2015年4月下旬。
こちらは秋である。
広葉樹が多いこの辺りは紅葉でも有名だ。Arrowtownがその密集度と町の建物の雰囲気とのコラボで一番有名ではあるが、紅葉は近郊50kmくらいに広がっていてQueenstownやCromwellでもあちこちに美しい紅葉が見られる。
最近特に冷え込んでいた日々が続いて、2週間前には雪まで降る始末、秋を通り越して一気に冬になってしまったかと思われていたが、久々に陽気が差して風もない。行くしかない!
早速Kuzzyさんを誘うと2つ返事で乗ってきた。ランチを終えてから集合する。
出かける30分ほど前、我が家のリビングから見えるこれから出かける湖の方を見ると物凄く深い霧が湖の上空50mくらいを覆っている。その上は快晴でなんともいい景色なのにだ。
その霧のスピードはとても速く、みるみるとこちらの方角へ迫ってくる。これでは出かけられないのではないかと思うほどだったが、気温が上がる方が早かったのか、近ずくに連れてどんどん消えていった。
その話をインターコムでKuzzyさんにしながら進んでいった。
さすがに4月の下旬ともなれば気温は下がるが、町のホテルの看板についている温度計は11度を指していた。直射日光が当たっていればめちゃくちゃ暑いが、バイクに乗るとそういうわけではない。袖口から入ってくるのはやっぱり冷たい風だ。
Wakatipu (ワカティプ)湖はQueenstownの町を通り過ぎてしばらく行くと直角に曲がっているのだが、そこに着いたらいつもの風景が違った。左手に見える湖の上には先ほど見た深い霧が覆っていて、湖面が全く見えない。こちらの方角はまだ空気が冷たいのだろう。
早速滅多に行かない駐車場を見つけてハーレーを停めた。
二人とも呆気にとられ、しばらく感動の声をあげて見ていたが、ここは視界が狭くてよく見えるところではないので、もっとさきに行ってみようと再度エンジン始動して走り始めると霧はだんだん上昇してきた。我々のいた場所はこのGlenorchyに続く道では割と高い位置になるがどんどんこちらに向かってくる。我らは雲の中に突入した。
ヘルメットのシールドが湿り始め、空気が一段とひんやりしたが、ほんの一瞬であった。我らは雲を突き抜けて行ったのだった。左手眼下には雲が見えるが湖は見えないという不思議な景色だった。まるで飛行機から見ている風景だ。
所々、雲が異様に青い。湖の色が雲の薄いところを突き抜けてくるのか、雲の形が都合よく反射させているのだろうか、とか、気象博士になった二人は興奮していた。
そしていつも止まる展望台、Bennets Bluff(ベネッツ・ブラフ)に着くと真っ白な風景で何も見えないほどだった。雲は眼下を覆うだけでなく我々の視界を襲うように下から吹き上がってきた。
それでもしばらくぼーっとそこにいると風が吹いてどんどん霧が飛んでいくのがわかった。西の方からだんだんとあったかい空気が押している。その境が上から見ていて非常に面白かった。その風景を楽しむようにベルバードが目の前の木に止まり美しい声でさえずっている。私は興奮してシャッターを押した。
とてもいいものが見られたと、二人は満喫してまたハーレーにまたがった。Kuzzyさんもこのような現象を見たのは初めてだと言っていた。もちろん私も初めてである。
霧が去った後の湖は非常に静かで湖面が鏡になっているようだった。ずっと左に顔を向けてGlenorchyまで走った気がする。美しいものを見ることには飽きないということが分かった。
「美しい日」はたとえ大都会でもどこにいてもそう感じることがあるが、その時に美しい景色にいるとその美しさは相乗効果をもたらしてさらに美しいものになる。美しいものをもつものの特権と言えるのではないだろうか。美しいものを美しい環境で見るということは素晴らしい体験になるということだ。
いつものカフェに腰を下ろすとランチタイムの後のロングウィークエンド前のウィークデーのせいもあってか、客は私達だけであった。いつもは空いてる席を探すのだが、今回はどこに座ろうかとたくさんあるテーブルで迷う我々だった。
陽気はいよいよ非常によく、サンスクリーンが必要なんじゃないかと思うくらい顔の表面がじりじりした感じがするほどだった。
しかしながらシーズンは後一ヶ月。これから一気に冷え込んで行くのだなあと思うと悲しいものがある。
Glenorchyも木々は黄色くなっていた。
もうしばらくあったかい晴れが続いてくれればもっと走れるのに。
2015年4月26日日曜日
2015年4月6日月曜日
バイクの整列方法。
2015年4月。
もうあと一息で今シーズンが終わってしまう。ほんのり木々が黄色くなり始めている。日本とは正反対の季節である。秋だ。
ここのところ、しばらく一緒に走っていなかったKuzzyさんからお誘いが来た。昨日ほのめかしておいたからだ。あと30分後だ。ランチをまだ食べていない。昨晩にサマータイムが終わり深夜に1時間伸びたのでどうも時間がしっくりこない。おまけに昨晩は月蝕だったので真っ赤な月を見た。
一つだけ残っていたラ王の塩味を見つけ、子供たちが周りで騒いでいるのをそのままに速攻で作ってあっついラーメンを掻き込んだ。貴重なラ王をこんな扱いにしていいものかと自問自答しながらスープを1割ほど飲んだ時、Kuzzyさんはやってきた。
残ったスープを偉そうに子供たちに「飲みたいだろ、分けてあげよう」と家を出た。うーん、惜しいことをした。ま、彼らはちゃんとこれからママが美味しいランチを作ってくれるだろう。
まずガソリンスタンドに行こうとそちらへ向かうとちょうど1台のハーレーが出てきた。
今はイースターで巷は4連休。きっとバイクが多いだろう。子供たちの学校も2週間も休み、秋休みである。ハイカーも多いがパトカーも多い。ガソリンスタンドにもパトカーが止まっていた。ランチの買い物だろうか。結構私用?でパトカーは使われていることもある。パトロール中にだっておなかは減るのだ。マックに嬉しそうに入っていくお巡りさん達も見たことがある。
さて、行き先を決めていない。スタンドで南に行こうか東に行こうかと空を見て風の動きを見る。西は雲が出つつあるのでとりあえず東に向かうことにした。1時間の距離にあるTarrasという小さな小さな村に生かしたカフェがあるのだ。
さすがに車が多い。びっちり並んでいる。それでもしばらく行くとワイナリーの横にある長い直線が続き車間が開いてきて割と軽快に流れるようになった。しかしながらペースはやはりちょっと遅めだが、心地よく走れた。
ふと前方の反対車線の路側帯から出てきてUターンをした車が我らの2台前方に合流した。パトカーだった。おそらく反対車線に止まっているトラックは何かで切符を切られてしまったのだろう。今日は稼ぎどきに違いない、とか、そんな会話をKuzzyさんとしながら気をつけようねと前に進んだ。インターコムは便利で退屈しない。
するとパトカーと私たちの間にいた車がいなくなりもろにパトカーに付いていく形となり道は渓谷地帯に入った。ここの入り口には追い抜き車線があって、大概ここで前方にいる車をすっこ抜きするのだが、今日は目の前にパトカーがいるのでおとなし〜く走ることに決定。周りの車も全く追い抜きしない。ゆったりと流れるエメラルド色の川に沿って走る。今日はゆっくりめなのでよーく見える。
チラホラと黄色くなった葉っぱが多いところと、まだのところと現れているが、おそらくあと2週間でガラッと雰囲気が変わり、真っ黄色の世界になるだろう。そしてそれは3週間くらい続く。なので日本のゴールデンウィーク辺りでもまだ紅葉が見られると思う。それを見に来る観光客もまた多くなるだろう。
渓谷を抜ける直前にもう一つの追い越し車線が長くある。パトカーの前に数台車が詰まってきていてずっと90キロ弱で走っていた。ここで追い抜きしようかどうしようかとKuzzyさんと相談するのだが、乗り気でなさそうなのでここでもじっとした。ちょっとでも100キロを超えてしまうようなことがあればここは渓谷だけど警告だけでは済まされない。
そんな渓谷を抜け、果物の産地Cromwellに着くと急に空気が冷たくなった。山脈を超えたからだろう、天気が違う。まだ日は刺すが全体をぼんやりと雲が覆い始め、空気が冷たくなった。どうやら私は少々薄着で出てきてしまったようだ。夏とほぼ同じ、革ジャンの下には長短Tシャツの2枚である。さみーっと喚きながら走り続けた。
Tarrasに着くと何台か見覚えのあるバイクが停まっていた。たまに一緒に走っているクラブの連中だった。みんな走るのが好きなんだなあと実感。でもチョイ乗りで行ける範囲と道の数が限られているので会う確率が高い。
来た道はちょっと違ったがほとんど付いた時間は一緒だったので、コーヒーブレイクを一緒にして、これから一緒に走ることにした。
みんな綺麗にバイクを停めるのは得意じゃない。
