2014年7月27日日曜日

夕暮れの崖

2010年3月のこと。


いつものちょい乗りは Glenorchy(グレノーキー) だ。お気に入りの片道50km 約1時間のコース。
その道はQueenstown(クイーンズタウン)の町外れから始まり、行き止まりの先にあるGlenorchyという村までの道だ。このグレノーキー村には多分100家族もいないのではないだろうか。

神秘なブナの森とゆるりと流れる川がクイーンズタウンの象徴であるLake Wakatipu(レイク・ワカティプ)に流れ込み、厳しく雄大な自然に囲まれていて、名前もParadise(パラダイス)なんていう場所もある。

何がパラダイスなのかわからないが、マス釣り人やシカ・カモ撃ちにとっては獲物が豊富なのでまさに天国である。果たして獲られる側にとってもパラダイスと言ってもいいのだろうか。とにかく、ワイルドである。

Lord of the Ringsを始め、それはもう様々な映画やCMが撮影されている。全く似合わない爆破シーンもX menで撮影されたことがあるが、放牧されている馬も羊同様のんびりしている。


こんな村まで行く道は絶景である。景色と道路のバランスで言うと国内にある道No1ではないだろうか。距離といい、適度なアップダウンと言い、コーナーの感じといい、ストレートといい、道フェチなちょい乗りライダーにとっては嬉しい限りだ。

この国に移り住んだ十数年前にはまだ舗装されていなかったが、今では舗装路がずっと続いている。時折、工事でボコボコであるのだが。

この国のアスファルト道路の出来は残念ながらお世辞にも良いとは言えない。日本の約2/3の大きさの全土をたったの4百万人の国民で支えているのだからしょうがないと言えばしょうがない。壊れたらそこを直す、というのがしょっちゅうで、つぎはぎだらけな道もある。長いめで見てもランクが上の製造過程にするにはコスト的に見合わないらしい。

という訳で、しょっちゅうぼこっと開いている穴には気をつけて走らねばならない。



この写真のBennets Bluff(ベネッツ・ブラフ)という所は見晴らしがきく所で、ほぼ殆んどのハイカーや営業車はここで止まり、写真を撮っている。かくいう私もおそらくここが一番多くシャッターを押す機会があった所ではないかと思う。

ここまで来るとこれから行く先の天気が見える。天気が悪い時などはここまで来て引き返す事があるが、今日は全く問題ない。湖は静かに波打ちきらきらと傾きかけの太陽を反射させている。


この見晴し台から先はまるでジェットコースターに乗っているような感覚になる道がしばらく続く。一番おいしい所だ。ギューンと下り、右左に曲がったかと思うとグイーンと上がり、またすぐにコーナーに入っていく。上下運動のGを楽しめる。

ハーレーが尻尾を振りながら吠えている感じを楽しむ。
一人で走る時は尚更それを強く感じる。


村に着いたらカフェで一息入れて帰路につく。同じ道でも退屈しない。

バックミラーに写る景色を見るのが好きだ。特に見るのは帰り道。
なぜかリアルな景色と違って見える気がするのはなぜだろうか。









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