2012年9月の事。
私が買ったハーレーの店がはるばる私の住む町にやってきた。12台のハーレーを持って。これからバイクの季節な訳で、お店も大々的にバイクの宣伝をしにきた訳だ。
店自体はDunedin (ダニーデン)と言う3時間離れている町にあるのだが、新車のデモ車を持って国中を巡業しにくるのだ。
よい天気である。その特設会場はたまたま、うちのすぐ近く。歩いて見に行く事もできるのだが、ノリノリで自分のハーレーで会場に乗り込んだ。
着くと大きなハーレーのロゴの風船看板が立っている。嫌でも目立つ。幹線道路のすぐ脇なので、これなら車で通りかかった人々も思わず飛び込みで来てしまうだろう。
何とも嬉しい景観だろうか。よりどりみどりである。ディズニーランドより嬉しい。しかも無料だ。並ばなくてもいい。すばらしい日だ。父の日に設定してくれてもいいと思う。
早速、好みのものを見つけて試乗をしたいと受付に申し込む。免許証を出し、もしもの何かの時に備えてと署名をする。
当分、買い変える気はないし、お金もないのだが、同じXL1200Cにした。こちらは新型、2013年モデルだ。2007年型の私のと比べてフロントタイヤがぶっとくなって小さくなってる。乗り味が楽しみだとほくそ笑む。
試乗は先導と最後尾のオフィシャルに挟まれて皆で一斉に走り出す仕組みだ。大体の設定したコースの説明を受け、それぞれ好みのものに股がるとスターターが回り、ドスドス、ドコドコとものすごい重低音が辺り一面に響き渡る。
普段乗っている人なのか、顔を知る人は少なかった。私は地元のサークルに入っているのだが、その中のメンツはたった一人だけであった。当面、ハーレーへの乗り換えはみんな考えてないという事だろうか。
何番目かに並んだ私は前のあとについて行く。ちょうど編成の真ん中くらいか。
ハンドリングはいい。思い通りなラインを描ける感じで曲がって行くが、ステップが私のハイウェイペグと違う位置にあるので、ちょっと違和感がある。でもこの方が踏ん張りが効く位置にあるので、曲がりやすいのだろう。それより、ギアの入り方とかが新品なのでカチッ、カチッと入って気持ちいい。エンジンの回り方もやっぱり新ピンぽい回り方をしている気がする。
小さな湖の横を抜け、閑静な大きな高級住宅地の横を抜け、それから何件ものファームの横を抜けて行く。すると、なんて言う事か、こんな平和な週末に羊を道路上で移動させているではないか。私たちは道路をぞろぞろと横断する羊達を止まって眺める事になった。
その間も皆、アイドリングはしている訳だが、それだけでも十分に羊達を怖がらせるには十分だったみたいだ。その羊達が移動中に道路に落としたう○こに気をつけながら走らないと新車が台無しだ。
そうして、ぐるっとおそらく20分くらい回らせてくれただろうか。
とっても楽しい時間が過ごせたすばらしい日だ。
ズに乗って他のものも是非試してみようと停めてあるものに次々と股がるのだが、憧れのV-Rodなど残念ながら165cmの身長で足の長さは比率的に長い訳でもないので足付きの問題しかり、フットペグまでもちゃんとした位置におけないのでギアチェンジの問題と、腕も長くないのでハンドルバーまで手を伸ばす為に上半身は思い切り前のめり、そして手の大きさも大きくないのでブレーキ、クラッチを握ろうとがんばるが第一関節の半分くらいまでしか届かない。
「坊や、もっと大きくなってからおいでね」っていう店員の声が聞こえてきそうだったので、おとなしく帰った。
でも、もし、大きくなったら選択肢が増えてしまって、迷う事が多くなるという事は不幸に違いないと自分に言い聞かせて悔し泣きで枕を濡らした夜になった。とか。
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