2014年11月23日日曜日

バイクの英雄がいる。

Burt Munro (バート・マンロー)はバイクでの最速スピードを生涯追っかけたNZを代表する男であるわけだが、彼の人生は映画化もされている。実は私ものその映画で彼の事を知ったわけだが、実にユニークな男だったらしい。

ぜひ興味のある方には見ていただきたい。The World's Fastest Indian
バイク好きにはたまらないシーンがたくさん出てくる。

その彼を偲んでバイクの祭りが彼の地元の土地近辺で開かれるのだ。その名もBurt Munro Challenge (バート・マンロー・チャレンジ)という。実施は大体11月の下旬、だから今週末のことである。

これが数日間のお祭りで、日替わりでサーキットレース、ビーチレース、ヒルクライム、スーパークロス、はたまた超田舎の村中の道を閉鎖してやってしまうシティレースまであったりするのだ。映画でも出てくるのだが、そのビーチはバートが実際にマシンを持ち出して試走していたところらしいので、その所以もあって開かれるのは面白いと思う。もっともレースはオフロード車しか走ってないようだが。

レース出場者はもちろん出場料を払うけども、それを見世物にして観客もそれぞれ入場料を払うので、そのようにして毎年開催している。出場するには草レースなのでそんなに高くはない出場料だが、草レースを見るにしては$15と高い入場料だ。割引のウィークパスまである。でもKiwiは二輪好きがこんなにいるのかというくらい集まるのだ。

そういうわけで、毎年この週になると道を行く二輪の数がぐっと増える。私の家はそちらの方面に向かう国道沿いなので、ドコドコと普段よりずっと多い数の黒い集団のエキゾーストが途切れなくいつまでも聞こえたりするのだ。それだけでもウキウキしてしまう。

私もそれに混ざって行ったのは2011年のことだった。その時もKuzzyさんと一緒だ。Wyndham(ウィンダム)というなんとも言えない小さい村があるのだが、そこの村を閉鎖してのシティレースを見に行った。村なのでヴィレッジレースという方が合っているのか。こんな事で人が集められるのだから、いい村おこしである。とはいえ、村中の道路は閉鎖され、町民はほとんどの店も閉めて一緒に観覧しているのではないだろうか。

行ったことのない村で、メインの国道からは逸れていて、その村に行く用事がない限り行かないようなところだ。うちからは2時間くらいかかった。着くまでは不安になる程こんな先に果たして村などあるのかと思ったが。

やっと着くと交通整理のおじさんに棒を振られてこっちへ行くようにと指示されるがまま行ってみると、どうやらコースの横の道を入っている。前方を見ると早速マシンが炎上しているのが見えた。字のごとくの炎上である!隣に積んである藁のフェンスにもいくらか燃え移っていたのじゃないかと思った。いきなりで二人とも超びっくりした。

普段は道路なのだろうが閉鎖しているので駐車場になっている。バイクがずらりと並んでいる。嬉しくなって思わずカメラを向けてしまう。こんなにもハーレー好きが多いのだ、この国。

会場に入るとちゃんと席も用意されている。藁やプラスチックのフェンスが積み上げられ、コースが完成している。こんな手作業的なところがとてもいい。

ベンチに陣取った我々はようやく始まったレースを高台から堪能した。普段はどこかのFMでDJをしているおじさんがマイク片手にとても張り切っていた。毎年このレース会場でもDJをしているらしい。実況中継もなかなかいい。

出場者達はとても古いマシンを改造して走ったり、昔のレーサーを手直しして乗るのがこっち流なのだろう、もしくはこの村レースに限ってのことなのかもしれないが、最新のレーサーレプリカなどはほとんど見当たらなかった。なので一人XR1200Rがいたのがとても印象深かった。

レース後、会場近辺を歩いてみるとレーサーたちのテントがあちこちある中、ひとつ、なんと本物のバートが作ったというマシンを展示していた。ひょっとしたら親族なのだろうか。だとしたら、これは家宝なのだろうなと思ったりした。


帰り道、ちょっとだけ回り道をして帰ってきた。緑の芝生が眩しい中を抜けてくるのはとても気持ちが良かったが、こんなオブジェがなぜかこんなことになっている田舎の事情はよく分からない。

これは先住民マオリたちに食べられて絶滅してしまったという怪鳥モアの像だ。割と頻繁に着替えるので有名であるらしい。

今週末は私は仕事で残念ながら行けないのだが、時間と興味のある方はまだチャンスがあるので是非、行ってもらいたい。
バート・マンロー・チャレンジについての詳しくはこちらで。

※本日のルートはこちら






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