2014年7月22日火曜日

温泉へ行こう。その2

先日の続きである。 その晩、我々はそれぞれの知り合いの家にお世話になり、長らく会っていないそれぞれの友達と親交を深めたのだった。 KuzzyさんはXL883Lを朝一にバイク屋へあずけて、初回点検と一緒にピリオン車に改造を施す事に。

私は泊めてもらった友人のなつかしいインテグラで5分で着くカフェに連れて行ってもらった。海の見えるすてきな建物は実は市民図書館だ。その下にあるガラス張りのカフェで、ここで休日の朝にコーヒーとパンケーキを海を眺めながら食べるのが彼のお気に入りだそうだ。私もこれには賛成した。

 この橋があるところだ。New Brighton(ニュー・ブライトン)という。

泊めてもらった彼のピカピカだったほぼ新築の家はおしゃれな新興住宅地にあって、電線などは地下に埋められていた為、電柱は無く、家と家の間も割と広めな感じで、ゆったりとしたいいところであったが、残念ながら、この3週間後にクライストチャーチ大地震で敢えなく強制退去させられる羽目になってしまった。

今もこの近辺の地域で住んでいる人達はたびたび水害やらなにやら大変な目に遭わされている事を考えると、彼の家・土地を国に買い上げてもらえた事は不幸中の幸いと言えるだろう。

地震は人々の人生を変えるとつくづく思わされた。

Kuzzyさんがそのカフェに面白いものでやってきた。883L改造中に足が無いと店に言うと、代替えを差し出してくれたという。これ、かっこいい。FortyEightだ。思わず、改造なんかやめて、こっちに買い替えちゃいなよと、Kuzzyさんに薦めた。 

それから気になっていろいろと見てみると、当時は日本のハーレーの価格とこちらでの価格と比較してみると断然こっちの方が安いのが面白かった。この国では滅多に無い現象なのだ。物価はコンピューターにしろ、車にしろ、殆んどの場合10-20%くらいは高いのが常だった。

でも、今は$NZが上がってきてしまったし、ハーレー自体の価格改訂も入ってしまったようでこちらの方が高い。また為替のいたずらを待つといい事があるかもしれない。

とにかく、記念撮影をしたり、2杯目のコーヒーをすすったりして時間を過ごした。昼前に店で待ち合わせをして行ってみるとまだ出来上がっていなくて、Kuzzyさんは買い物中。バックレストに付けられるバッグを買った。これからこれに自分のグッズを入れて旅ができる訳だ。私のサドルバックの片方を貸していたので、私のはいくらか軽くなった。
我らは結構仲良しである。

その後も仲良く町外れの中華料理屋でたらふく安い飲茶を食らい、超満足してからやっと出発だ。そういえば、地震の後、この中華屋も無くなってしまったようだ。残念だ。 

これから約200kmの道程は、まず北に向かう。そういえば、町の中にあった信号もすぐに無くなる。一般国道も制限速度は100km/hだけど、ちゃんとしたコンクリートのフェンスに囲まれる複車線のハイウェイもあるようなところもあり、たしかに交通量が多い。しかしそこも100km/hだ。
その後、牧羊地帯が両脇に開き始め、緩やかなワインディングを行く。周りが開けていて空が広い。上を向いて走れそうだ。

Culverden(カルヴァーデン)という町を通る、国内最長直線道路(13.7km)がある。この直線は確かにまっすぐだが、時折上下に大きく動く。平坦であるというのは勝手な想像である。いかにもNZらしく笑わせる。 

交差点を過ぎるとやや西向きに走り、ゆったり流れる雄大な川を右手眼下に望みながら走る。広いフラットな地形を過ぎると急に森の中を行く。ずっとずっと奥に入っていく感じは秘境っぽくって良い。いよいよ近いぞと感情が高まって来る。


目的地のMaruia Springs(マルイア・スプリングス)に着くなりすぐに、湯にどっぷりと浸かり、温泉独特の匂いに日本の懐かしさを感じ、夢見る程に気持ち良いマッサージをたっぷりと受け、ビールで乾杯、日本の鍋料理を二人でつついた夜は、我ら二人に「また来ようね」と強く決心させるのであった。

つづく。

*本日のルートはこちら


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