2015年11月9日月曜日

冬眠終了。目覚めよSportster

2015年9月

どうやら私の思考と行動は季節にとても影響されているようだ。
四季を通して幸か不幸か、それはまるっきり変わってしまう。これは南緯45度という非常に乾燥した場所で、小さいながらも一応、都会的要素を含む生活リズムでを送りつつ、厳しい自然環境で大きく変化のある風景と温度、それに観光地という特性から人口密度とそれによる繁栄というものが深く関わっているに違いない。 

とりあえず、こんな場所に住むバイカーとしては冬の期間は冬眠である。路面は所々凍りつき、その凍結対策に巻かれた細かな砂利が良いのか悪いのかわからないが、とにかく寒くてツーリングの楽しさなんてどこにもありゃしない。

あるとすればきっとそれは行った先のカフェでいただくあったかいスープかコーヒーであろう。もし、カフェが営業していればというのが前提だが。冬季、客足の少ない町のカフェなどは結構の長い間、店を閉めきって、赤道に近い島々にウキウキとホリデーに出かけてしまったりしているものなのだ。

でも、そんな私のような軟弱者なぞ相手にしない大イベントがある。冬の入り口の5月の終わりに周りに何にもない平らな大地でバイカーがみんなで集まってキャンプするっていうイベントだ。Brass Monkey Rallyという。 気温は−20度以下になることもあるそうだ。周りに何もなく、当然テント泊である。

30年以上続いているイベントで、参加連続それぞれ10、20、30年でもらえる記念バッジがあるという。真の本物のバイク乗りの証なのだ。現在47歳の私にはたとえ来年から参加したとしても到底30年バッジはおろか、参加しようと思う事は多分ないだろう。
真のバイク乗りには一生なれないのだ。

というわけで6月から眠り始め、そして、9月ようやく目が覚め、気合を入れてガレージのドアを勢いよく下から上に振り上げて開ける。ちょうどモグラが土から出てくる感じで。しかしながら9月だってそんなに気温が上がるわけではない。南中を過ぎてようやく空気がじわっとあったまり始める頃、それこそちょろっと走ることができるくらいになる。(あくまでも軟弱な私の場合だが)

革ジャンの下はしこたま着込み、黒いミシュランマンみたいになっている。そのせいで動くのも不自由だ。腕も肩以上は上がらないだろう。ほぼ体にフィットしている型の革だ。伸びるわけもないので全身パンパンである。とにかく用意はできた。

この3か月の間、度々バッテリーをチャージしてあったのでイグニッションをひねるとヘッドランプが眩しく点灯した。そこで良し、とセルを回すと、なんとも聞いたこともない音がした。


そしてエンジンはかからなかった。
しょうがないので着替えてバイク屋に相談に車で出かけた。最近、経営者が変わっていて、全員とも全く見たこともない人たちが働いていた。

このビデオを見せて、そのワークショップのメカニックにバッテリーじゃないかと言われたのだけども、フル充電したはずだからと言い張ると、それなら高い修理が必要かもな、なんて言われてがっくりと肩を落とし帰ってからもう一度祈る思いでバッテリーチャージャーに接続すること丸一日。チャージ完了のグリーンランプがついた。

期待を込めてセルを回すと、なんだ、ちゃんとエンジンが回るじゃないか。
あー、よかった、と間抜けな私である。

そういえば、チャージャーをはずしたのは3週間ほど前だったかもしれない。ちょっと気が早いので、チャージするのを時期早々に切り上げていたのだった。もちろんその時もセルを回してチェックしているのだが、それからそんなに早くバッテリーが劣化してしまう寒さなのだ。わからない事はない。これは何年目だろうか、早くこのバッテリーも交換しなくてはいけないかな。

この季節の変わり目に私の心と体も目覚めるように。
さあ、走るぞ。





1 件のコメント:

  1. 冬眠からお目覚めのようで・・・。お久しぶりです。冬の間もKとRは僕のことを職場まで運び続けてくれましたが、問題が無かったわけではありません。Rはフロントフォークからオイルが漏れ始めて修理。まあ1994年製のバイクだからということで納得。Kはスターターモーターの接触不良でエンジンが掛からなくなって修理。Kは1986年製だから仕方ないかも。こっちは部品を調達して自分で修理しました。今シーズンもクイーンズタウンからの記事を楽しみにしています。

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