XR乗りのいっかしたゲキっ速の女性がいるのだが、今回彼女はMT09に乗っていた。XRがツーリング中に壊れてしまったという。旅の途中だったので2日間はタンデムで我慢したけどそれ以上我慢できなくて買ってしまったという、すごいニュースだったが相変わらず走る速度は変わってない。いい買い物をしたのではないだろうか。
この団体の中では一番の知り合いもCB1000からCB1300に乗り換えていた。私からの見た目は何一つ変わってないように見えたのだが。彼もハッピーであった。
よく見たら、今日出がけに見たガソリンスタンドから出てきたハーレーDynaはここにいた。どうやらみんなと一緒だったのだ。我々はおそらく10分くらい遅れて来ていたということだ。
一行はWanaka方向に走り出した。総勢8台だ。ハーレー3台、BMW3台、ヤマハ1台、ホンダ1台だ。こっちの方向はますます寒い。
そんなことを思っていたらちょうど妻からの電話が鳴る。なんでもうちの方は天気も良くあったかいという。ちょっぴり後悔。
Cardronaには歴史的に有名なバーがある。ローカルの人間はここで一杯やっていくのがお気に入りなのだが、今日のこの気温では私は遠慮したい気持ちだった。ちょっと遅れて着くと今度は綺麗に並んでいたので最後尾に並ぶ。
ところがどうしたことがみんながゾロゾロと出てくるではないか。なんでも満席でサーブできないというのが理由で追い返されたらしい。私とKuzzyさんはほっとした。でもトイレへ行ってもっとホッとしたかったのが、みんな出発するというのでそのまま出発した。帰りはざっと40分というところか。
峠を走る。ガンガン登ってガンガン下るのだ。前方のグループはみんなあっという間にいなくなってしまった。みんな私より年上だと思うのだが、ガンガンと大人気なく行ってしまう。
この峠は国道で最高地点を走るものなのだ。そしてここがサミット。町の高さがだいたい330mなので700m弱も上がってくるのだ。なるほど、勾配がきついわけだ。
頂上に着いたKuzzyさんを捉えた上空には人生で今まで見たこともない雲が空一面を覆っていた。
それから我らはトイレトイレと念仏を唱えるようにして家路を急いだのだった。
もうあと一息で今シーズンが終わってしまう。ほんのり木々が黄色くなり始めている。日本とは正反対の季節である。秋だ。
ここのところ、しばらく一緒に走っていなかったKuzzyさんからお誘いが来た。昨日ほのめかしておいたからだ。あと30分後だ。ランチをまだ食べていない。昨晩にサマータイムが終わり深夜に1時間伸びたのでどうも時間がしっくりこない。おまけに昨晩は月蝕だったので真っ赤な月を見た。
一つだけ残っていたラ王の塩味を見つけ、子供たちが周りで騒いでいるのをそのままに速攻で作ってあっついラーメンを掻き込んだ。貴重なラ王をこんな扱いにしていいものかと自問自答しながらスープを1割ほど飲んだ時、Kuzzyさんはやってきた。
残ったスープを偉そうに子供たちに「飲みたいだろ、分けてあげよう」と家を出た。うーん、惜しいことをした。ま、彼らはちゃんとこれからママが美味しいランチを作ってくれるだろう。
まずガソリンスタンドに行こうとそちらへ向かうとちょうど1台のハーレーが出てきた。
今はイースターで巷は4連休。きっとバイクが多いだろう。子供たちの学校も2週間も休み、秋休みである。ハイカーも多いがパトカーも多い。ガソリンスタンドにもパトカーが止まっていた。ランチの買い物だろうか。結構私用?でパトカーは使われていることもある。パトロール中にだっておなかは減るのだ。マックに嬉しそうに入っていくお巡りさん達も見たことがある。
さて、行き先を決めていない。スタンドで南に行こうか東に行こうかと空を見て風の動きを見る。西は雲が出つつあるのでとりあえず東に向かうことにした。1時間の距離にあるTarrasという小さな小さな村に生かしたカフェがあるのだ。
さすがに車が多い。びっちり並んでいる。それでもしばらく行くとワイナリーの横にある長い直線が続き車間が開いてきて割と軽快に流れるようになった。しかしながらペースはやはりちょっと遅めだが、心地よく走れた。
ふと前方の反対車線の路側帯から出てきてUターンをした車が我らの2台前方に合流した。パトカーだった。おそらく反対車線に止まっているトラックは何かで切符を切られてしまったのだろう。今日は稼ぎどきに違いない、とか、そんな会話をKuzzyさんとしながら気をつけようねと前に進んだ。インターコムは便利で退屈しない。
するとパトカーと私たちの間にいた車がいなくなりもろにパトカーに付いていく形となり道は渓谷地帯に入った。ここの入り口には追い抜き車線があって、大概ここで前方にいる車をすっこ抜きするのだが、今日は目の前にパトカーがいるのでおとなし〜く走ることに決定。周りの車も全く追い抜きしない。ゆったりと流れるエメラルド色の川に沿って走る。今日はゆっくりめなのでよーく見える。
チラホラと黄色くなった葉っぱが多いところと、まだのところと現れているが、おそらくあと2週間でガラッと雰囲気が変わり、真っ黄色の世界になるだろう。そしてそれは3週間くらい続く。なので日本のゴールデンウィーク辺りでもまだ紅葉が見られると思う。それを見に来る観光客もまた多くなるだろう。
渓谷を抜ける直前にもう一つの追い越し車線が長くある。パトカーの前に数台車が詰まってきていてずっと90キロ弱で走っていた。ここで追い抜きしようかどうしようかとKuzzyさんと相談するのだが、乗り気でなさそうなのでここでもじっとした。ちょっとでも100キロを超えてしまうようなことがあればここは渓谷だけど警告だけでは済まされない。
そんな渓谷を抜け、果物の産地Cromwellに着くと急に空気が冷たくなった。山脈を超えたからだろう、天気が違う。まだ日は刺すが全体をぼんやりと雲が覆い始め、空気が冷たくなった。どうやら私は少々薄着で出てきてしまったようだ。夏とほぼ同じ、革ジャンの下には長短Tシャツの2枚である。さみーっと喚きながら走り続けた。
Tarrasに着くと何台か見覚えのあるバイクが停まっていた。たまに一緒に走っているクラブの連中だった。みんな走るのが好きなんだなあと実感。でもチョイ乗りで行ける範囲と道の数が限られているので会う確率が高い。
来た道はちょっと違ったがほとんど付いた時間は一緒だったので、コーヒーブレイクを一緒にして、これから一緒に走ることにした。
みんな綺麗にバイクを停めるのは得意じゃない。
XR乗りのいっかしたゲキっ速の女性がいるのだが、今回彼女はMT09に乗っていた。XRがツーリング中に壊れてしまったという。旅の途中だったので2日間はタンデムで我慢したけどそれ以上我慢できなくて買ってしまったという、すごいニュースだったが相変わらず走る速度は変わってない。いい買い物をしたのではないだろうか。
この団体の中では一番の知り合いもCB1000からCB1300に乗り換えていた。私からの見た目は何一つ変わってないように見えたのだが。彼もハッピーであった。
よく見たら、今日出がけに見たガソリンスタンドから出てきたハーレーDynaはここにいた。どうやらみんなと一緒だったのだ。我々はおそらく10分くらい遅れて来ていたということだ。
一行はWanaka方向に走り出した。総勢8台だ。ハーレー3台、BMW3台、ヤマハ1台、ホンダ1台だ。こっちの方向はますます寒い。
そんなことを思っていたらちょうど妻からの電話が鳴る。なんでもうちの方は天気も良くあったかいという。ちょっぴり後悔。
Cardronaには歴史的に有名なバーがある。ローカルの人間はここで一杯やっていくのがお気に入りなのだが、今日のこの気温では私は遠慮したい気持ちだった。ちょっと遅れて着くと今度は綺麗に並んでいたので最後尾に並ぶ。
峠を走る。ガンガン登ってガンガン下るのだ。前方のグループはみんなあっという間にいなくなってしまった。みんな私より年上だと思うのだが、ガンガンと大人気なく行ってしまう。
この峠は国道で最高地点を走るものなのだ。そしてここがサミット。町の高さがだいたい330mなので700m弱も上がってくるのだ。なるほど、勾配がきついわけだ。
頂上に着いたKuzzyさんを捉えた上空には人生で今まで見たこともない雲が空一面を覆っていた。
それから我らはトイレトイレと念仏を唱えるようにして家路を急いだのだった。
2015年3月21日土曜日
彼女はピンクが好き。
2015年3月。
ちょっと嬉しいことがあった。
私の住む町、QueenstownでH.O.G. のミーティングがあったのだ。
毎年あるらしいのだが、今年は最高の設備と最高数のメンバーが集まるだろうと見込まれている。その総数はおそらく国内から集まる2000台になると予想されているらしい。私はH.O.G.のメンバーに入っていないので情報が入ってこない。
それにしても2000台とはすごい数だ。たった400万人の人口の国で2000台とは!
