親父が他界したのをきっかけに帰省した以来、もうそんなに時間が経過していたとは。
過去に庭の様に隅から隅まで知っていた地元の町も憶えていないし、何もかも変わっているように思えて、ほとんど浦島太郎状態であった。
先輩と伊豆ツーリングの計画をしていた。歳は6つも上であるが高校の時の先輩である。先輩は昔から見た目がおじさんだったが、今もまだ変わらないおじさんであった。若い頃より痩せた分、返って若く見える気がしたりする。30年来の知り合いにそんな風に思うのは変であるのだが。
そんな先輩はバイク好きだ。先輩の影響があって私もバイクにまたがったところが強い。当時は赤いXL250Lに乗っていた先輩だが、今はいろいろ持っている。三度の飯よりバイクである。実際、飯の時間は嫌いだと豪語する人である。生きているのが不思議なくらいだ。
数あるバイクの中から遠出用の2台を選出してもらいW650とZephyr750になった。私は普段乗っているのがハーレーなので、幾らかポジションが近いWを薦められた。なるほど、それほど違和感がない、というわけではないが、数時間もすれば慣れるだろうと思った。
整備が隅々まで行き届いた先輩のバイクは見た目も乗り味も気持ちがいい。
15年保有しているというこのWもまるで新品同様に見える。クラッチやブレーキの整備、今回の旅の為に前後タイヤまで交換してくれている。所有台数が多いので距離もまだ4万キロを超えたくらいのところで、5年乗った私のハーレーは既に5万に近い。
心配していた台風は過ぎ去ってしまい、絶対に青空の下の2日間になると予想していたのた。当日の朝、所沢は予想通りに青空が見えている。とてもいい切り出しだ。実は予報はあまり良くなさそうであったのだが。
狭い路地をいろいろ通って高速の入間インターを目指す。こんなところ、通ったことはないと思うのだが、実は通った事があるらしい。確かに見覚えのあるような店がある。でも道も確かに変わっていて、太いバイパスが出来ている。と思うと、入間インターの入り口があった。
しかもこれで高尾山をくぐり抜け、中央高速につながっていくなんて信じられなかった。
本当に浦島太郎だ。
つづく。
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