2015年3月4日水曜日

ビーチに行くならこのカッコ

2015年2月。ツーリング3日目。

Motueka (モトゥエカ)、南島の北端は常夏だ。ここの気候は本当に素晴らしい。私が住むQueenstownとは全然違う。湿気は明らかにあるがまるで太陽の近さまでが違う気がする。
いつかリタイアするならこの温暖な気候のこの辺りに住みたいという人たちは私の周りに多い。植物が冬に元気に咲いていそうだ。人間だって、そうなるだろう。

泊めてもらった友人のうちは通常時間に通常通りに勤務先に、そして学校にそれぞれ出かけて行く。私が起きた時にはもう彼は出かけていて、子供達は学校に行く準備をしていた。お母さんはもちろん彼らの面倒を見ながら日常仕事を忙しくしている。そんな忙しい中、奥さんはわざわざ私のために朝ごはんまで用意してくれていた。誠に頭が上がらない。

そうして皆が出かけていくと私に鍵を残した。留守番しているのはそこのうちの大きな犬と猫と、鶏数羽だ。ワンちゃんは見知らぬ客人に尻尾を振ってくれている姿を窓から眺めた。

ま、一人、知人のうちの中で別にやることもないので、ビーチサンダルを引っ掛け散歩に出た。車で通るとすぐだけど、歩く以外とあるものだと感じた。

この町をこんな風に歩いて見るのは初めてだった。私にもちょうどいいサイズの町の気がする。Queenstownみたいな華やかさはかけらもないが、なんとなく嬉しくなるのだ。それは明るく陽気な色があちこちにありふれているからだろう。眩しい太陽と、実にマッチしている。


上空を見上げるとスカイダイバーが5人落ちてきていた。悲鳴は聞こえなかったが。この町でもスカイダイビングは流行のアクティビティーなのだろう。

いささか歩き疲れて、ビーチサンダルずれができそうになったので海側まで出るのはやめて家に戻る。
直ちにいつもの革ジャン革パンツを着込み、このあっつい中出かけて行った。Gパンとシャツとかも持って来れば良かったが短パンしかないのでしょうがない。

行き先は更に北へ。まずはいつも来ると必ずと言って訪れるところ、Kaiteriteri Beach (カイテリテリ・ビーチ) だ。黄金色の砂と青い海がおりなすコントラストが超売りのGolden Bay (ゴールデン・ベイ) の代表格だ。今年元旦には車で通ったのだが、それはものすごいことにすっちゃかめっちゃかになっていた。キャンプ場が幅7mほどの道路を隔てた目の前にこの美しいビーチがあるのだからしょうがない。ビーチとしてははっきり言って狭いほうだが、そんなところに人々は群がる。

この砂の上をずるずると黒いブーツで歩く全身黒まみれの革を着た男は私の他に誰もいないビーチだった。こんな暑い中、5分が限界だった。やや、ウルトラマンの気分だ。
あんなビニールみたいな服を着て、怪獣と3分間戦うのと同じかそれくらい暑かったはずだ。


停めていたハーレーに近寄るのもこれまた熱いこと。跨ると逆に革パンが熱を遮ってくれていて実は熱く感じるのが少ないのかもしれないが、とか、もう考える能力が限界だった。走り出すと、まあ、そうでもなくなるのがせめてもの救い。


で、これだ。洒落のつもり?


この先はまた隣のビーチ、Marahau (マラハウ) に続く道なのだが、NZは本当にユニークだと思う。この道幅が最大で、狭いところはおそらくこの2/3ぐらい、この荒れているアスファルトで、しかも住居の出入りがいくつかあるところで、制限速度、80km/hである。ほとんどの車はセンターラインをどこかしら踏んで走っているだろう、この道を80キロである!

一体、この国の道路事情はどうなっているのだろうか。とても行政がちゃんと仕事しているとは思えない。いかれちゃってる。

でも、驚くなかれ、いつだったか数年前に来た時は確か100km/hの看板だった。
そうか、ちゃんと仕事しているのか。でもどういう経緯で100km/hから80km/hになったのかとても気になる。恐るべしカイテリテリ。

制限速度を全く越えることなく、無事にその超狭通りを通り抜け、一旦小さな森を抜けて、それからTakaka Hill (タカカ・ヒル)を越えていく。なんでも何百もコーナーが続いているらしい。ぐんぐん登ってがんがん降りるのだ。

地元の車はみんな慣れているのだろう、ちゃんと速い。交通量の多い真夏のホリデー真っ最中じゃあこうはいかない。速いながらも、やっぱりバイクの加速だと追いついてしまうので、道を譲られるのだが、きつい登りのタイト気味なコーナーで「ほら、抜いてよ、今」みたいに急にパッと避けられると「あらっ」、とタイミングを崩してイン側に切れ込ませるのに時間がかかったりして、避けてもらったのに更にスピードを落とさせてしまったりして申し訳なかったです。女性ドライバーも速い速い。こうキビキビ走ってもらえるとカッコいー、とか思ってしまう。

峠を越えた北側は眼下がすごい景観だ。走っていてもコーナーごとに素晴らしい景色に見とれてしまいそうだ。

Takaka (タカカ) はお気に入りの町だ。Motuekaを更にあっけらかんとさせた感じだ。

NZにもあるダジャレ商品。 ジンジャーベアー(ビアー)。アルコールは入っていない。



どこでもだいたいハンバーガーを頬張る。自分の中のバリエーションの無さが寂しい。
腹を満たすとさらに奥に走りに行く。


Te Waikoropupu Springs (通称:ププ・スプリング)と呼ばれる南半球で湧き水量と冷たさNo1の座を、そして63mもの透明度を持つ南極にしかない水に匹敵すると言われているらしい。今では遊歩道もきれいにできていて、見晴台も立派だった。遊泳禁止どころか、水に接触禁止の看板まで立っていた。お触り禁止なのである。初めて来た19年前には確かタンクを背負って足ヒレつけて泳いでいる人がいたが。人が多くなるとルールも変わる。いいのか悪いのか。


方向を変えてビーチに行く。Pohara (ポハラ)だ。
いつも綺麗なビーチで癒される。去年は季節外れに家族でキャンプに来たところだ。オンシーズンに来ると足の踏み場もないくらい、そこらじゅうテントで、音楽がガンガンなのだ。
干潮時だったのか、波打ち際は遠かったので、見るだけにした。




とってもやる気のある道路。長身の方々は注意?

Tata Beach (タタ・ビーチ)に着くと、これまたプライベート感が半端ない。まだシーズンといえばシーズン。ビキニのお姉さんもそこそこ少なくないくらいいる。もちろん、おばあちゃんもビキニでいる。家族づれは少ないようだ。

そんな風景を砂浜を歩きながらしばらく見ていたのだが、やはり上下黒ずくめの私は浮いている。

このまま飛び込みたい衝動にかられるが、海パンがない。この旅に持って来てはいるものの、今、ここにない。すごい落ち度だ。

しょうがなく、ビーチを後にして帰ることにする。
しばらく上着を脱いでTシャツ姿で走ると、なんと気持ちのいいことでしょう。
これぞ、快感。
なんで早く気がつかなかったのだろうか。

4日目につづく。



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