2000人に1人がハーレーでやってくる計算である!本当か?
にもかかわらず私はメンバーに入っていないというのもなんだが。
ところで私の愛車XL1200Cは中古車であるが、ペイントジョブが凝っていて、だから私が引かれたというのがあったのだが、そういうわけで前のオーナーがすっごく気になった、一体どういう人なのかっていうことに。
買ったバイク屋から聞かされていたのは前のオーナーは62歳の女性だったということだった。そして彼女は更にアップグレードしたのに今は乗っているということだったのだ。
彼女のあだ名はScary Mary
直訳すればそのまま「恐怖のメアリー」だが、私が想像するに「来るなら来やがれ、めありーより」みたいな感じなのかもしれないと思った。会ってみたいようなみたくないような。
実は今週の地元新聞の表紙を飾っていたのが彼女だった。H.O.G. の集まりを楽しみにしているみたいな記事だった。Maryという名前があったがScaryとは書いておらず、代わりにMad Maryと書いてある。しかし、ピンクのHarley Davidson のトライクにまたがっている彼女の写真を見て、間違いなくこの人だと思った。興味本位で会ってみたくなった。
昼前、町の会場を目指してエンジンをかけた。天気はこれ以上はないというような素晴らしい青空が広がっている。バイク乗りには最高な条件だ。
町までの5分の道のりだが、果たして何台のHarleyとすれ違ったろうか。ものすごい数だ。私の数台前にも町に向かうハーレーがあった。
会場は、町の一角を封鎖してハーレー専用スペースとなっていた。
公民館みたいなところは一時的にハーレーショップとなりハーレーブランドの服が所狭しと並んでいた。
入り口に新たな500もあったが、人気は、、、。
にしても、Lプレート(日本で言う初心者マーク)が付いているのが愛嬌。
ピリオンを降りて自分で乗ってみたいと女性をターゲットにしているらしい。
ランチを挟んでまた会場に顔を出してみると、いたいた!新聞に載っていた女性だ。
恐る恐る声をかけると気さくに応対してくれた。さすがにScary Maryさんですか?とは言えなかったのだが。
「あなたの昔乗っていたハーレーを今私が所有しているらしい」と私が言うと、「是非今ここにもってこい」と言う。
彼女のトライクに横づけすると、彼女は「おー」と嗚咽するくらいに喜んだ。
「私が乗ってた頃より綺麗に乗ってるねー」とか
「このペイントが懐かしいわー。」といいながらタンクにキスをすると周りで見ていた人たちが「おー、おー、お手やわらかに。」となだめ始めた。
以下、私とMaryの会話。
M「リアフェンダーにも顔があるのは知ってるかい?」
タンクに般若の顔が二つ左右にあって、さらにもう一つはピリオンシートがあって普段は隠れているのだ。
私「ああ、知ってますよ。シート外した時に見ました。そうだなあ、シングルに変えようかなあ。」
M「それがいいよ、あんた!」
私「あ、でも、私は奥さんいるんですよねえ。」
M すかさず手で触りながら「このシーシーバーを取っちゃえば、奥さん落っこちるから、そしたらシングルに変えられるんじゃない?!」
なるほど、Scary Maryはジョークがきつい。
そして、
M「今度一緒に走ろうよ。」「子供はいるのかい?」
私「ええ、3人。」
M「えーと、あなたの後ろに一人でしょ、もう一人は私の後ろ。あとひとりは、、、このキャリアに縛り付けるか?」とトライクの広めのキャリアを指差して横ばいで万歳のカッコをしてみせる。
なるほど、笑いが止まらない。
新・旧のMaryの愛車たちを並べて一枚。
Maryの愛車、Pink-licious と名付けられているのは deliciousをもじったものなのだろう。
塗装にはパールも入っている。
ちなみに私が今乗っているもののペイントジョブにも結構掛けたと言っていた。
ウェストコーストで事故にあって膝をやってしまってから、当時乗ってたのをトライクに改造して乗っていると言っていた。膝にはプレートが入っているとケラケラ笑ってた。
先ほど新聞記事を読み直すとMary 62歳となっていた。ということは私が買ったバイク屋に言われたのは当たらずも遠からずという情報だったということだ。少なくとも私の手に入ってからもう6年の月日が流れているのだから。
いつの日かMaryと一緒に走る日が来るのだろうか。
その時は妻を連れて行くのがいいのだろうか、それとももうシングルシートになっているのだろうか。
ちょっと嬉しいことがあった。
私の住む町、QueenstownでH.O.G. のミーティングがあったのだ。
毎年あるらしいのだが、今年は最高の設備と最高数のメンバーが集まるだろうと見込まれている。その総数はおそらく国内から集まる2000台になると予想されているらしい。私はH.O.G.のメンバーに入っていないので情報が入ってこない。
それにしても2000台とはすごい数だ。たった400万人の人口の国で2000台とは!
2000人に1人がハーレーでやってくる計算である!本当か?
