2014年7月20日日曜日

温泉に行こう。その1

2011年2月のこと。
あの恐ろしい地震が来る前の平和だったときの話である。

Kuzzyさんと温泉に行こうと。やっぱりバイク旅には温泉が合う。クライストチャーチから北上したところにHanmer Springs(ハンマー・スプリングス)と言う温泉が出る町があり、国内でも保養地として家族連れ、会社の旅行会とかに喜ばれて訪れられているところだ。殆んどの国民はこちらに行くが、更に奥にはMaruia Springs(マルイア・スプリングス)という日本人経営の温泉宿がある。今回はそこが目当てだ。過去に何度か足を運んだ事があるところだ。 

ついでにKuzzyさんのXL883Lは初回点検という事もあって、買ったChristchurch(クライストチャーチ)の店まで持っていくのが目的の一つである。ついでにピリオンステップとバックレストを追加してしまおうという魂胆だ。3泊くらいの予定で出た二人だった。

まずはLindis Pass(リンディス・パス)という峠だ。Queenstownを出てから東に1時間半の道のりだ。主要な国道であり、我らの町に毎日生活物資が運ばれてるのはこの道があるからだ。だから割と交通量も少なくなく感じる。しかし、この道、冬の期間は大雪の為に閉鎖になってしまう事があり、そのせいで数日間物資が不足する事もある。

しかし、夏は関係ない。存分に気持ち良く走れるところだ。殆どのコーナーは高速コーナーであるし、高低差もぐーっと登って、ガーッと下がる感じだ。初夏には峠の始まる前後の道端はルーピンズ(ルピナス)というパープルやピンクやら鮮やかな花が咲き乱れ、まるで花でできたガードレールの道のようである。いずれにしても我らおじさん達に似合う花ではないが。

そんな峠を過ぎると今度はずーーーーっと続くほぼ直線だ。微妙に曲がるところがいくつかあるのだが、感覚的にはまっすぐだ。しかも両側には荒野だ。ずっとずっと何も無いように感じるのはその荒野がもたらす虚無感のせいだろう。バイクを停めようと場所を選ぶがどこがいいのかわからない。




ストレートを意味も無く何度か往復してみたりする。うん、気持ちがいい。

このストレートが終わるとOmarama(オマラマ)という町に着く。Queenstownからはちょうど200km 2時間の距離だ。お茶タイムとする。ここはお気に入りのカフェレストランで、味もいいし店員の感じもいい。緑の芝生がいつも眩しくて木で作られた内装はとても落ち着く。2時間という距離感もいいので、つい休んでしまう。


また走り出すと今度はMt Cookが目の前に見えて来る。あまりにもよく見えているので折角だからとKuzzyさんにUターンしてもらって撮ってさし上げた。

Mt Cookが湖の向こうにそびえる様子が見られる見晴らしがある。Lake Pukaki(レイク・プカキ)というのだが、実はダムでせき止められた人工湖である。この水の色は何とも言えなく美しい。日によって違うのだが、ミルキーな青だったりグリーンだったり、グレーだったり。氷河が削った山の鉱物が流れ込み、それがその水の色の原因になっているらしい。


珍しく、そのダムが放流をしていた。初めて見た。

その後、Fairlie(フェアリー)という小さな町にあるHarley屋さんに寄ってみた。なんでこんな僻地なところなのかわからないが、すごい数のピカピカのバイクがところ狭しと並んでいた。変わり者風のアメリカ人のおじさんメカニックが経営をしていた。顧客もたくさんいて、遥かあちこちの町から来てくれると言っていた。すごい。さすが本場仕込みというところの強さだろうか。アメリカンをしゃべる感じはすごく納得がいく。 

その後ちゃらっと走った我らはクライストチャーチに無事に着き、大好きな人気韓国焼肉店に直行して膝を突き合わせ一日の疲れをねぎらい合った。残念、ここには温泉は無いのである。

つづく。

*本日のルートはこちら。


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