうとスタンドを出した時のバイクの傾きは当たり前だがパンプ側と反対になってしまう。まあ問題ないと、パンプとバイクの間に立ち、ノズルを手に注ごうとすると意外にこれがやりにくい事に気がついた。タンクキャップを開けると更にしきりがあって、そこに狭い穴がちょこっと開いている。(ディーゼルを間違えていれない様にかな?)背も低いのでその穴がよく見えない。

タンクにこぼれない様にと身を乗り出して丁寧にノズルを入れてホッとし、ハーレーから離れようとすると、右膝が離れない。見ると膝がエキパイに当たってて溶けているではないか!
剥がし取ると内膝には直径2センチ程の丸い穴ができてしまった。悔しいったらないのである。エキパイには溶けたナイロンがねちゃっと付いていた。

以来、給油の時はちゃんとバイクの左側に立つ様にしている。高いレッスンだった。今はその右膝には黒いガムテープが張られている。これを見る度、この苦い経験を思い出すのだ。

ちなみにその後、クライストチャーチをその翌日に出発したがやっぱり雨。Tekapo (テカポ) 辺りまでの250kmはずっと雨だった記憶がある。やっぱりツーリングは晴れに限る。

そのジャケットとパンツだが、基本、寒い時期にしか着ない。もしくは、ロングツーリングでヤバそうな予報が出ている時には着るのだが、暑い時はめちゃ暑いのだ。まあ、それは革でも一緒だが。今まで約3周南島を回ったが、2周はこれを着てたので、そこそこ活躍はしていると言える。

そして、あと10日で解禁日がやって来る。9月からは乗れるのだ。
やっぱり最初のうちはこれを着て乗るのだ。

ああ、待ち遠しい。



2014年8月3日日曜日

驚きのFranz Josef − 気ままにぐるりと2000km Part 1

2012年2月。
サドルバッグは両サイドともパンパン、一応防水バッグに包んだ数日分の衣類とスニーカーともろもろ、カッパはすぐに取り出せるようにと一番上に。バックレストに縛り付けた、さほど大きくもないカメラバックがどうも座り心地が悪いのだが、それは仕方ないこととした。

予定はQueenstownからPunakaiki (プナカイキ)へ。と言っても実はここまでは結構な距離だ。ざっと550kmはある。家を出る前に今日の宿を予約した。この村にいつか泊まってみたいと思っていたのだ。ずっと前に車でここを通ったときの夕日がすばらしくて、時間があったら是非泊まってみたいと思ったのがきっかけだ。


実際のところ天気予報が芳しくない。晴天下ライダーとしてはとても不本意なのだが、こればかりは防ぎ様が無い。なんせウェストコーストを通るってことはすなわちそういう事が大前提となる。さすがに連泊ツーリングとなると、そうそう晴天日だけの移動を選ぶ事も難しい。

Crown Rangeを登り始める。以外に空気が冷えている。嫌な前兆だ。グリップヒーターを途中から点けていたのだがいっこうにあったかくならない。どうやら断線しているようだ。つい先日にフルサービスをガレージで受けたばかりなのに、おそらくそのメンテのせいで断線させてしまったのだろう。

今日のこの天気と、これからの旅の長さを考えると絶対に必要だと思い、文句も申すという意味で急遽引き返し、バイク屋に直行した。当のガレージの兄ちゃんは「そんなところ触ってない」の一点張りで通した。まあ、証拠も確かにないんだけども、ガレージ出てきてから乗ってないんだけどなあ。

ぶつぶつ言いながらもどうしようもない事で時間をつぶす事はできない。そそくさ自分のうちに戻り、カチャカチャと配線修理を始めた。見事に引きちぎられていた。やっぱりあいつだ、と思う。ま、直ったので、気を取り直し、再出発とする。おかげで遅くなった。1時間以上のロスだ。

やっとCrown Rangeに戻り、直ったグリップヒーターのありがたさを感じながら、Wanakaに着いて中途半端にタンクに入っているガソリンを満タンにする。このSportsterのタンクは17リットルで大体200kmを超えたくらいで入れるようにしているのだが、燃費は平均20km/lなので、航続距離は大体300kmという事になる。そうするとFranz Josef (フランツ・ジョセフ)までは行けそうな計算だ。


前出のストーリーでおなじみのHaastを超え、海に当たると北へ海岸沿いに進む。原生林が激しい風で曲がりくねっているが、道はまっすぐだ。

一部、すぐ海沿いを走る場所がある。波が荒い時は道路上に容赦なく降り注ぐが、今回は大丈夫そうだ。しかし、しぶきなのか小雨なのか、シールドが濡れる。そこを過ぎてからもまだ濡れ続けるので、それが雨だと分かった。

元々無口だし、しゃべる相手もいないので、黙々と走り続ける。
過去にロケをした森の横を通り過ぎた時、あの日、結構降る雨の中、木々の大きな葉っぱを打つ雨音の下、みんなで黙って撮影してたことを思い出した。