にもかかわらず私はメンバーに入っていないというのもなんだが。
ところで私の愛車XL1200Cは中古車であるが、ペイントジョブが凝っていて、だから私が引かれたというのがあったのだが、そういうわけで前のオーナーがすっごく気になった、一体どういう人なのかっていうことに。
買ったバイク屋から聞かされていたのは前のオーナーは62歳の女性だったということだった。そして彼女は更にアップグレードしたのに今は乗っているということだったのだ。
彼女のあだ名はScary Mary
直訳すればそのまま「恐怖のメアリー」だが、私が想像するに「来るなら来やがれ、めありーより」みたいな感じなのかもしれないと思った。会ってみたいようなみたくないような。
実は今週の地元新聞の表紙を飾っていたのが彼女だった。H.O.G. の集まりを楽しみにしているみたいな記事だった。Maryという名前があったがScaryとは書いておらず、代わりにMad Maryと書いてある。しかし、ピンクのHarley Davidson のトライクにまたがっている彼女の写真を見て、間違いなくこの人だと思った。興味本位で会ってみたくなった。
昼前、町の会場を目指してエンジンをかけた。天気はこれ以上はないというような素晴らしい青空が広がっている。バイク乗りには最高な条件だ。
町までの5分の道のりだが、果たして何台のHarleyとすれ違ったろうか。ものすごい数だ。私の数台前にも町に向かうハーレーがあった。
会場は、町の一角を封鎖してハーレー専用スペースとなっていた。
公民館みたいなところは一時的にハーレーショップとなりハーレーブランドの服が所狭しと並んでいた。
入り口に新たな500もあったが、人気は、、、。
にしても、Lプレート(日本で言う初心者マーク)が付いているのが愛嬌。
ピリオンを降りて自分で乗ってみたいと女性をターゲットにしているらしい。
このドデカトレーラーがハーレーカスタムショップ。タンクやホイール、ハンドルバーなどあらゆるカスタムパーツを陳列しているのだ。LEDで青や赤に光るフットステップとかもあったけど、私はもうちょっとシンプルなこっちがいい。
ランチを挟んでまた会場に顔を出してみると、いたいた!新聞に載っていた女性だ。
恐る恐る声をかけると気さくに応対してくれた。さすがにScary Maryさんですか?とは言えなかったのだが。
「あなたの昔乗っていたハーレーを今私が所有しているらしい」と私が言うと、「是非今ここにもってこい」と言う。
「私が乗ってた頃より綺麗に乗ってるねー」とか
「このペイントが懐かしいわー。」といいながらタンクにキスをすると周りで見ていた人たちが「おー、おー、お手やわらかに。」となだめ始めた。
以下、私とMaryの会話。
M「リアフェンダーにも顔があるのは知ってるかい?」
タンクに般若の顔が二つ左右にあって、さらにもう一つはピリオンシートがあって普段は隠れているのだ。
私「ああ、知ってますよ。シート外した時に見ました。そうだなあ、シングルに変えようかなあ。」
M「それがいいよ、あんた!」
私「あ、でも、私は奥さんいるんですよねえ。」
M すかさず手で触りながら「このシーシーバーを取っちゃえば、奥さん落っこちるから、そしたらシングルに変えられるんじゃない?!」
なるほど、Scary Maryはジョークがきつい。
そして、
M「今度一緒に走ろうよ。」「子供はいるのかい?」
私「ええ、3人。」
M「えーと、あなたの後ろに一人でしょ、もう一人は私の後ろ。あとひとりは、、、このキャリアに縛り付けるか?」とトライクの広めのキャリアを指差して横ばいで万歳のカッコをしてみせる。
なるほど、笑いが止まらない。
新・旧のMaryの愛車たちを並べて一枚。
Maryの愛車、Pink-licious と名付けられているのは deliciousをもじったものなのだろう。
塗装にはパールも入っている。
ちなみに私が今乗っているもののペイントジョブにも結構掛けたと言っていた。
ウェストコーストで事故にあって膝をやってしまってから、当時乗ってたのをトライクに改造して乗っていると言っていた。膝にはプレートが入っているとケラケラ笑ってた。
先ほど新聞記事を読み直すとMary 62歳となっていた。ということは私が買ったバイク屋に言われたのは当たらずも遠からずという情報だったということだ。少なくとも私の手に入ってからもう6年の月日が流れているのだから。
いつの日かMaryと一緒に走る日が来るのだろうか。
その時は妻を連れて行くのがいいのだろうか、それとももうシングルシートになっているのだろうか。
2015年3月8日日曜日
雨を避けての5日間ツーリングの最終日。
2015年2月。ツーリング5日目。
今日も天気がいい。素晴らしい。
一晩中開けっ放しにしたドアでも部屋は寒くはなくちょうどよかった。
まだ意外に早い時間に目が覚めてモーターパークの割ときれいなバスルームで顔を洗い周りを散歩した。昨日の夕方と違って誰一人歩いていないGreymouthのビーチだった。
さあ、出発だ。
Hokitika (ホキティカ) まではあっという間、ここで朝食にしよう。以前訪れた時には思いっきりハズレの店に入ってしまって、この町の印象をすっごくがっかりさせてくれたんだけれども、今日はどうだろうか。
ガソリンを入れてからTrip Advisorで見てみる。どこも似たり寄ったりでよく見ないでも一緒だということが分かった。町内を流してみる。そんなに多くない数のストリートなので、あっという間に見て終わる。こないだ車を運転中に見つからなかったCafeが目に飛び込む。ここにしよう。
ここは大当たり。こないだ来れなくて残念でしょうがない。上品にクロワッサンなんかにジャムをつけちゃったりしてお洒落に朝食をとった。
この町の中心にあるアイコンである時計台を360°から見た後、ビーチに行ってみる。この町のもう一つのアイコンである、流木で作った"Hokitika"という大きな文字が砂の上に立っているのだ。
今回行ってみるとちょっと違った。なんでも流木でアートを作るコンペティションがあったらしく、砂浜一面に様々なアートが広がってた。中でもこれが私のお気に入りになった。素晴らしいアイディアだと思う。拍手。
ゆったりとアートを堪能した後、いよいよWestcoast特有の鬱蒼とした森の中を走り始める。車の数は少ないがレンタカーがその5割を占めていると思われるので油断大敵だ。
Ross (ロス)という小さな町がある。金が出て流行ったところらしいが、今はその面影は少ない。現在でもある一家がまだ掘り続けているらしいが。
ここから出発するのか、自転車ツアーがたくさんいた。小さなオレンジの三角の旗を横に車道側に突き出し、走るのだ。バスが行くとこをフォローしているので荷物は水とスナックくらいなのだろうか。たくさんの人たちが点々と自転車をこいで私と同じ方向に向かっている。レンタカーも多いがレンタサイクルも多いということだ。
面白いところがある。一応Cafeなのだが、見てくれはそうではない。外にはでっかいサンドフライが捉えられている。この大行事の詳細は壁に貼ってある。中に入っても異様な雰囲気を醸し出している。冗談が(森の中だけに)盛りだくさんのメニューやらグッズが置いてある。変なもの、くだらないもの見たさにぜひ一度訪れてみたいところだ。
四方八方50kmをを森に囲まれて生活するということはそういうことなのかもしれない。
こういう静かで何の変哲も無い湖が多い。名前も覚えられない。でもそれが特徴と言えるのかもしれない。ちなみにこれはLake Ianthe (レイク・イアンズィ)と呼ぶのだろうか。読み方さえよくわからない。この辺は何度通っても興味がそそられないのは何故なのだろうか。
この後は無心になって走る。森と湖が交互に現れる。Queenstownとかの派手な色の湖と違い森もダークな緑なので目に嬉しいということがない。ただただ緑の芝生と背高ノッポの木々だけが目立つ。自然とはと、意味深いことを考えながら、体で感じながら走るのだ。
あと5分走ればFranz Josef (フランツ・ジョセフ)に着くところだったのに、手前を大きく右に曲がると暗黒の雲が頭上にあり、雨の中に突入した。正確には雲の下に入っていったのだ。結構大粒の雨だ。屋根のあるところまで行くのが先かずぶ濡れになるのが先かだったが屋根の方が近かったようだ。ガソリン入れなかったがここでカッパを着る。
あーあ、とうとう降られてしまった。折角2泊も延長して避けてきたのに。残念でならない。まあ、天気予報を見ればほぼその通りだったのだが。午後も遅くなるほどに雨が上がってくる予定だ。
もうこれからはずっと雨なのだろう、としょぼしょぼと走り始めた。隣のFox Glacier (フォックス・グレーシアー) まではずっと狭いワインディングだ。距離は23kmと短いのにえらく遠く感じる。交通量が多いせいだろう。例の自転車も多かった。
また前方で車が詰まっている。先頭車両がめたくそ遅いのだ。車の運転自体ロクスポできない人がどうしてレンタカーを借りて旅をしようなどと思うのだろうか。その考えがまず理解できない。
