師走とはいうもので、あっちこっちへと走る季節なのだな。
今年はなんか変である。真夏なのにずっとずっと寒いし天気が悪い。
でも今朝は天気がすこぶる良いので、ぜひ今日はどこかへ出かけたい。ご近所のKuzzyさんに連絡を入れると午後からなら走れそうと言う。うーむ、今日は待っていられなーい、そそくさと一人で出かける案を優先した。
頭の中での妄想でもうすでにあちこちの道路が見えているのだ。あっちへ行ったら良いのかこっちへ行くべきなのだろうか、迷いながら革ジャンを着込み始める。この瞬間もまた悪いものではないのだ。
頭でまだ決まらずにエンジン始動させて暖機運転。エキゾーストからの元気な音が嬉しい。燃料はまだ入っているな。
家を出てすぐにハイウェイにあたるのだが、なぜか一方がすごく混んでいる。いきなり渋滞にハマるのも面白くないと空いている車線に合流した。南に向かった。
クイーンズタウンは今や世界的に有名な観光地になっていると世界各地で騒がれているとかいないとかだが、実は道路事情は今現在はその歴史において最悪の状況となっている。
そのむかーしむかしに作られたデザインがそのままなので、増えた交通量が捌けないのだ。国の機関はまるでそこに住む住民の声を無視するかのごとく、一向に工事が始まらなかったのだが、ここへきてようやく動き始めた。工事が始まったら始まったで狭い道路はさらに狭くなり、非常に惨めな状態になって久しい。
この今、渡る橋も片側一車線から双方向の立派な(と言っても普通な)ものに変わるのだ。予定通り終わらないのはきっと予定通りである。
さて、久々に走る南向きだ。右手に湖を見ながらずっと沿って走るのは気持ちがいい。北側に向かって走るGlenorchy(グレノーキー)と違ってあそこまでの流麗なダイナミックさはないのだが、こちらはこちらでシャープでアスファルトに集中できる道だ。勝手に言うなれば、あちらが女性的で、こちらが男性的な感じがする。
このまま大風景の望める世界遺産のMilford Sound (ミルフォードサウンド)まででも行ってしまおうかという勢いで力がみなぎってきた。たったの3時間である。ちょうど小さな村Garston (ガーストン)に着いたので早くも一休みでトイレに寄る。近いのだ。
こんな小さな町だけれども、増えた交通量が語る様に観光客がやってくるのか、店が増えたり立派になっている感じがする。空いていなかった店も息を吹き返し営業開始となっている感じが見受けられた。入ったことがないが今度入って一杯やってみようかなと思わせるGarston Hotelの前に駐車した。
ひ弱な私は、一瞬にして意気消沈してしまった。
次の村Athol (アソル)に着くとちょうど電話がなる。Kuzzyさんからだった。今から家を出られるので!とやる気満々である。
ちょうど天気も風も敵になっていることだし、これは助け船と思うことにした。状況を説明すると、では一緒に東に向かおうかということになり、速攻Uターン。今度は北に向き、追い風が快適に私の背中を押してくれて心地よい走りで帰路につく。とても楽チンである。
それぞれ昼食をささっと各家でパッと済ました我々はすぐに合流し、東へ向かう。この街から出るには3方向しかないのだ。さて、横風を受けながら我々は行く。
道中はいつものインターコムで前回一緒に走った時の思い出を話したり、これからの将来のことを真面目に語りながらだったのだが、どうやら、我々は過去の記憶も怪しいし、将来のこともかなり怪しいことがわかった。。。
ボケも入っているのか、いつの間にか川沿いを走りぬけCromwell (クロムウェル)を過ぎ、右手に長い湖Lake Dunstan (レイク・ダンスタン)を見ながら着いたところはClyde (クライド)と言う村。ざっと家から1時間だ。
なんか絵になるのでいっぱい撮っちゃう。
何度か来たことがあるカフェでの一杯。この街の変わりようも驚くくらいだった。どうしたの?ってくらいアレヤコレヤが出来上がってたり直されている。新しい区域もあって映画館やらレストランやらなんでもかっこいくなっているではないか!
コーヒーを飲み終わる前にカフェのオーナーらしきおばちゃんが隣の席の大きな日傘を片付け始めた。「もう時間なのかな?」とお尋ねすると、「まだいいよ」とニコニコしながらどんどん周りを片付けていった。
なんだか気温が上がり始めた。しかも異常なくらい急に温度が上がっている。日本の夏のクーラーで寒い銀行の自動ドアが開いた瞬間の様な感じ、とまではいかないが、革ジャンを着ていることなどできやしない。こんな時に限って革パンまで履いているときた。あっつい!
店じまいしたいおばちゃんの圧力をガンガンに浴びている我々は冷たいお冷のお代わりが欲しかったのだが、ここは大人になって我慢して店を出ることに。
ここはオリジナルの古い町並みの場所場所。汗をかかないように革パンを引きずるようにしながらゆっくりと歩く。
名店 Olivers Restaurant まだ行ったことがない。伝説的なカリスマおばちゃんシェフがいたとか。ちなみに今そのおばちゃんはOaramruに出店している。
村のメインストリートのはず。
観光客の車が多いのにびっくり。有料ロードパーキングになる日も来るのか??
古いレストランが改装されてて美しいガーデンで食事ができるようになってた。この前までは塀が倒れる可能性あり、とかいう張り紙がしてあったのだが。
オブジェ化した自転車。壁に張り付いていた。
その壁と壁の間にできている植物のアーチをくぐるKuzzyさん。なんか嬉しそう。
またなんだか来てみたくなった町の一つになった。今度はもっとゆっくりでワインの一杯も楽しみながら。
そうして2016年は終わった。
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