今日のほぼ2/3地点の Franz Josef で給油した後、腹も満たそうと考える。手っ取り早くガソリンスタンドのお姉ちゃんから情報を得ると道路の反対側に最近出店しているタイ風料理のテイクアウェイがお気に入りと言う。よし、行ってみよう。

しかし、ここで、なんと、また一つ問題が発生した。ガソリン代金を払い終わり、イグニッションをまわすとイモビライザーがけたたましく鳴った。あわててキーを抜いてやり直すがまた一緒。周りの目をガンガン感じながら数度目に何とかエンジンがかかり、逃げるように4 Square スーパーマーケットに直行した。超コッパズカシイものである。
キーの電池を購入し交換すると、イモビライザーは鳴らなくなった。良くこんな田舎でボタン電池があったものだと感心した。あー、良かった。これからはちゃんと定期に電池交換をしようと思った。

気を取り直し、タイ屋台に行ってみる。キャンピングカーを改造したお店だ。
異常に値段が高い気く量が少ない気がしたが、空腹には変えられない。オーナーはアジアのお姉さんと現地のおじさんのカップルらしい。

私のどこから見てもバイク乗りのかっこに気づいたおじさんが話しかけてきた。おじさんもハーレー乗りになるらしく、友達と一緒に今度の夏にはアメリカに行ってハーレー買って、さんざん周遊した後にそれを持って帰って来るという計画があるんだと教えてくれた。それは楽しそうである。ドルも当時はすごくいいレートだった。

しかし、そのタイ風のチャーハンらしき食べ物はアジア人のお姉さんが作っていたにもかかわらず、お世辞にもおいしいとは言えなくて、腹もふくれず、ぼられた感満載だった。おじさんのハーレーの旅の夢を叶える為に寄付したとしよう。なんでだ!?

すぐ横にあるシルバーのステンレスむき出しみたいな壁の公衆トイレに入ってみると、自動ドアで迎えられ、すると音声でも説明が。「これから5分間、自由にお使い頂けます。」的なことを言ったかと思うと、銀行で流れているような爽やか系の音楽が流れる。

とてもハイテクだが、5分経ったら何をしている状況でも勝手にドアが開いてしまうのだろうかと、心配した。果たして、そうだろうか。残念だがそれを試すほど私には時間がかからなかった。

ずっと大粒の激しい雨という事でもなく、革の上下を着ているがカッパを着るまでもない。雨は時折強弱をつけながらいろんなバリエーションで楽しましてくれるなどの気の効かせ様。しかも、すっかり止んで体が乾きそうになると、また雨雲が手招きして待ってくれていたり、完璧なおもてなしを受けた。しかし雨は森を過ぎると上がって、残りの3時間はドライの状態で走れた。


Franz Josefより約3時間の道程で本日目的地の、Punakaikiに到着。
太古からある森が海に接している隙間にある村で、観光地であるPancake Rocks (パンケーキ・ロックス)という潮吹き穴がある所からごくすぐ近所だ。ゆったりと流れる川が海に繋がっているところでカヤックを楽しんだりする人もいる。


久々にバックパッカー宿である。ワーキングホリデーにバックパック一つで旅をしていた時代を思い出すと、わくわくする。しかし、いい歳のおじさんになったので、いくらか出世して個室をリザーブ。というか、2段ベッドが1つあった部屋なのだが、その晩は他に客がいなく、結果的に個室になった。少ない金額で個室をゲット。
今日初めての「当たり!」気分を味わう。

散歩に出た。村の大きさはほんとに小さく、5分も歩けば一周してしまうだろう。

村の入り口の看板のように突き出た岩が面白い。
アガパンサスという花、なぜかとっても心が引かれる。うちの庭にもこれのミニ版が夏に咲く。紫と白と、手のひらサイズの花だ。でもこの大きいのがやっぱり見栄えがいい。


キャンプ場はにぎわっていた。今度は家族でここでもいいだろう。時期により人が多くなりそうだが、心地が良さそうなところだ。


ビーチはなんにも言わずに歩いた。尤も一人だが。
残念ながら望んでいたような夕日にはならなかったが、これはこれでいいものが見れたと思った。








ぐるりとした後、どうやら村に一件しかないとわかると、このバーレストランに入る。
一件しかないだけあって、非常に混んでいて活気がある。しかし一人なので席も困らない。


カウンターに座るとでSpeights (スペイツ)のジャグと無難なハンバーガーをオーダー。このスペイツというビールは「南の誇り」という相性で慕われていて、私のかつて愛飲したビールで、最盛期は水の変わりに飲んでいたようなものだ。南島のこの気候にとにかく合う。現在も冬の間はこれにしている。それ以外の気温の高い時期にはSteinlager PURE (ステインラガー・ピュア)になった。好みも変わるという事か。
ということで、今夜は一人で祝杯をあげる。