その先頭車両は橋の上のそんなにきつくないイエローラインの左カーブで半車分右にはみ出して進んでいる。左側の橋の壁が怖いのだろう。対向車の事はお構い無しに。まったく気が滅入る。
あんなのがブラインドコーナーで目の前から出てきたらお陀仏だろうな。そんな事故が起こったときには一体、誰のせいなのだろうか。
ぶつかる方が悪いのか、ぶつかられた方が悪いのか、海外から来た人も運転できる国の法律が悪いのか。誰が悪くてもただ単に運が悪かったのだけのことなのだろうか。でもこれは果たして、先進国に当てはめていい事柄なのだろうか。考えることは多い。
Foxに着いてガソリンを入れる。今見た車のことをスタンドのおばちゃんと話すと、ウンウンと大きく頷いた。例の車を通報したいので警察署はないかとの私の問いに、たまに来る程度だと言う。この町に警察は必要だと実感した。
ランチを済ますと天気は回復していた。幸い、雲は山にくっついているようだ。ここからはカッパもいらない。やっぱりカッパ着て走るのは好きではない。
ここでもいいカフェに巡り会えた。これは嬉しい。
嬉しい時は結構止まってカメラを取り出すのだ。
まっすぐなところも多い。
森を切り開いて道を作っただろうから、両脇ともものすごい高い木が並んでいる。言ってみればジャングルの中を突き進むのだ。これがWestcoastの醍醐味だ。
実は天気が悪いほうが雰囲気があるのだが、青空だってもちろん悪くない。
海だって見える場所がある。唯一だが。Bruce Bay (ブルース・ベイ) だ。
ここにもHokitikaに負けないくらいの個人アートがあるが、それはとてもつまらなく石をまっすぐに積んだだけの見た目も良くないものたちだ。
昔、車で来た時には大荒れの天気でバシャバシャと波が道に掛ってて度肝を抜かれたけども。
しばらく行くと通行止になった。 橋の工事だと。10分も止まらされた。雨が降ってなくてよかったなあと思った。何もすることがなく、交通係のおじさんが目の前で遅めのランチのサンドイッチを飲み込むように食べていたのを見ていた。
いよいよHaast (ハースト)に着く。
携帯は未だに圏外の村だ。未だにこの町はそういう町なのだ。身隠れしたくなったら来ればいいところだ。
昔の首相は休みの日に趣味のクロスカントリースキーをするのが良いと言っていたらしい。健康的だし、第一、電波が届かないので誰からも捕まらないからと。この国の首相の言葉らしい。
2台のバイクとトイレで会って、情報交換。
私の行く方向から来たらしく、天気は大丈夫だったと言っていた。目の前が結構グレーで暗かったので心配していたのだ。
彼らは先ほどのBruce Bayまで行くと言っていた。宿なんかあったかな。
そういえば、蜂除けにバンダナを腕に巻くことにした。これなら入ってこれまい。
というか、ここHaastにはいないが峠を越えてから通るWanakaの辺りの対策だ。あの辺はブンブンしているはず。バッチリ準備して、また走り出す。
久々のHaastの峠はほとんど交通量がなく、すっと通り過ぎられた。
見所のある要所の滝も今回はパス。グレーの空では絵にならない。おかげで早く帰れるな、なんて思った。
Wanaka を通り過ぎてすぐにポツポツとやってきた。良いことといえば蜂の心配はなさそうだ。雨の中には飛び回らないのだろう。Crown Range (クラウン・レンジ)峠の上はすっごいグレー空だ。
そのまま行けるかなと思った途端、大粒になり諦めて、大木の下でカッパをまた取り出した。あとちょっとで家だけにとっても悔しい。カッパを着ている間に、確か、Greymouthで宿泊していたと思われる2台のバイクが目の前を過ぎ去っていった。彼らも時間的にきっと今日はQueenstownが宿泊先なのだろう。一日に500km越えの道程はなかなかだ。
峠の山頂に着くまでには雨も上がり、下りは晴天の下を楽しく走れた。もうすぐ家だ。
家に着くといつも遊びに来ている地元の友人達がいつものように食事をたくさん準備して待っていてくれていた。
こうして、3日間で帰るはずのツーリングが5日間になってしまい、無事に帰還した。振り返るととても長く感じた5日間で、とってもいい夏休みになった。
この旅でお世話になった友人たちには全く頭が上がらない。素晴らしい友人たちに私は支えられて、わがまましたい放題に生きているのである。妻にも感謝だ。
またやろうっと思った。
今日も天気がいい。素晴らしい。
一晩中開けっ放しにしたドアでも部屋は寒くはなくちょうどよかった。
まだ意外に早い時間に目が覚めてモーターパークの割ときれいなバスルームで顔を洗い周りを散歩した。昨日の夕方と違って誰一人歩いていないGreymouthのビーチだった。
さあ、出発だ。
Hokitika (ホキティカ) まではあっという間、ここで朝食にしよう。以前訪れた時には思いっきりハズレの店に入ってしまって、この町の印象をすっごくがっかりさせてくれたんだけれども、今日はどうだろうか。
ガソリンを入れてからTrip Advisorで見てみる。どこも似たり寄ったりでよく見ないでも一緒だということが分かった。町内を流してみる。そんなに多くない数のストリートなので、あっという間に見て終わる。こないだ車を運転中に見つからなかったCafeが目に飛び込む。ここにしよう。
ここは大当たり。こないだ来れなくて残念でしょうがない。上品にクロワッサンなんかにジャムをつけちゃったりしてお洒落に朝食をとった。
この町の中心にあるアイコンである時計台を360°から見た後、ビーチに行ってみる。この町のもう一つのアイコンである、流木で作った"Hokitika"という大きな文字が砂の上に立っているのだ。
今回行ってみるとちょっと違った。なんでも流木でアートを作るコンペティションがあったらしく、砂浜一面に様々なアートが広がってた。中でもこれが私のお気に入りになった。素晴らしいアイディアだと思う。拍手。
ゆったりとアートを堪能した後、いよいよWestcoast特有の鬱蒼とした森の中を走り始める。車の数は少ないがレンタカーがその5割を占めていると思われるので油断大敵だ。
Ross (ロス)という小さな町がある。金が出て流行ったところらしいが、今はその面影は少ない。現在でもある一家がまだ掘り続けているらしいが。
ここから出発するのか、自転車ツアーがたくさんいた。小さなオレンジの三角の旗を横に車道側に突き出し、走るのだ。バスが行くとこをフォローしているので荷物は水とスナックくらいなのだろうか。たくさんの人たちが点々と自転車をこいで私と同じ方向に向かっている。レンタカーも多いがレンタサイクルも多いということだ。
面白いところがある。一応Cafeなのだが、見てくれはそうではない。外にはでっかいサンドフライが捉えられている。この大行事の詳細は壁に貼ってある。中に入っても異様な雰囲気を醸し出している。冗談が(森の中だけに)盛りだくさんのメニューやらグッズが置いてある。変なもの、くだらないもの見たさにぜひ一度訪れてみたいところだ。
四方八方50kmをを森に囲まれて生活するということはそういうことなのかもしれない。
こういう静かで何の変哲も無い湖が多い。名前も覚えられない。でもそれが特徴と言えるのかもしれない。ちなみにこれはLake Ianthe (レイク・イアンズィ)と呼ぶのだろうか。読み方さえよくわからない。この辺は何度通っても興味がそそられないのは何故なのだろうか。
この後は無心になって走る。森と湖が交互に現れる。Queenstownとかの派手な色の湖と違い森もダークな緑なので目に嬉しいということがない。ただただ緑の芝生と背高ノッポの木々だけが目立つ。自然とはと、意味深いことを考えながら、体で感じながら走るのだ。
あと5分走ればFranz Josef (フランツ・ジョセフ)に着くところだったのに、手前を大きく右に曲がると暗黒の雲が頭上にあり、雨の中に突入した。正確には雲の下に入っていったのだ。結構大粒の雨だ。屋根のあるところまで行くのが先かずぶ濡れになるのが先かだったが屋根の方が近かったようだ。ガソリン入れなかったがここでカッパを着る。
あーあ、とうとう降られてしまった。折角2泊も延長して避けてきたのに。残念でならない。まあ、天気予報を見ればほぼその通りだったのだが。午後も遅くなるほどに雨が上がってくる予定だ。
もうこれからはずっと雨なのだろう、としょぼしょぼと走り始めた。隣のFox Glacier (フォックス・グレーシアー) まではずっと狭いワインディングだ。距離は23kmと短いのにえらく遠く感じる。交通量が多いせいだろう。例の自転車も多かった。
また前方で車が詰まっている。先頭車両がめたくそ遅いのだ。車の運転自体ロクスポできない人がどうしてレンタカーを借りて旅をしようなどと思うのだろうか。その考えがまず理解できない。
その先頭車両は橋の上のそんなにきつくないイエローラインの左カーブで半車分右にはみ出して進んでいる。左側の橋の壁が怖いのだろう。対向車の事はお構い無しに。まったく気が滅入る。
あんなのがブラインドコーナーで目の前から出てきたらお陀仏だろうな。そんな事故が起こったときには一体、誰のせいなのだろうか。
ぶつかる方が悪いのか、ぶつかられた方が悪いのか、海外から来た人も運転できる国の法律が悪いのか。誰が悪くてもただ単に運が悪かったのだけのことなのだろうか。でもこれは果たして、先進国に当てはめていい事柄なのだろうか。考えることは多い。
