2014年11月10日月曜日

彼女との会話。

今日も天気がいい。
太陽と青空が「お外に出ておいで」と呼んでいる。
よし、行こう。行くべきだ。


ランチを家で済ませてから妻を乗せて南へ走ることにした。
彼女はいつも後ろに乗っていて楽しいのか楽しくないのか、今までは会話ができなかったのでわからなかったが、今日から共感できるのだ。

日本で仕入れてきたSenaのインターコムを彼女のジェットヘルに組み込んだ。あっという間の簡単さで会話ができるなんて、時代の進歩だ。

3日連続で走るなんて、ロングツーリング行って以来じゃないだろうか。とは言っても昨日も今日もチョイ乗りだが。

彼女が後ろに乗ってこうして出かけるのは今まで何度あっただろうか。彼女は実はそんなに後ろに乗るのが好きじゃないという。シートは薄っぺらで痛いし、道の凹凸を拾うたんびにガツガツと突き上げを食らうとフロントに乗っている自分だって痛いと思うほどのサスペンションである。確かにタンデムには向いていない。かろうじて、バックレストが付いているのが2人乗れるよ、と主張している感じだ。

エンジン始動すると同時にヘルメット内で会話が始まる。私のはゴージャスなSenaのSHM10で彼女のは試しで買ってみたSHM3だ。基本的にできることのほとんどはSHM10と同じだが、おそらくほとんど彼女が操作することは考えてないで買ったものなのでOKのはずだ。
とりあえず感度良好である。

走り出す。すぐに橋を渡って川に沿って走る。この川ではいつも黄色いジェットボートがたくさんの客を乗せて絶叫させている。期せずして道路で並走することもあるとおもしろい。このKawarau River(カワラウリバー)は唯一、湖から流れ出る川であるので水量がすごい。人々はこの川下で釣りをし、ラフティングに乗り、カヤックに乗り、リバーサーフィンをやり、そしてバンジージャンプで飛び込んでいる。

川から離れるとすぐに直角くらいに道が曲がるところがある。左に曲がって直線、そして今度は右に直角だ。手前のは60km/hで次のは80km/hくらいで曲がれるのだがちょっと緊張する。しかも今日はコーナーの一番深いところになぜか牛のう◯ちがばら撒かれていた。これは危険危険。スリップしたらひとたまりもない。とんでもない迷惑だ。

こちらの国の「バイクを安全に乗ろう協会」みたいなのがあって、そのウェブサイトには「道路上のう◯ち情報」がアップデートされている。どこまで細かくやっているのか私もよく見ていないのだが、確かに必要かもと思った。

こちらの農家は家畜を道路を使って移動させているので、そのときにぼろぼろどちゃどちゃと落ちるのだ。とっても危険で迷惑である。あれはどうにか規制をしてほしいものだ。土地はたくさんあるのだから。

あれを踏むとなかなか落ちないのだ。車のフェンダー裏など、日が経つとさらに最悪で、本当に真剣にこすらないと落ちないので、あきらめることも多い。バイクでは絶対に踏みたくないものだ。

道はしばらくまっすぐになり、ポプラが綺麗に並ぶ美しい系のファームが続くのだ。道行く人々も車を止めてしばし撮影したりしている人が絶えない。ここは確かに絶景かなである。ごつごつとした黒い岩山と緑の芝が眩しく対照的である。秋は黄色が映えてとても良い。いつまでもこの景色のままであってほしいが、住宅地になるという噂もある。それはとても悲しいことである。

紺碧の湖を右手に見ながら小刻みなワインディングが続くのがこの南側の湖畔道路の特徴だ。Glenorchy(グレノーキー)のある北側はどちらかというと直線的で緩やか。最近は北側の湖の色はスリップのせいでちょっと緑がかっている。そして湖のほぼ中心から流れ出るのが前出のカワラウリバーだ。このLake Wakatipu(レイク・ワカティプ)は国内3番目の大きさを誇る湖である。湖沿いに端から端まで走ると90km以上もある楽しい道だ。町の中も抜けなくてはならないが、それはそれでそれも楽しい。

この小刻みなワインディングもある道は物資を運ぶメイン道路のため交通量は非常に多いのに道の手入れがあまり良くなく、時たま小さくもない凹凸が多いところがあるので気をつけなければならない。

それさえ気をつければ快適な道である。エンジンの開け閉めにブレーキにギアチェンジ、操っている感がすごく楽しめる道路である。もちろん景色もすごい。すぐ横には2000m級の山がそびえている。透き通る青い水の対岸にもまた真っ黒い山だ。

この様に私は快適だが、後ろの彼女はどうであろうか。私は走りながらその感動を伝えているのだが、さっきから「えっ?」「え?何?よく聞こえない。」と繰り返している。とても残念だ。

やはり安もんのジェットヘルでは巻き込む風ともともとの風切り音が相当にうるさいのだろう。スピーカーの音量マックスでも聞こえずらいみたいだ。先輩のShoeiのフルフェイスのヘルメットではこんな不便はなかったので、おそらくヘルメットのせいだ。
おかしいのは自分のエギゾーストの音がよく聞こえる。彼女のマイクが良く拾うのだ。
改良を加えなくては。

村に一軒しかないカフェに行くと結構人が入っててびっくり。ランチタイム終わりくらいだったので、きっとこの混みようがマックスだろうけど。
帰ろうと出口に行くと、もう一人、Yamahaに乗るおじさんライダーがいて日本人である私が言葉を話すのかどうか一瞬躊躇したみたいだが、「天気いいね」というと話しかけてきた。私のヘルメットに付いたSHM10が気になるらしく一通り説明をした。「これなしではもうバイクに乗れない」と。すると「私もすぐに買うぞ」と意気込んでた。

帰路の30分も彼女は「え?、何?」とずっと繰り返してた。



※本日のルートはこちら


2 件のコメント:

  1. うーむ、彼女とオートバイをテーマにした文章か・・・。

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    1. 今回はそうなりました。か?

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