2014年11月2日日曜日

番外編4:見えた!日本一の山!

−先日の続き−

妻によると、私は結構いびきをかく方であるらしいので、(特に飲んだ日は)先輩にそのことを告げてから寝た。布団はなるべく離していてもそんなものはないに等しいだろう。

きっと5分10分寝たと思ったら、すぐに覚醒してしまったのだろう。気づくと先輩がゴーゴーと寝息を立てている。やばい。

広い部屋には広縁が付いていて、私は自分の布団を引きずりそちらに避難、障子を閉めた。いくらか楽になったと思う。それからだいぶ経ってから眠りについたはずだ。

そうして迎えた朝はあまり、熟睡したという感じはなかった。朝ごはんを7時半にお願いしたこをとちょっぴり後悔した。この宿は二つある温泉が男女で日替わりになるので、なんとか起きて昨日と違う湯に浸かる。こちらは断然もう一つの方より小さいが、朝日が木々の間から差し込んで、湯気が逆光に移り、湯は気持ちよく、とっても清々しく迎えられた朝になった。

湯から上がると、用意された食卓は朝からボリュームたっぷりだった。アジの開きに日本滞在2週目でようやくありつけた。こういう庶民的なものに飢えているのだ。

宿を出るときは私たちを送ろうとフロントの方や女中さんが玄関前まで出てきてくれて、見守ってくれているのだが、暖機運転のためしばし待たせてしまっている感が辛い。ちょうど、横で他のお客さんが車で去ると、フロントのお兄さんはずっと黄色いハンカチをフリフリしている。次は我々の去る番だ。ドキドキする。

昨日なんでこの道から入ってこれなかったのだろうという、ホテル正面からまっすぐの道を行くのだが、これが辛い、バックミラーで確認したが、我らがぶつかった道を左折する間でずっと手を振り続けてくれていた。なんとも、である。日本のおもてなし、なのか。

大変お世話になりました。牧水荘土肥館さん。また機会があれば、ぜひ。


飛び出ると、すぐに迷子になる。普通は前の晩とかにちゃんと地図をある程度頭に入れておくべきなのだが、そんな事、全く考えつかなかった。反省なき男たちなのだ。
スパッと見つけたセブンイレブンの駐車場に入る。もう慣れたもんだ。


気がつけば、今日は昨日より天気が良さそうだ。
地図をざっと見て、海に沿って行けば予定通りだ、ということにしてとりあえず石廊崎を通って下田を目指すことにした。今日は出発が早いし、時間的にはすごく余裕がある。

今回のツーリングを機にヘルメットも新調したのであった。こちらから持って行くのも面倒だったというのもあるし、5年も使っていながらにして気に入らなかったものだからだ。一応 Harley 純正であるのだが、韓国製のOEMらしい。だから今回は大枚叩いてShoeiのZ-7だ。軽さを謳う商品だけあって、すこぶる調子がいい。同時にミラー加工のかっこいいシールドも買おうかどうしようか迷ったのだが、とりあえず、試してからとその時は見送ったのだ。(結局、のちに購入することになったのだが。)

相変わらず、くっちゃべりながら走る海岸線は楽しかった。しかしトンネルが多いなあ。伊豆はしょうがないけども、河口湖畔を通ったときに全く必要そうもないトンネルができかかっていたのが興味深い。すぐ脇を通れるのに。きっと大人の都合とか、あるのだろうか。

前の週にこの道は通ったと確信があった。恋人岬のあたりだ。緩やかな左コーナーを曲がりながら右手後方の海の方を見るとそこには富士山がそびえていた!やったー、やっと見えた!とガッツポーズ。前回は見えなかったのだ。昨日も見えなかったし。



さらに進むと富士山が見えない方向になってしまうのだが、またその先で見えるところがいくつかあって、その度にバイクを止めて見入るのだった。

すると、地元のおじさんもガードレールに腰を下ろし、ポットからお茶らしきものを注いでホッとしていた。仕事帰りなのか、行く途中なのか、一体どういう時間なのかわからないが、我々と同じ時間くらい眺めていた。富士山は偉大だ。



この街道沿いは彫刻の美術館のごとく、所々、たくさんの彫刻が並んでいた。これは必要なのだろうか、と先輩と議論する。結果、やっぱり効果的ではないと決定づけた。なぜ、こう脈絡のない形のものを選ぶのだろうか。伊豆と全く関係ないではないか。全く個人的意見であるが。

絶景をバックに自分のバイク2台を並べてみるなんて光景は先輩一人じゃできないだろうし、本当に良いことをしたと思う。

 アイスの模型も後ろの木のように曲がっててほしかった。

石廊崎を目指していた気がしたが、いつの間にか通り過ぎていた。あとで地図を見ると本背からそれないといけないところだったと気づく。すると、もう下田だった。ちょうど昼時と言えばそうだ。ではここでランチにしようと町の中を走る。町の作りはちっちゃくって面白い。でも歩くスピードじゃないと見つけられそうもなかった。なんども一方通行を走り、ぐるぐると2,3回町中を回ると、もういいや的な感じになり、町を出てしまった。

それからまた海沿いに進み、白浜海岸を通り抜け、河津で135号線を離れ、天城峠を目指したが、空腹をおぼえ、いいタイミングでいい雰囲気の蕎麦屋が止まった信号にあったので入ることに。これがうまかった。今回の帰省で一番うまかった。しかも大盛りを頼むと悲鳴をあげるくらいすごい大盛りで現れた。これは嬉しかった。

超満腹でとった行動は、今度こそ日没までに帰りつこうと最短時間を行こうということで、蕎麦屋にあったよくできた観光マップとGoogle Mapが示す最短時間と見てみて、伊豆スカイラインを通って小田原厚木道路を使おうということにした。

さすがに伊豆スカイラインは気持ちよかった。北上すればするほど綺麗な景色になっていった。やはり走ることを楽しみに来る人が多いのだなあと認識できるほど顕著なクルマやバイクが多かった。

この道路から見える富士山は本当に偉大だった。こちらもそれなりの高台なので、見え方がとても美しく、しかもすごく高く見える。眼下には平らな土地と駿河湾が広がっている。今一、クリアーな空ではなかったが十分に楽しめた。

ターンパイクの長い下りを走行中、ブスブスとWはガス欠になり、リザーブタンクへ切り替える。小田原でガソリンを入れてみるとまだリザーブを使うほど減っていない。どうやら下りで下を向いているその傾きのせいでリザーブを使うことになったのではと先輩は分析した。それにしても、私の走り方だと随分と燃費が悪いらしい。そりゃ失礼。

その後は無事、迷うこともなく高速を乗り継ぎ無事に帰路に着いた。
夕方、曇りがちな空は素晴らしく美しいピンクとオレンジに染まり、私たち二人の背中を照らしたのだった。




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