Foxに着いてガソリンを入れる。今見た車のことをスタンドのおばちゃんと話すと、ウンウンと大きく頷いた。例の車を通報したいので警察署はないかとの私の問いに、たまに来る程度だと言う。この町に警察は必要だと実感した。
ランチを済ますと天気は回復していた。幸い、雲は山にくっついているようだ。ここからはカッパもいらない。やっぱりカッパ着て走るのは好きではない。
ここでもいいカフェに巡り会えた。これは嬉しい。
嬉しい時は結構止まってカメラを取り出すのだ。
まっすぐなところも多い。
森を切り開いて道を作っただろうから、両脇ともものすごい高い木が並んでいる。言ってみればジャングルの中を突き進むのだ。これがWestcoastの醍醐味だ。
実は天気が悪いほうが雰囲気があるのだが、青空だってもちろん悪くない。
海だって見える場所がある。唯一だが。Bruce Bay (ブルース・ベイ) だ。
ここにもHokitikaに負けないくらいの個人アートがあるが、それはとてもつまらなく石をまっすぐに積んだだけの見た目も良くないものたちだ。
昔、車で来た時には大荒れの天気でバシャバシャと波が道に掛ってて度肝を抜かれたけども。
いよいよHaast (ハースト)に着く。
携帯は未だに圏外の村だ。未だにこの町はそういう町なのだ。身隠れしたくなったら来ればいいところだ。
昔の首相は休みの日に趣味のクロスカントリースキーをするのが良いと言っていたらしい。健康的だし、第一、電波が届かないので誰からも捕まらないからと。この国の首相の言葉らしい。
2台のバイクとトイレで会って、情報交換。
私の行く方向から来たらしく、天気は大丈夫だったと言っていた。目の前が結構グレーで暗かったので心配していたのだ。
彼らは先ほどのBruce Bayまで行くと言っていた。宿なんかあったかな。
そういえば、蜂除けにバンダナを腕に巻くことにした。これなら入ってこれまい。
というか、ここHaastにはいないが峠を越えてから通るWanakaの辺りの対策だ。あの辺はブンブンしているはず。バッチリ準備して、また走り出す。
久々のHaastの峠はほとんど交通量がなく、すっと通り過ぎられた。
見所のある要所の滝も今回はパス。グレーの空では絵にならない。おかげで早く帰れるな、なんて思った。
Wanaka を通り過ぎてすぐにポツポツとやってきた。良いことといえば蜂の心配はなさそうだ。雨の中には飛び回らないのだろう。Crown Range (クラウン・レンジ)峠の上はすっごいグレー空だ。
そのまま行けるかなと思った途端、大粒になり諦めて、大木の下でカッパをまた取り出した。あとちょっとで家だけにとっても悔しい。カッパを着ている間に、確か、Greymouthで宿泊していたと思われる2台のバイクが目の前を過ぎ去っていった。彼らも時間的にきっと今日はQueenstownが宿泊先なのだろう。一日に500km越えの道程はなかなかだ。
峠の山頂に着くまでには雨も上がり、下りは晴天の下を楽しく走れた。もうすぐ家だ。
家に着くといつも遊びに来ている地元の友人達がいつものように食事をたくさん準備して待っていてくれていた。
こうして、3日間で帰るはずのツーリングが5日間になってしまい、無事に帰還した。振り返るととても長く感じた5日間で、とってもいい夏休みになった。
この旅でお世話になった友人たちには全く頭が上がらない。素晴らしい友人たちに私は支えられて、わがまましたい放題に生きているのである。妻にも感謝だ。
またやろうっと思った。
2015年3月7日土曜日
暑い夜。
2015年2月。ツーリング4日目。
昨日と同じようにいつも通りの生活の友人のうちに別れと別れを告げて、子供達が学校に行く時間に私も一緒に出る。
天気はいい。超快晴。気分も最高だ。雨を避けてここに来た甲斐が非常にあったし、懐かしい顔と会えたし、充実した時間を過ごさせてもらった。よくよく考えると彼らとは年末に会ったのだったが、その時は一瞬だったので、今回は色々と良かった。勝手に訪れておいて、全くいい言い草である、と自分でも思う。
先日に通って来た道をそのまま戻るのは実はそんなに好きではないのだが、この快晴なので、そんなに気にならなかったし、ゆっくりと走れたし、度々止まってはカメラを取り出した。
バッテリーを上げてしまったMurchison (マーチソン)で今夜の宿をどこかに取ろうとあちこちチャレンジするが、Franz Josef (フランツ・ジョセフ)や Fox Glacier (フォックス・グレーシャー)の両方ともめちゃ混みで全くベッドがないらしい。慌てた。
こっから丸一日かけて帰ることもできなくもないが、900kmはちと辛い。それにこの快晴、写真を撮りたい放題でそれを棒に降らなくてはならないのはあまりにもつまらない。
しょうがなく、距離を縮めてGreymouth (グレイマウス)に的を定めた。モーターパークはがらすか空いている感じらしい。
移動距離がぐっと縮まり、時間に余裕ができたのでじっと地図を見る。
今回Arthurs Passを通ったので、このハーレーでほぼ、南島の端から端と、真ん中を通り抜けたことになるが、まだ一箇所、行ったことがないのがKaramea (カラメア)だ。Westport (ウエスト・ポート)から95km北上する道で行き止まりである。いつか行ってみたいと思っている場所であるのだが、どうやら今日がそのチャンスかもしれない。
Buller River (ブラー・リバー)沿いをずっと東から西に走る。今日は非常に美しい。何度も今まで通ったことがある場所だが、いつも曇りか雨であった気がするので、よく景色も見られなかったのだ。
すんごい大きいヘアピンが川に沿っている。写真はパノラマで撮っているので変な風に見えるかもしれないけども、本当にこんな感じなのだ。しかも崖をえぐって道が作ってあり、くぐり抜けていくのだ。その部分はおそらく数百メートルあるのだが、ここは一車線なので、向こう側から車が来ないかどうかよーく見てから侵入しなくてはならない。途中ではち会うと、行き違うスペースがないので、どっちかがずっとバックしなくてはならないので大変だ。
その入り口で写真を撮ってると反対側からHondaがやってきて私の隣に停めた。「今日はあっついな!」とヘルメットを脱ぐと気さくに声をかけてきた。私とは反対回りをしているらしい。Queenstownから2時間離れているOmaramaに住んでいるらしいが、その距離にもかかわらず、私を「隣人」と呼んだのはおじさんのテリトリーの広さがわかる。
今までどこをどうやってきて、これからどうするのかとお互いの情報交換をする。Karameaに昨日泊まっていたとおじさんが言うと、ちょっと運命を感じた。やっぱり行くべきなのだ。おじさんも道があんまり良くないけど、行ったことないならば、行ってみたらいいよ、と勧めた。
我らがそうして話している間にさっき私とすれ違ったメチャッパヤのYamahaのレーサーが戻ってきた。彼は手を上げて挨拶する暇もなさそうだ。ものすごい甲高いエギゾーストと共に一瞬でそのカーブを抜けていった。きっといつもここを走っている人なのだろう。おじさんもここまで来るときに後ろからロケットが来たと言ってたので、ずっと行ったり来たりしている人なんだろう。
その様相を見たおじさんと私はお互い気をつけようねと行って別れた。
ずっとこの川沿いを走るが、ずっと似た景色なので意外にちょっと飽きた。
Westport (ウエスト・ポート)に着いた。何度か来ている町だったが、なぜか違う印象を受けた。確かにあんまり散策していなかったのかもしれないが、まるで始めて来たように感じるほど何も覚えていなかった。田舎っぽい時間ハズレのカフェでランチをする。レッドタイカレーとミルクシェークなどを頼んでしまう。冴えないカフェのおじさんは結構する値段のランチのレジを打ってキッチンに消えた。全くハズレだなあ、なんて思っていると、ミルクシェークを持ってきてくれたのは可愛い女子だった。娘さんなのかな。カフェのおじさん、うまい商売の方法を知らなさそうだ。
町を一通り歩いて見てからバイクにガソリンを入れた。いよいよKarameaに向かって行ってみるのである。
町を出るとしばらくずっとストレートだ。長い長い。向こう側にカゲロウが出ている感じだ。しかし気になるのは上空の雲だ。いつの間にか、グレーの雲が行き先を覆っている。うーむ。軟弱なライダーとしては避けなければならない。急に速度を落とし、行くか行くまいか頭の中で戦うが、軟弱が大勝したので、直ちに引き返した。
諦めと頭の切り替えは早い方である。
また人生を感じた時に行けばいいやと自分を納得させる。今日はその日じゃないと。
昨日世話になった友人が以前Westportの海岸線を走ったらよかったと言っていたのを思い出して、そっち方面に舵を切った。海岸線は綺麗だった。どうやらそれなりに見所があるらしく灯台の看板が出ていたので行ってみた。
遊歩道があり、大したことのない灯台の立っている丘を汗だくになりながら登った。もちろん今日も革ジャン革パンツ。例によって革ジャンは脱いでそのままバイクに置いて歩いたが、あっつい!
