2014年9月19日金曜日

初夏の隣町では

2012年11月の事。
すばらしい暑い夏の日だった。
この暑い夏の日というのがどんどん少なくなってきている気がする。実質的なデータを見てないけども、移住したばかりの18年前の気候は体感的に語るとずっと暑かった。Tシャツ短パン、ビーチサンダルで過ごした日々が明らかに長かったし、熱風を感じて過ごした日中も多かった。

ところが、近年はそういう夏を感じる日が少ない。地球は温暖化しているというのは聞くが本当だろうか。ただ、面白い事に、冬は以前よりも寒さが厳しくなくなり、山々の雪も減り、陽気な日中が続く事が多くなった。このまま行くと、年間を通してほぼ変化が無い気候になって行くのだろうかなんて思ってしまう。たった20年足らずでの話ではあるが、こうも変わるのは、ただ単に自分と自分の回りの人間が歳をとって感覚がずれてきたという事だけなのかもしれないが。

元に戻るが、しかしながら、この日は暑く、夏っぽい日だったのだ。
Kuzzyさんと隣町のWanaka (ワナカ)までちょい乗りだ。片道約1時間の距離だ。いつものCrown Range (クラウン・レンジ)を通って、するすると走って行く。町が一望できる頂上から春の風景をパチリ。


周りの牧場は新緑が眩しい。羊達が食んでいる草は私からみてもおいしそうに食べている様に見える。一心不乱だ。それにしても、彼らにしてみれば食べ物の上を歩きながら移動しているのである。凄い事ではないだろうか。それを人間に当てはめて想像してみてみるが、自分の好きな物がそこかしこに置いてあり、それは遥かずっと向こうの方まで続いているのだ。きっとその光景は食いしん坊の目には天国に映る事だろう。


そんな馬鹿な事を考えていると着くところがワナカである。カフェに入る。暑い。革ジャンを脱ぐ。こんな暑い夏にでもこれを着るのはやっぱり一応の安全性を考えての事である。この季節は虫が多い。ハエやら蜂やら黄金虫みたいなものやら、いろいろだ。100キロで走って彼らがぶつかって来ると、革ジャンを着ててもすんごい痛いのである。


ましてや道路に落ちている石を対向車が跳ねてこっちに向かってくる事だってあるだろう。現に私の車のフロントガラスには傷がいくつかあり、平均して2,3年に一度はガラス屋にお世話になる。国全体での認識がそういう状態である為、保険屋も1年に2度まではガラス交換・修理を無償で行うという契約が多い。私のは今年早々に一度修理しているので、今現在直した方がいいと思っているちょっと深い傷もまだ直さないでいる。更新するまで、まだまだ数ヶ月あるのだ。致命傷になるほどの事が無い限り、ぎりぎりまで保たないと。


あまりの暑さに、普段はロングブラックのコーヒーだが、この日は気分を変えてアイスコーヒーにした。これもまたこの国ではなじみの無いメニューであったとしても大概こういうものとして出て来る。即席で冷ました熱いコーヒーに甘ーいクリームが乗っかっている。まあこれはこれでちゃんと冷えてくればおいしいのだが。そうしておじさん二人は仲良く小さなテーブルで膝を突き合わせストローでコーヒーを吸った。


それにしても気持ちのいい眺めと天気である。ここがワナカのレイクフロントである。道路を隔てて向こう側には青い大きな湖が広がる。ヨットがずっと向こうでたくさん浮いている。この町にはボート、ヨットを持っている人がどうやら本当にたくさんいる。家族のレジャーという感じなのだろうか。アウトドア好きな結構なお金持ちが多い気がする。小さいものからちょっとしたサイズのものまで。湖なので、海に出ているような大きめの船は無いのがいい。


町のサイズとしては大きくなく、小さすぎず、と言うところか。ただ町の中の活気という点では人口のせいか、観光客の全体数のせいか、混んでいると言うイメージは全くない。この角にある人気のカフェだけは別として。




帰り道に峠を通ると逆光がすばらしくきれいだ。夕日近い風景に溶け込んで行くKuzzyさんを撮影する。バイク乗りにはこの時間がとても似合うと思う。





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