がけは見所があったと、割と満足して後にした。
なんせ時間がありありなのだ、今日は早く宿に入ってスパとかに浸かっちゃおうかな、なんて考えながら国道に戻る道を行くと、目の前に迫る暗黒の空。嫌な予感だ。
さすがWestcoastだ。これが実力。
どんどん私の影は薄くなっていった。
ところが、その心配は必要なかったようである。雲に近づくにつれだんだん暗くなっていくのだが、道は右に急角度で曲がり、そのままうす曇りの沿岸線へと続いた。
しばらく行くと、目の前のビーチにある大きな岩のど真ん中が割れていて、その向こう側が見えるのだ。この道は何度も通っていて、ついこの年末、家族を連れて車を運転していたときにも見落としていたものだった。満潮だったのだろうか。これは行くしかない!
駐車スペースには数台のキャンパーバンを含む車が止まっていて、様々に人々はビーチを楽しんでいた。
目の前に流れている川はFox Riverというらしい。別に目立つものでもないのでいつもすっと通り過ぎていたのだろう。
私は革の上下を脱ぎ、持っていた短パンに着替え、ビーチサンダルを引っ掛け、膝くらいまでの浅い川を渡って行った。
その大きな岩は見事に不思議に通り抜けられた。洞窟の向こう側には芝生が引いてあり、誰かの家が3件ほど建っている。「えー‼︎」という感じだ。行ってみればこの岩はその人の家のすぐ反対側にあるのだ。洞窟の岩が。
しかもこの洞窟は中でT字になっており、海に向かってぽかっと開いている。天気が良かったらすっごくすっごくすごかったろうと、想像した。
そんなことに感心しながらビーチを歩いていると二人の男がゴルフクラブを持って歩いていている。砂浜でゴルフをしているのだ。ちなみにホールは先ほどのあのでかい洞窟の穴であると言っている。それならとっても入りやすいだろう。
聞くと、すぐそこの緑の家に住んでいるんだよと。なるほど。
足を乾かして砂を払ってから着替えて、出発した。
その後、NZで1,2の座を争うのではないかと言われている美しいコーストラインを走る。ほとんどがタイトなコーナーで決して走りやすくはないのだが、ため息が出るほど景観がものすごい。私もめちゃくちゃファンである。天気が悪くてもそれなりにいいのがNZのいいところ。
浜辺でサーフィンの体験だろうか、初心者っぽい人が講習を受けているのが見えた。Punakaiki (プナカイキ) に着いたのだ。
いつでもここでは有名なブローホールを見に行くのだが、今日はその手前に看板が立っているのに気がついた。今日はよく気がつく。やはり時間の余裕があると行動が違う。
洞窟探検ができるところがあるのだ。バイクを止めて歩いていく。真っ暗で何も見えないと若い女の子二人が出てきた。私はiPhoneのライトとツルツル滑る石の上を歩くためようにできていないブーツで奥まで入っていった。それでも何にも見えなかったが。でも割と大きな洞窟にびっくり。ここも何度も知らずに通り過ぎていたのだ。
Greymouthだ。宿は海沿いのモーターパーク。町まで遠く不便ではあるが、しょうがない。一人部屋を頼んでおいたのだが、渡された鍵の部屋に行くとベッドがトータル7人分ある。ダブルが一つ、シングルが一つ、そして2段ベッドが二つある。果たしてどのベッドで寝たらいいのだろうか。
それ以外にはテーブルと椅子が4脚。壁は両側ともブロックで奥の壁は石膏ボード。入り口は全面ガラスだが、開くのは入り口のスライドドアだけ。まるで倉庫みたいな作りだ。安いのはいいのだが。それにしても、、、である。
そのガラスの部分が西に面しているため、部屋の中が暑い。窓をというか、ドアをずっと開けっ放しにしておいていくらか冷やそうとしなくてはならないが、出かけるのにこれじゃセキュリティも何もない。しょうがない。
ご飯の時間だ。町まで走って5分くらい。あちこち回ってみてみるが、どこも開いているのか閉まっているのかよくわからない店ばかり。この町の規模の金曜の夜にしては人通りも車通りも少ない。
Westcoastで有名なエールハウスには行かないで遠く離れたOtagoの老舗のエールハウスに入ったのはここは以前に来たことがあって美味しいと思ったからだった。今日も美味しかった。地味な町の割にいいシェフがいるに違いない。
もうじきサンセットの時間だと、宿の隣のビーチに直行すると夕焼けがすごいことになっていて、浜辺にはおそらく50人近くの人がいたと思う。明らかにバーより多い人数だ。
みんなそれぞれに考え事をしながら夕日を眺めているようだった。ただそれだけで、十分なシーンだったのだ。
私もそれに参加したが、やはりその場には私一人だけ黒革ジャンに黒パンツにブーツで浮いていた。
今日はよく眠れそうだ、と思ったのだが、帰るとやはり部屋の中が暑い。
ドアは開けっぱなしで寝ることにした。やはり部屋には窓がある方がいい。
まだつづく。
昨日と同じようにいつも通りの生活の友人のうちに別れと別れを告げて、子供達が学校に行く時間に私も一緒に出る。
天気はいい。超快晴。気分も最高だ。雨を避けてここに来た甲斐が非常にあったし、懐かしい顔と会えたし、充実した時間を過ごさせてもらった。よくよく考えると彼らとは年末に会ったのだったが、その時は一瞬だったので、今回は色々と良かった。勝手に訪れておいて、全くいい言い草である、と自分でも思う。
先日に通って来た道をそのまま戻るのは実はそんなに好きではないのだが、この快晴なので、そんなに気にならなかったし、ゆっくりと走れたし、度々止まってはカメラを取り出した。
バッテリーを上げてしまったMurchison (マーチソン)で今夜の宿をどこかに取ろうとあちこちチャレンジするが、Franz Josef (フランツ・ジョセフ)や Fox Glacier (フォックス・グレーシャー)の両方ともめちゃ混みで全くベッドがないらしい。慌てた。
こっから丸一日かけて帰ることもできなくもないが、900kmはちと辛い。それにこの快晴、写真を撮りたい放題でそれを棒に降らなくてはならないのはあまりにもつまらない。
しょうがなく、距離を縮めてGreymouth (グレイマウス)に的を定めた。モーターパークはがらすか空いている感じらしい。
移動距離がぐっと縮まり、時間に余裕ができたのでじっと地図を見る。
今回Arthurs Passを通ったので、このハーレーでほぼ、南島の端から端と、真ん中を通り抜けたことになるが、まだ一箇所、行ったことがないのがKaramea (カラメア)だ。Westport (ウエスト・ポート)から95km北上する道で行き止まりである。いつか行ってみたいと思っている場所であるのだが、どうやら今日がそのチャンスかもしれない。
Buller River (ブラー・リバー)沿いをずっと東から西に走る。今日は非常に美しい。何度も今まで通ったことがある場所だが、いつも曇りか雨であった気がするので、よく景色も見られなかったのだ。
その入り口で写真を撮ってると反対側からHondaがやってきて私の隣に停めた。「今日はあっついな!」とヘルメットを脱ぐと気さくに声をかけてきた。私とは反対回りをしているらしい。Queenstownから2時間離れているOmaramaに住んでいるらしいが、その距離にもかかわらず、私を「隣人」と呼んだのはおじさんのテリトリーの広さがわかる。
今までどこをどうやってきて、これからどうするのかとお互いの情報交換をする。Karameaに昨日泊まっていたとおじさんが言うと、ちょっと運命を感じた。やっぱり行くべきなのだ。おじさんも道があんまり良くないけど、行ったことないならば、行ってみたらいいよ、と勧めた。
我らがそうして話している間にさっき私とすれ違ったメチャッパヤのYamahaのレーサーが戻ってきた。彼は手を上げて挨拶する暇もなさそうだ。ものすごい甲高いエギゾーストと共に一瞬でそのカーブを抜けていった。きっといつもここを走っている人なのだろう。おじさんもここまで来るときに後ろからロケットが来たと言ってたので、ずっと行ったり来たりしている人なんだろう。
その様相を見たおじさんと私はお互い気をつけようねと行って別れた。
ずっとこの川沿いを走るが、ずっと似た景色なので意外にちょっと飽きた。
Westport (ウエスト・ポート)に着いた。何度か来ている町だったが、なぜか違う印象を受けた。確かにあんまり散策していなかったのかもしれないが、まるで始めて来たように感じるほど何も覚えていなかった。田舎っぽい時間ハズレのカフェでランチをする。レッドタイカレーとミルクシェークなどを頼んでしまう。冴えないカフェのおじさんは結構する値段のランチのレジを打ってキッチンに消えた。全くハズレだなあ、なんて思っていると、ミルクシェークを持ってきてくれたのは可愛い女子だった。娘さんなのかな。カフェのおじさん、うまい商売の方法を知らなさそうだ。
町を一通り歩いて見てからバイクにガソリンを入れた。いよいよKarameaに向かって行ってみるのである。
町を出るとしばらくずっとストレートだ。長い長い。向こう側にカゲロウが出ている感じだ。しかし気になるのは上空の雲だ。いつの間にか、グレーの雲が行き先を覆っている。うーむ。軟弱なライダーとしては避けなければならない。急に速度を落とし、行くか行くまいか頭の中で戦うが、軟弱が大勝したので、直ちに引き返した。
諦めと頭の切り替えは早い方である。
また人生を感じた時に行けばいいやと自分を納得させる。今日はその日じゃないと。
昨日世話になった友人が以前Westportの海岸線を走ったらよかったと言っていたのを思い出して、そっち方面に舵を切った。海岸線は綺麗だった。どうやらそれなりに見所があるらしく灯台の看板が出ていたので行ってみた。
遊歩道があり、大したことのない灯台の立っている丘を汗だくになりながら登った。もちろん今日も革ジャン革パンツ。例によって革ジャンは脱いでそのままバイクに置いて歩いたが、あっつい!
がけは見所があったと、割と満足して後にした。
なんせ時間がありありなのだ、今日は早く宿に入ってスパとかに浸かっちゃおうかな、なんて考えながら国道に戻る道を行くと、目の前に迫る暗黒の空。嫌な予感だ。
さすがWestcoastだ。これが実力。
どんどん私の影は薄くなっていった。
ところが、その心配は必要なかったようである。雲に近づくにつれだんだん暗くなっていくのだが、道は右に急角度で曲がり、そのままうす曇りの沿岸線へと続いた。
しばらく行くと、目の前のビーチにある大きな岩のど真ん中が割れていて、その向こう側が見えるのだ。この道は何度も通っていて、ついこの年末、家族を連れて車を運転していたときにも見落としていたものだった。満潮だったのだろうか。これは行くしかない!
駐車スペースには数台のキャンパーバンを含む車が止まっていて、様々に人々はビーチを楽しんでいた。
目の前に流れている川はFox Riverというらしい。別に目立つものでもないのでいつもすっと通り過ぎていたのだろう。
私は革の上下を脱ぎ、持っていた短パンに着替え、ビーチサンダルを引っ掛け、膝くらいまでの浅い川を渡って行った。
その大きな岩は見事に不思議に通り抜けられた。洞窟の向こう側には芝生が引いてあり、誰かの家が3件ほど建っている。「えー‼︎」という感じだ。行ってみればこの岩はその人の家のすぐ反対側にあるのだ。洞窟の岩が。
しかもこの洞窟は中でT字になっており、海に向かってぽかっと開いている。天気が良かったらすっごくすっごくすごかったろうと、想像した。
そんなことに感心しながらビーチを歩いていると二人の男がゴルフクラブを持って歩いていている。砂浜でゴルフをしているのだ。ちなみにホールは先ほどのあのでかい洞窟の穴であると言っている。それならとっても入りやすいだろう。
聞くと、すぐそこの緑の家に住んでいるんだよと。なるほど。
足を乾かして砂を払ってから着替えて、出発した。
その後、NZで1,2の座を争うのではないかと言われている美しいコーストラインを走る。ほとんどがタイトなコーナーで決して走りやすくはないのだが、ため息が出るほど景観がものすごい。私もめちゃくちゃファンである。天気が悪くてもそれなりにいいのがNZのいいところ。
浜辺でサーフィンの体験だろうか、初心者っぽい人が講習を受けているのが見えた。Punakaiki (プナカイキ) に着いたのだ。
いつでもここでは有名なブローホールを見に行くのだが、今日はその手前に看板が立っているのに気がついた。今日はよく気がつく。やはり時間の余裕があると行動が違う。
洞窟探検ができるところがあるのだ。バイクを止めて歩いていく。真っ暗で何も見えないと若い女の子二人が出てきた。私はiPhoneのライトとツルツル滑る石の上を歩くためようにできていないブーツで奥まで入っていった。それでも何にも見えなかったが。でも割と大きな洞窟にびっくり。ここも何度も知らずに通り過ぎていたのだ。
Greymouthだ。宿は海沿いのモーターパーク。町まで遠く不便ではあるが、しょうがない。一人部屋を頼んでおいたのだが、渡された鍵の部屋に行くとベッドがトータル7人分ある。ダブルが一つ、シングルが一つ、そして2段ベッドが二つある。果たしてどのベッドで寝たらいいのだろうか。
それ以外にはテーブルと椅子が4脚。壁は両側ともブロックで奥の壁は石膏ボード。入り口は全面ガラスだが、開くのは入り口のスライドドアだけ。まるで倉庫みたいな作りだ。安いのはいいのだが。それにしても、、、である。
そのガラスの部分が西に面しているため、部屋の中が暑い。窓をというか、ドアをずっと開けっ放しにしておいていくらか冷やそうとしなくてはならないが、出かけるのにこれじゃセキュリティも何もない。しょうがない。
ご飯の時間だ。町まで走って5分くらい。あちこち回ってみてみるが、どこも開いているのか閉まっているのかよくわからない店ばかり。この町の規模の金曜の夜にしては人通りも車通りも少ない。
Westcoastで有名なエールハウスには行かないで遠く離れたOtagoの老舗のエールハウスに入ったのはここは以前に来たことがあって美味しいと思ったからだった。今日も美味しかった。地味な町の割にいいシェフがいるに違いない。
もうじきサンセットの時間だと、宿の隣のビーチに直行すると夕焼けがすごいことになっていて、浜辺にはおそらく50人近くの人がいたと思う。明らかにバーより多い人数だ。
みんなそれぞれに考え事をしながら夕日を眺めているようだった。ただそれだけで、十分なシーンだったのだ。
私もそれに参加したが、やはりその場には私一人だけ黒革ジャンに黒パンツにブーツで浮いていた。
今日はよく眠れそうだ、と思ったのだが、帰るとやはり部屋の中が暑い。
ドアは開けっぱなしで寝ることにした。やはり部屋には窓がある方がいい。
まだつづく。
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